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監事(≠幹事)とは?

皆さん、こんにちは! 共創したい監査チームの清水です。 

これまで、内部監査にまつわるあれこれをお話ししてきましたが、筆者は
常勤監査役として所属しており、小規模組織においては、内部監査人と監査役は、しばしば「ワンチーム」として扱われます。もちろん、両者の監査には相違点がありますが、協働したい間柄だと考えています。

ところでこの頃、「監事」という役職名を見聞きする機会が増えてきました(同窓会や飲み会の幹事ではありません…)。よって今回は、この監事とは何か?を考えてみることにしましょう。

監事は、法人における理事の職務執行を監視する役割を持ち、法人の財産の状況及び理事の業務執行の状況を監査するなどの権限を持ちます。ここで、理事を取締役、監事を監査役と読み替えれば、監事は株式会社における監査役等と同じ役割を担う人といえます。

さて、法人とは何か?ですが、法人は、法律によって人と同じ権利や義務を認められた組織で、公法人と私法人に大別されます。公法人には、広い
意味で国家及び地方公共団体が含まれ、公社・公団等が属します。私法人は、営利法人と非営利法人に区分され、営利法人には、株式会社のほか、
合同/合資/合名会社が属しますが、監査役等が置かれることがあるのは、株式会社だけです。

さらに、私法人である非営利法人は、中間法人と公益法人に分けられます。
中間法人には、協同組合やマンション管理組合などが、また、公益法人には、財団/社団法人、社会福祉法人、NPO法人、宗教/学校法人が属し、
いずれも監事が置かれます。ただし、法定で必置(ひっち)の場合と、一定の条件に該当する場合は設置を求められることがあります。

ここまで書いてきて、監事とは何か?を考える前に、法人の分類説明に紙幅を使ってしまったと気付きます。が、ここから先にそれほど説明は要りません。上述のとおり、営利法人(=株式会社)の監査役等と非営利法人における監事の役割は同じだからです。

ただ、上場会社には、株主や市場の監視(ガバナンス)が機能しますが、
非上場会社にはそれらが比較的弱いのと同様、非営利法人には、その規模や影響力が大きくても、市場に相当する「世間の目(衆人環視)」が十分
効かないことがあります。時折、マスメディアに取り上げられ、物議を醸す非営利法人の不祥事がそれを裏付けています。

最近は、非営利法人の監事に対する期待の高まりとともに、法人に内部監査組織を置くケースが増えてきました。その組織が、理事長(株式会社の
社長)に直属するのか、監事に直属するのか、という課題がすでに提起されていることも耳にします。ガバナンス(理事長への監視)強化の視点では、監事直属が有効であるといえますが、各法人の個々の事情により判断は
分かれると考えます。

共創したい監査チームでは、新しい仲間を募集しています。
社員又はインターンにご興味のある方は、https://reapra.notion.site/Reapra-Japan-3c77a602737748ff9bb1112f2ec91241から、コンタクトをお願いいたします。

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