小説もどき

あるnoteに、思いついたことを箇条書きにし、書き出した項目を時間軸の中で繋げて文を作れば小説になるというようなことが書いてあっだ。

小説を書いてみたい気分なのでやってみる。

単語を思い浮かべようと思ったら、老夫婦と桃とキビ団子と鬼しか思い浮かばなくてこまった。

のでAIに単語を四つほど提案してもらった。

1. 雨 – あめ – rain
2. 家族 – かぞく – family
3. 地球 – ちきゅう – planet Earth
4. 笑顔 – えがお – smile

なんかポエミーな単語チョイスやなと思いつつ、前置き終わり!


小説

雨がふっている。

武雄は傘を持たず、家を出る。

後ろから
あんた!傘持っていき!風邪ひくよ!

と武雄の母の声が聞こえる。

武雄は、無機質にサメザメと流れる雨音に混ざった温かい母の声に、何か胸に込み上げるものを感じながらも、雨の中への歩みを止めない。

武雄には家族がいる。
母と7歳離れた小学生2年生の妹である。妹はとてもかわいい。内心ホカホカのさつまいもみたいだと武雄は思っている。

父親は去年の秋頃、パチンコに行ったきり帰ってきていない。

本当は、武雄は、自分には家族がいないと思っている。家族なんて名ばかりにすぎない。母も妹も父も個でしかない。

武雄は人は孤独な存在だと思っている。
(彼は健全な厨二病である。)

そんな彼も、秋から家に顔を出さなくなった父のことを考える時がある。

今頃父は何処にいるのだろうか。

父は、僕と妹を良く遊びに連れて行ってくれた。

遊園地とか、公園とか、近所の喫茶店とか、、。

父は気さくな人だったので、誰とでも仲良くなれた。

それでよく女のスタッフの人に電話番号を聞いていたっけ。

そういえば海に行った時に、最近知り合った友達なんだって、Facebookの中の女の人の写真を武雄にこっそり見せてくれたこともあったな。

彼女は重病なんだったっけ。

フサフサした髪が、実はウィッグだったと知った時の気持ちを武雄は思い出した。

武雄はふとおもった。

もしかしたら、パチンコで当てたお金を持って、父は重病の彼女を助けに行ったのかもしれない。

それで、いま2人で地球の何処かで暮らしている…?

武雄は笑顔になった。

父が知らない女の人と笑顔で暮らしているところを思って。

それから、地球に生きる自分は、人間は、なんてちっぽけなんだろうと思った。

雨は依然として降り続け

武雄の濡れた前髪から滴った雫が、彼の冷たい頬を優しく撫でた。

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