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種は守れるか 日本農業の動き207ー農政ジャーナリストの会

種子をめぐる問題については不勉強だったので,ポチッとしてみました。

https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54020063/

ツイッターをのぞいていると,特に興味がなくても種子法廃止・種苗法改正の問題などに対して過激な感じの投稿が流れているのが見えており,当時はなんとなく眺めていましたが,めんどくさくてスルーしていました。
よくある水掛け論の感じがして,めんどくさかったんですね。
でもやっぱりちょっと調べてみようということでポチりました。

西川芳昭氏の指摘によると,「種を守る」ということには3つの側面がある,ということ。
その3つは,

1 生物多様性を守ること
2 農業にとっての育種素材としての資源を守ること
3 農業者が使用する良質な種子を確保すること

どうもこの問題が混同されて水掛け論になっていたんですね。
話は古いですが,郵政民営化があったときも,民営化されたら国民の貯金が外資に乗っ取られる,ということを言う人もいました。
よくわからないものに関してはまず不安に感じるものです。
「ゲノム編集でおかしな生物ができるのではないか」
「多国籍企業に種を独占されてしまうのではいか」
「自分で採種する権利を奪われるのか」

本書は以下の構成で論じられています。

○「種の多様性」こそが、食と農の根源
  竹村晃(農政ジャーナリストの会会員)
○改めて種(タネ)と人間との関係を考える
  西川芳昭(龍谷大学経済学部教授)
○ゲノム編集は種子開発を変えるか
  江面浩(筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター長)
○種子が危ない! 固定種・在来種を守るには
  野口勲(野口種苗研究所代表)
○種苗政策をめぐる最近の情勢と課題
  藤田裕一(農林水産省食料産業局知的財産課種苗室室長)

本書を通読して思うことは,やはり国の政策は「産業政策」に軸足を置きすぎているのでは?ということ。
担い手など他の問題にも関連しますが,「人の生活」をベースにした政策について,もう少し具体的に進めてもらいたいし,「人の生活」を想像しながら政策の立案をしてほしい,ということです。

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