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「往査」って何?

皆さん、こんにちは! 共創したい監査チームの清水です。
監査実務でしばしば使う業界用語に「往査」があります。一般的に監査と
比較しても見聞きする機会が少ないですし、パソコンで「おうさ」と入れても、繰り返して学習させないと1回で変換されることは珍しいです。
では、今回はこの「往査」を取り上げましょう。

筆者が監査に関わり始めた頃、経理部門の諸先輩がこの用語を使っており、子会社に対する監査を「往査」と称していました。予備調査も報告作成も
その前後に行うものの、メインは現地子会社に出かける(往く)であった
ことから、そのように呼ばれていたのだと思います。

その後、監査法人の会計士と話す機会があり、彼らももっぱら「往査」ユーザーでしたが、意味合いが少し違っていました。年間の監査契約に基づいて監査を行う際、事務所で行う監査とクライアント先に出かけて行う監査が
あり、後者を「往査」と称するとの説明でした。

筆者は、現地で行う監査であることから「実地監査」と呼んでいます。以前ご紹介したIIA国際フレームワークでは、Fieldwork又はOn-site auditと称しており、「監査に往く」よりも、「現地で監査する」に近いと思います。

コロナ禍は私たちの日常生活に大きな影響を与えました。その一例がリモートワークで、私たちの業界にも「リモート監査」なる新語が定着しました。その一方で先日、「リモート往査」なる言葉を耳にしました。もともと、
監査イコール往査の用法に、リモートが組み合わさったのでしょう。
「往査に往く」は明らかに重複表現(tautology)ですが、リモートワークで
現場に往かないのに往査とは、、、どのように説明すればいいでしょうか?

監査対象先の人たちとのコミュニケーションの重要性は毎回お伝えしていますが、監査人の話す言葉は難しくてよくわからない、、、と感じさせる原因を監査人が無意識のうちに作っているかもしれません。ツッコまれてから
ハタと考えることのないように、日頃当たり前に使っている言葉にも注意
したいものです。

共創したい監査チームでは、新しい仲間を募集しています。
社員又はインターンにご興味のある方は、https://reapra.notion.site/Reapra-Japan-3c77a602737748ff9bb1112f2ec91241から、コンタクトをお願いいたします。
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