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何度でも生まれ変わる
「挨拶をしたけど無視されました、どうしたらいいですか?」
これになんと回答するかで、自分の軸がどこにあるかが大体分かると思う。
私も過去悩んでいたことがあるが、よほどその人に直接悪いことをした自覚がなければ
「無視をするのはその人の問題」
なんだと気がついた。
朝から嫌なことが立て続けに起こったとか、便秘気味とか、身内が病気になったとか、私のことを気に食わないとか…とにかく何かは分からないが相手には相手側の都合があるのだ。
ただそこに私が合わせる必要もない。
だから「どうもしない、というかできない」が答えだと思っている。
人の考えや心までは変えられない。
皆、言葉では分かっているけど案外どうにかしようとしている。
もし自分が悪いことをしていての無視ならば誠心誠意謝ったらいい。
謝ってもまだ「許さない」と言われたら、それはもう相手の気持ちの問題なので、これまたなにもできることはないのだ。
それ以上は自分事の箱からブンっと放り投げておいたらいい。
昔、人付き合いに疲れて工場で働いてみたら癖強人間(自分含め)の集まりで前より人付き合いに悩むことがあった。
狭い空間で誰も彼もが不機嫌で、どんどん不機嫌が伝播していく。
ある時ふと「いや、どういうこと?!なんだこれアホくせぇ!」と思い
平等に機嫌をとるのをやめた。
その代わり誰にでもご機嫌でフラットに接することを一貫した。
しばらくしたら、嘘みたいに職場の空気が明るくなった。
こんなことで良かったんだ。と思った。
苗字で名前を呼ばれるのが好きではないので、良ければ下の名前で呼んでくださいと皆に伝えてあったのも良かった。
フランクに名前を呼べると雑談が生まれる。
それでもまだ、たまに突発的に不機嫌になる女性がいて怖がられていたので、その人のことも下の名前で呼び続けて、挨拶のあと一言二言お喋りをして距離を縮めた。
彼女はその当時30代後半、私は20代中頃だったと思う。
その後、折を見て突発的な不機嫌のことを切り出してみた。
「○○ちゃん、いつも明るくて優しいのにたまに物凄くイライラしてる時あるよね?あれはどうしてなんだろう?」
すると「実は生理前のイライラが酷くてどうしても自分でコントロールできなくなるんだよね…皆に怖がられてるのも知ってる」と彼女。
自覚はあるんだ!しかも原因も分かってる!と思い
「じゃあPMS対策で出来ることはやっているわけだし、それでもイライラしちゃう時は前もって皆に言うのはどうだろう??そしたら皆理由も分かるし、その時だけなんだって思うと全然違うよ!だって普段の○○ちゃんは本当に明るくて優しいんだから!」と提案した。
彼女は素直に聞き入れてくれて、生理前のコントロールができない時には
「ごめん、今生理前でどうしても不機嫌になってしまうかもしれない…でも誰にも怒ったりしてないから」と、周囲の人に言うようになり、皆も理由が分かれば怖くない!と、腫れ物扱いをしなくなった。
そして、彼女はそれからイライラすること自体が減っていった。
彼女の、私の話を聞いてくれたその素直さや柔軟さに感動したし、皆に自分のことを話した勇気にはもっと感動した。
どちらもなかなかすぐにはできないことだと思う。
凄い人だなぁと今でも思う。
この件で自己開示はとても大切なことだと学んだ。
自分も周りのことも助けるキッカケになる。
人は「知らないものは怖い」のだ。
自己開示とは、自分に関する情報を他者と共有することを意味します。自分の強みだけでなく、悩みや弱点なども含めてありのままの自分をさらけ出すことを指します。
私こういう人間なんです、と言うのは大なり小なり勇気がいるし、誰にでもなんでも言えばいいというわけでもないので工夫は必要だが、上手く出来れば生きやすくなる。
職場だけでなく恋愛においてもとても有効だ。
「イケメンで高身長で仕事もできるのに何故か彼女がいない」みたいな男性は、この自己開示が不得意なパターンが結構ある。
他人に弱さをあえて出すというのが苦手な男性は多い。
私は今では自己開示オバケ。
人生に起きた全トピックいつでも誰にでも話せる。
だからと言って、誰彼にでも垂れ流しではない。
こちらが何ともなくても、センシティブな話は相手を傷つける可能性もある。
関係性の構築や然るべきタイミングと重さでないと、ただの「扱いにくい人」になる。
そこに気をつけて、あとはとにかく練習をした。人と打ち解けるスピードが圧倒的に早くなった。
元々暗くて考えすぎる性格(話題のMBTIはINFJ)の私がこうなったんだから、おそらく皆なると思う。
私の外向的な部分は完全に後付け、練習による後天的なものだというのは断言出来る。
「友達を作るのに困ったことないでしょう」←実際は友達と呼べる人は数人いるかいないか。
「本当に人見知りしないよね、明るいよね」←人見知りがストレスだから自分を変えただけ。
が私の第一印象らしい。
人見知りすると、思ったような対応ができず、後から「あれで良かったかな…もっと上手く言えれば…」と考え続けるのがあまりにもストレスになるのでやめたくなり、「人見知りしない私」をインストールした。
ただ、これを読んで気づいた人もいるかもしれないが、後付けの外向さを重視し過ぎてしまうと「嘘つき」「本音を言わない人形」だと思えて自分を嫌になったり見失うこともある。実際私はなっていた。
そうならない為に私がしたことは
・思ってもいないことは言わない
・嫌だなと思った時にすぐその場で言えるようになる練習をする(溜め込まない)
・自分を偽るようなことはしない、よく見せようと思わない
・自虐をしない
などが主だと思う。
自分を大切にした上で周囲のことを考える。
自己開示は、自分の弱さや様々な経験、その時感じた感情を出すべきタイミングと出力で出せたら
相手にバチッとハマり、伝えたいことをすんなり伝えられるようになる魔法のツールだと思っている。