あいみょん 考察「風のささやき」と「夢追いベンガル」にみる変化 Part1
今回の記事では、「風のささやき」と「夢追いベンガル」の歌詞を比べて気づいたことを書いていきます。結論から言いますと、この二曲には、あいみょん自身の心持ちや彼女を取り巻く生活や環境の変化が鮮やかに描かれています。両曲の歌詞の僕なりの解釈を交えた上で、比較するという記事です。ぜひご一読ください。
そもそも・・・
具体的に歌詞をくらべる前に、この二曲が書かれた背景や大枠を確認していきましょう。
「風のささやき」は、あいみょんの記念すべきメジャー1枚目のフルアルバム「青春のエキサイトメント」に収録されており、あいみょんが売れっ子になる前の下積み時代の苦悩を描いた曲です。歌詞にあいみょん自身の思いが色濃く反映されています。
対して「夢追いベンガル」は、「マリーゴールド」を筆頭とするヒット曲を世に送り出したころのアルバム「瞬間的シックスセンス」に収められています。歌手として世間の関心を浴びた時期の曲です。歌詞の主人公は、あいみょんが考えた架空の人物ではないか、など諸説ありますが、ここでは主人公があいみょん自身であると仮定してみます。
お金に対する思い
「風のささやき」では血汗を流して働いているのにお金がなく生活が逼迫する状況が、以下のように綴られています。
タイムカードは、従業員の出退勤の時刻を管理するために使う紙です。一行に一日の始業時刻・終業時刻などを書き込み、出勤しなかった日の行は空欄にしておくタイプが主流です。あいみょんがこのタイプのものを使っていたとすると、タイムカードはこんなにも真っ黒に埋まってんのにでは、タイムカードの空欄がない、つまり出勤しなかった日がないということが表されていて、土日返上の連日勤務をするほど働いていたことが読み取れます。後半の今日もポケットは紙クズ銅メダルでは、「紙クズ」は何かを買ったときにもらったレシート、「銅メダル」はその時に出たお釣りの十円玉を指しているのではないかと思います。(「紙クズ」と「銅メダル」が何を意味するのかについては解釈が分かれるところですね。)
一方「夢追いベンガル」では…
貯金通帳が白いかもめの部分では、貯金通帳が白紙の状態で、開いた時にたわんだ形をカモメに見立てています。貯金がないのは、単に収入が少ないからか、あるいは金遣いが荒いからかのどちらかでしょう。
また、「風のささやき」では、真っ黒、夢追いベンガルでは白いが用いられていて色の対比を意識させています。
さらに、細かいところですが今日もという歌詞は「風のささやき」で先ほど紹介した部分(今日もポケットの中は…)でも共通して用いられています。
「夢」に対する思い
コンパスはかつて航海などで目的地の位置を把握するため必須の道具でした。あいみょんの目標はアーティストとして成功することだったので、ここでコンパスはあいみょんの夢やそれを達成するための手段、道のりといったものを象徴しているように思います。それを眺めるだけの時間ですから、夢を追うことをせずただ手をこまねき、半ば諦めている時もあった、ということが伺えます。
追い続けている馬鹿な夢は、夢追いベンガルの曲名を連想させますね。やはりあいみょんは風のささやきを意識して夢追いベンガルを作曲したのではないでしょうか。
「風のささやき」とは打って変わって気力にみなぎっていますね。この曲を作った時点であいみょんはかなり有名になっており、大概のアーティストであれば夢を掴んだと言っても過言ではない状況にありました。しかしそれでも彼女は曲名通り夢を追い続けます…
続きは…
まだまだ書きたいことがあるのですが、ちょっと長くなってきたので一旦区切って
Part2に回します。続きも楽しみにしていてください!!