好きなもの
文章を書くのはとても好き。
気持ちを文字にすると落ち着くので
ほぼ毎日noteは書いていて、下書きが溜まっている。
どんどん書いてどんどん溜まる下書き。
読み返すこともあるけど、そのまま封印することがほとんど。
ここ数日は自己表現を発信する必要はないのかもしれないと思っていた。
自分で想ったこと、感じたことを誰かに表現しなくても、自分の中で消化できれば良い。
そんなふうに思っていた。
先日、知人に誘われて久方ぶりにライブに行った。
日本武道館。
Official髭男dism。
コロナで延期になった振替公演の追加公演だった。
たくさんのファンの方が応募して、抽選に当たらなかった人も多かったらしい。
ラッキーが重なってチケット取れたと連絡をもらって
アリーナ席の4列目という更なるラッキーが重なった。
ステージの汗が見えるほどの距離。
ライブなんて久しぶりすぎて、会場の周りの推しに会えるウキウキワクワクのエネルギーだけですでにお腹いっぱいで、なんだかうるっとしてしまった。
ライブが始まる前に、
人生の余白とか余韻の話をした。
余白と余韻こそが大切で、全部を埋めたら苦しくなるよね…というような話。
知人は余白を埋めすぎて、もう何も入れられないと嘆いていた。
余白に全力投入して、人生を楽しみまくっている知人。
さらに新たにやりたいことがあるけど、もう余白がないと嘆いていたので、どこを削るかの相談をした。
仕事を削ると良い!なんて無責任な提案をしたら、
それもありだよねぇなんて笑ってしまう人生の先輩。
かっこいい!
ライブがいよいよ始まる前の静寂と暗闇。
まさに余白。
高揚感が高まる。
ライブは言わずもがな素晴らしかった。
聞き馴染みのある曲。
生のバンド演奏と、生の歌声に思わず目を閉じてしまった。
視覚を閉ざして、聴覚に集中したかった。
音のある世界で生きているから
音楽は日常に溢れている。
耳を塞ぎたくなるような音も日常には溢れているから
時々耳も塞ぎたくなるけど、耳をふさぐことはあまりしない。
聞きたくないことは聞こえないようにする事は意外と簡単にできる。
見たくないものを見ないようにすることもできる。
そうやって自己防衛しながら人は生きている気がする。
ライブの間は、全部の音を聴き逃さないように聴覚に集中した。
全部見ることは不可能だから…
せめて全部聴こうと思った。
高音が魅力のボーカル。
途中から、雲行きが怪しくなった。
音を外したと思ったら、そこからなんだか苦しそうで
仲間に任せて一度姿を消した。
突然場を繋ぐように任された仲間たち。
即興で歌い出す仲間に即興で音を重ねる仲間。
いよいよネタ切れのタイミングで戻ってきたボーカルの顔を見て安堵して、ハグをして
信頼できる仲間の存在ってすごいなぁと思った。
ボーカルの不調を誰も責めてないし、1万人を越える観客もただただ心配していた。
もう歌わなくて良いさとさえ思っていたけど
ライブはちょうど半分くらいだったから、後半もやるぞ!と気合を入れ直して、歌い出すプロ根性を見た。
即興でキーを変えて、歌いやすくしたり
見えない工夫もたくさんあったと思う。
阿吽の呼吸でそれを見事に合わせるプロの集団がステージの上にいた。
ただただすごいなぁと思った。
アンコールは要求できないよね…と
控えめに拍手を贈る観客の気持ちに応えて、
アンコールが始まったけれど、
アンコールの曲を一曲飛ばしてしまった…
不甲斐なくて悔しいと泣き出したボーカルに
タオルを差し出して、ハグする仲間。
やりたいようにやったら良いと信じて待つ仲間。
その様子を黙って見守る観客。
広い広い武道館の中が優しい時間で満たされていた。
声が出なくて怖いけど歌うことはやめない
歌い続けたいから怖くてもやめない
3年で戦えなくなるスーパーヒーローにならなくて良いから、80歳まで歌い続けたいから…
というようなことを言っていた。
今日は本当にごめんなさいだけど
このリベンジはこの先、良い曲たくさん作って歌い続けることで果たすというようなことを言っていた。
みんな日常があって、自分にも日常があって
毎日ライブしたくもできないから、今日が特別な日だったのに
そんな日にこんなことになって
悔しくて悔しくて悔しいと泣いていた。
悔しい気持ちは本気じゃないと生まれない。
本気でやったのに、うまくいかなかったから悔しい。
適当にやって、適当な結果が出れば悔しくもなんともない。
自分が望んだ結果じゃなかったから悔しい。
私もそんな悔しい想いたくさんしたなぁ…と思った。
でも、人の悔しさに直面した時、そんなに悔しがらなくても良いよと思えた。
あなたが本気でやって、今ものすごく悔しいことわかるよと思った。
誰も責めてない。
でも、自分自身が自分を許せないのだと思った。
客観的にそんな場面を目撃して、自分のことを理解できた気がした。
たぶん私のことも誰も責めてない。
私のことなんて忘れて生きている人の方が多いだろうし…
でも、私は私の悔しさを忘れていなくて、いつまでも自分のことを責める。
でも、それってなんの意味があるのかな…と思った。
有名バンドのボーカルさんは
待っているファンのために自分を責めてまで結果を出す。
私は別に誰にも何にも求められてはない…
ただ自己満足のために自分を責めて、
やらなくて良いことまでやっていたんだなぁ…と思った。
自意識過剰…
そんなの独りよがりだった気がした。
別に何者でもなくて私は私。人は人。
人に期待しないように、自分にもそんなに期待することはない。
そんなふうに割り切ったら
次々と仕事の依頼が入るという不思議な現象の中にいる。
やってみたいと思うことだけ、やってみようと思う。
好きなことを素直に好きだと発信するだけで、
不思議と次に繋がるという不思議の中にいる。
世の中って不思議なことばかり。
この世に生まれたこと自体不思議なのだから、
不思議の中にいることも不思議ではない。
I日だって同じ日はないし、昨日と同じ気持ちなんて日はない。
今日は今日。明日は明日。
過去は変えられないけど、今日の自分は変えられる。
毎日生まれ変わった新しい世界だと思って、
自分の好き!を信じて生きていっても、
意外と生きていけるものかもなと思った。
そんなことを思いながら書いた文章を久しぶりに公開してみようと思った。
文章を書くのは好きだから、
また好きを発信してみようかなと思う。