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内部監査は警察?

皆さん、こんにちは! 共創したい監査チームの清水です。
前々回(2023-05-22)、内部監査とは内部統制を評価することで、また、
内部統制とは、組織体の業務執行が適切かつ持続的に行われるように仕組み
が作られ運用されていることだと説明しました。

一方で、不祥事を起こした企業が特別委員会を作って調査した結果、内部
監査が機能していなかったと報告されることがあり、内部監査とは、不正
の疑いを持って調べたり、他人の弱点をツッコんだり…と思われることが
「内部監査あるある」ではないでしょうか。

内部統制には、4つの目標(①業務の有効性・効率性、②報告の信頼性、
③コンプライアンス、④資産の保全)があり、③は「法令や社会規範の
遵守」とも言われます。ここに法令違反=不正行為が含まれることは
おわかりいただけるでしょう。しかし、内部統制の整備・運用状況を評価
することが内部監査の主な役割であって、不正行為の事実があれば、
もちろん是正を促しますが、それを見つけることがメインではありません


監査実務の現場(実地監査)で、監査対象先から、内部監査人は絹の手袋を
はめて鉄の爪を隠しているのでは?と言われたことがあります。それに
対して、高速道路を巡回するパトカーでありたいですね、とやんわり切り
返したことを覚えています。パトカー(=警察)の例えは的を射たものでは
ないものの、違反車両を検挙することが巡回の主目的ではなく、危険運転を
未然に防ぐためにあると考えたから、この回答となりました。

コンプライアンスの観点で、内部監査の抑止力への期待をしばしば耳に
します。しかし、心理的安全性に裏付けられた共創・協働の関係が監査対象
先と監査人にあれば、抑止効果はもとより、業務の改善活動に更なる効果を
期待できると思います。


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