【仕事紹介】地方公務員(農業職)
私は地方公務員(農業職)として13年間勤務しました。
この記事では、地方公務員(農業職)の仕事について紹介します。
地方公務員(農業職)の仕事を一言で表現すると、農業者の支援です。
公務員というと事務系のイメージが強いかもしれませんが、行政職(事務系)のほかに、土木、建築、農業、化学などの専門技術を必要とする技術職があります。農業職は技術職の1つです。
1 仕事内容
私が採用された自治体での事例を紹介します。自治体によって仕事内容に大きな違いはないと思います。
(1)担当品目
まず担当品目(作物、野菜、果樹、花卉)が決まります。
一般的に異動しても担当品目は変わりません。農業職人生の背番号のようなものです。自治体によっては複数の品目を担当する場合もあります。
ちなみに、私の背番号は果樹です。
(2)勤務先
勤務先は本庁と出先機関に分かれます。
出先機関には普及センター、試験場、農業大学校があります(都道府県によって呼び名は異なります)。
担当業務は行政、普及、研究、教育に分かれます。担当業務は異動や配置転換で変わることがあります。私の場合は、研究→普及→普及→行政→研究と変わりました。
①本庁
主に事務作業が中心です。本庁は国との調整役、出先機関の司令塔のようなポジションです。
国からの依頼や問い合わせの対応、出先機関への情報周知や協力依頼など、関係機関との連絡調整を行います。
②普及センター
主に現場での活動が中心です。農業者からの問い合わせに対応したり、畑に行って技術指導を行ったりします。
市町村やJAとのつながりも強く、市町村の取り組みを支援したり、JAで開催する指導会に講師として参加したりします。
特有の資格に、普及指導員資格があります。資格がなくても技術指導はできますが、資格を持っていると手当を受給できます。支給率は都道府県によって異なります。
資格を取得するためには普及指導員資格試験に合格する必要があります。試験を受けるには一定の実務経験が必要です。
③試験場
新しい栽培技術の検証、新品種の開発、病気や害虫の対策技術の検討などを行います。現在の栽培技術では対処できない問題の解決策を見つけるための研究を行います。
試験計画を作成し、試験結果を成績書をまとめます。成果は普及センターを通じて、農業者に伝達されます。
④農業大学校
農業に関わる仕事に就きたい人や経営発展を目指す農業者を対象に、栽培技術や経営に関する研修教育を行う機関です。
先生として、座学と実習を行います。学校いう名称ですが、学生を指導するのに教員免許は必要ありません。
2 地方公務員になるには
公務員試験に合格する必要があります。一次試験(筆記)に合格すると、二次試験(面接、集団討論)に進みます。
技術職の場合、採用予定が全くない年もあります。自身が志望する自治体の採用情報はこまめに確認しましょう。
試験勉強のやり方は、専門書を使って勉強する、専門学校に通うなどが考えられますが、私は大学の公務員試験対策講座を受講しました。
試験日程が違えば、複数の自治体を受験することが可能です。
職種や地域にこだわりがないのであれば、多くの自治体を受験することをおすすめします。
私は国家公務員、国立大学法人、地方公務員の試験を受けました。
3 公務員に向いている人
行政職、技術職ともに、プライベートを充実させたい人は公務員に向いていると思います。
一方、やりたいことが明確な人や仕事にやりがいを求める人はあまり向いていないように感じます。
民間企業でも同じだと思いますが、異動や配置転換のたびに仕事内容が変わるため、常にやりたいことができるわけではありません。
与えられた仕事を自分なりに楽しんでやるという割り切りが必要です。
4 メリット、デメリット
(1)メリット
①福利厚生が充実
最大のメリットだと思います。民間企業と比べて圧倒的に福利厚生が充実しています。
②経済的に安定
毎月一定の給与が支給され、年2回の賞与(ボーナス)もあります。年功序列のため、一定の年齢まで毎年昇給します。犯罪行為などの例外を除いて解雇もありません。
(2)デメリット
①所得向上を目指しにくい
メリットと表裏一体ですが、業績にかかわらず給与の金額は変わりません。また、公務員は営利目的での副業は認められていません。
②定時で帰れない
公務員=定時で帰れるというイメージが強いと思います。
もちろん定時で帰れる部署もありますが、毎日深夜まで残業するのが当たり前という部署もあります。定時で帰れるかどうかは配属先次第です。
③評価制度があいまい
公務員にも業績を評価するための制度(人事評価制度)はあります。
しかし、評価が給与額に反映される職員はごく少数です。実質、仕事を頑張っている職員もそうでない職員も給与は変わりません。
仕事にどれだけ誠実に取り組めるかは本人の気持ち次第です。
以上、地方公務員(農業職)の仕事についてまとめてみました。
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