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実地監査のHOW TO~準拠性と実効性の視点から見るべきポイントとは~

はじめに

皆さんこんにちは!内部監査監査チームの金田です。
REAPRAという事業投資会社(https://jp.reapra.com/)でインターン生として働いています。

現在内部監査チームでは、私たちが目指す『共創する内部監査』の概念を皆さんに知っていただくために、発信に力を入れています。

私たち株式会社REAPRA内部監査チームは、内部監査の業務を明確化し、内部監査人が自らの業務に対する理解を深めるために【内部監査業務の一般化】を行っています。

今回は、私たちが一般化した実地監査の方法について紹介します!


実地監査とは何か

まず、実地監査とは、【業務が行われている現場へ内部監査人が出向き、監査プログラムに沿って監査手続を実施するプロセス】のことを指します。近年では、直接出向かずオンラインで監査を行う会社も増えてきています。

監査で行うこととしては大きく以下の2点があります。
①業務ごとにリスクを識別し、それらのリスクが経営目標の達成を阻害しないように、業務のコントロールが適切に行われているかどうかを検証する
②コントロールの有効性が確認できればそれに対して客観的意見を表明し、確認できなければそれらを改善するために助言や勧告を行う


説得力を高めるために監査証拠を活用する

内部監査人が提供するアシュアランスに説得力を持たせるためには、説得力のある根拠である【監査証拠】が重要になってきます。
監査証拠は、関連性(監査証拠が内部監査人の結論を裏づける確かなものであること)、信頼性(監査証拠が信頼できる情報源から得られていること)、十分性(監査証拠の質・量が十分であること)を備えることが重要になってきます。

監査証拠を得るためには、主に以下11の監査技術を使用してきます。

①質問(監査対象先の担当者や第三者から口頭による情報を得ること)
②観察(担当者や関連する手続き、人が関与するプロセスを観ること)
③視察(倉庫や設備等、人が関与しない状況を視ること)
④実査(手元現金や在庫品など、有形物の実在性や金額・数量を現地で直接確かめること)
⑤立会(実査を行っている現場に監査人が立ち会い、注視すること)
⑥照合(複数の帳票に記載された数量・金額などを照らし合わせ、差異の有無を確かめること)
⑦追跡(一連の取引に関する帳票を抜き取り、数量や金額の変化の有無を確かめること)
⑧再実施(コントロールやその他の手続きを再度監査人が行ってみること)
⑨分析的手続き(複数の帳票の金額・数量などを比較してその差異を分析、一定の傾向・趨勢・異常等を把握すること)
⑩閲覧(紙媒体又は電磁的記録を査閲し、事実との整合性を確認すること)
⑪確認(独立した第三者から直接情報を受け取り、内容を照合することで情報の正しさを検証すること)

このように実地監査では様々な監査技術を用いて、監査証拠を集めることで、業務に対するアシュアランスを提供しております!


準拠性と実効性の観点から内部監査を行う

実地監査をする上では、まず【準拠性の観点】から整備状況と運用状況を見ていきます。
整備状況に対しては、遵守すべき法令や規程等の規準があるか証拠を収集し、証拠に基づいて、監査対象の有効性(目的を達しているか、効果を上げているか)を合理的に保証することが求められます。具体的には、監査対象先の業務について参照すべきマニュアルがあるかないか、規程類を関係者が必要な時に利用できる状態にあるか、などを確認することが必要です。

また、運用状況に対しては、業務等が規程等に則ているかどうかの証拠を収集し、証拠に基づいて、監査対象の有効性(目的を達しているか、効果を上げているか)を合理的に保証することが求められています。取り組んでいない規定内容はないか、規程類にある承認等の仕組みを理解しているかを確認することが必要となってきます。

次に、【実効性の観点】から整備状況を見ていきます。
単に規則や基準に従っていること(準拠性)を確認するだけでなく、それらが組織に対して実質的な価値を提供し、意図された成果を生んでいるかを確認していきます。具体的には、監査対象先におけるリスク評価をした上で、必要な規程及びマニュアルが整備されているか、規定されている内容が、組織目標達成に繋がるものになっているか、などを見ていく必要があります。

このように内部監査では、準拠性と実効性の観点から整備状況・運用状況を見ていくことが重要となってきます!


おわりに

今回は、実地監査の方法について説明しました。
少しでも、『内部監査』についての理解が深まれば幸いです!

今後も、内部監査や私たちが目指す『共創する内部監査』についての発信を続けていきますので、是非フォローの方よろしくお願いいたします!


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