幼い胸を痛めて

物心ついた頃から極端に内気な子どもだった。
早生まれで身体が小さく口が重い。
話すどころかろくに挨拶もできない。 

皆が徐々に打ち解け仲良くなっていくのに
自分はいつまで経っても1人ぼっち
いつも浮いた存在だった。
そんな私に集団生活は苦痛でしかなかった。
   
勉強も運動も苦手で、とにかく学校に行くのが嫌
でよく休んだ。
休むと親にくどくどと小言を言われる。

あの頃何か楽しかったことってあったかな?
家も学校も居心地が悪くて、自分の居場所はない
どこにいても息を潜めるように身を縮めていた。

誰にも心を開けず、私の気持ちをわかってくれる人もいない
そうやってやり過ごすうちにどんどん内にこもっていった。
どうやって人と関わったらいいかがわからないし
何を話したらいいのかもわからない
話しかけてくれる人もいない
   
存在感のない自分はまるで透明人間みたい
そこにいるというだけ

たくさんたくさん嫌なことを経験した。
悪口を言われたり、無視されたり
 
少しでもその痛みを回避したくて無意識に
感覚を麻痺させていた。
まともに感じていたら辛すぎるから

その繰り返しを積み重ね、いつしか貝のように口を閉ざし、顔からは表情が消えていった。

繊細な心には無数の傷があり、忘れることはない

言われた心ない言葉
私を見る時の嫌そうな表情

そういう目にあったことのない人には決して
わからないだろう。

なんで自分はそんな辛い思いをしなければならなかったのか?

できれば経験したくなかったと今でも思うけど
痛みを知っているからこそ人の気持ちがわかるのではないだろうか?
 
嫌われたり虐げられた記憶が多く、自己否定する気持ちが今もあるが
だからこそ気付けることがあるのかも知れない。






 

 

















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