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"まじめにふざける"は覚悟がいること 【インタビュー記事】


今日は、日頃から通っているパンケーキ屋さんのさかしさんに突撃インタビュー(といってもちゃんとアポ取りました笑)をしてみた!


高校中退してからの修行

「学校ってやめれるんだ!?」

高校2年生の春、友達が高校を中退したのをきっかけに高校を中退。

そのとき、「お菓子を作れたらモテモテだろうな」と思い、ファミレスで正社員として働くことにした。

一年ほど働いて、お菓子作りをできるようになるには、専門学校に行ったほうがいいと思い、ファミレスを辞め、お金を貯めるために魚屋さんで働き出した。

そのとき魚屋さんで一緒に働いていた人の「専門学校なんか行かなくても仕事できるよ。僕が仕事を紹介するよ。」という言葉をきっかけに、神戸で”本気の”お菓子屋さんに入社することになる。

福井県から神戸に引っ越すことになり、4トントラックで自分で引っ越しをした。住居はというと、会社の寮が空いていたのでそこで暮らし始めた。

紹介してもらった本気のお菓子屋さんでは、一からお菓子作りを学んだ。

5年ほど働いて、フランスに行くか東京に行くかで迷っていた頃、フランス料理のレストランでスイーツ作りの仕事があったので、そこで働くことに。

その会社は土日も休みで待遇もよかったが、待遇の良さが逆に緩く感じてしまった。本気でお菓子作りをやりたかったからこそ。

1年ほどで退職し、個人のケーキ屋さんに入社したが、そこは尋常じゃないくらい、今の時代じゃありえないほど厳しかった。

トラックに轢かれて塞翁が馬

個人店のケーキ屋では、業界では有名なシェフから技術を学ぶことはできたものの、長く続けるには厳しい環境だった。

そんなある日の朝5時頃、バイクで職場に向かっているときに、トラックに轢かれた。

全身打撲で血が出るほどのケガではなかったが、痛みは酷かった。でも、朝店を開けないとシェフに殺される…。そんなのは嫌だ。その一心で、トラックの運転手放った言葉は、

「僕、仕事に行かないといけないんで、タクシー代をもらってもいいですか?」

そこから1カ月ほど、事故のことはシェフに内緒で働いていると、とうとう体が耐えられなくなったのだ。

病院の先生に安静にしとくことをすすめられ、そのことをシェフに伝えて円満退社することができた。

ファンキーなDJ、いや、社長との出会い

少しの間休み、体が復活した頃に、カフェでバイトを始めた。

当時そのカフェの社長がすごくかわいがってくれていた。

その社長は「仕事は楽しんでいいもの」ということを教えてくれた。元DJだったということもあり、真面目な自分とは真逆だった。

ある日お客さんがいないときに店内の掃除をしていると、「何してんの?お客さん来てないし、汚れてないから掃除しなくていいんだよ。」と言われたり、お店が暇な日にメイド喫茶に連れ出されたり。

働くことの楽しさを学んだけど、真面目さが勝ってしまい、そこを退職することにした。

結婚式などのホテルを経営している会社のパティシエとして入社して、15年が経った。

そこでは、技術だけでなく、人と接する上で大切なコミュニケーションや共感力を学んだ。そのおかげで人間力をつけることができた。

最後の年に福岡に転勤してきてたので、福岡で自分でお店を開くことを決意し、「Knock Knock パンケーキとお菓子のお店」が誕生した。

ワンオペ、飲むパンケーキ屋

2022年5月にKnockKnockがオープンした。

オープン当時はあまりお客さんは来なかったが、8月に福岡のローカル番組に出たことをきっかけに大繁盛。

インスタグラムのストーリーにお客さんがケーキの写真をあげてくれると、それをスクショしてお店のストーリーにアップする。

そこで気をつけていることは、"ナルシスト"にならないこと。

「またのご来店をお待ちしております」のような、お店主体のコメントをするより、お客さん一人一人に関するコメントをするようにしている。

例えば、お家でケーキを食べるところを投稿してくれたら、「おうちのカーテンオシャレですね」とか、お店で話したことに関するコメントをする。

自分の店のことより、来てくれたお客さんに向けたコメントをする方が「お客さんのうちの一人」ではなく、人対人として深い関わりができる。

まじめにふざけることの難しさ

長年いろんな職場で仕事をしてきて学んだことは、「正しいより楽しい」が一番だということ。

どの組織も、うまくやるためにルールを作るのだけど、ルールのせいでうまくいかない、なんてことがよくある。

ルールがあればあるほどギスギスしちゃう。そんなルールに縛られない店づくりにこだわっている。

何事も白黒ハッキリつける時代で、みんな疲れているから、ウチぐらいではゆっくりルールを忘れてくつろいでほしい。

そんな気持ちでゆるく、楽しく、でも真面目に働いている。

ふざけるとは言っても、商品がテキトーだったら当たり前だけど、売れない。

だからこそ、ふざけるところと真面目にやるところの線引きはしっかりする。

その塩梅が難しいんだけどね、と笑うさかしさんは誰よりもお客さん思いのエンターテイナーだ。



今回紹介したパンケーキ屋さんはこちらです。いつかこのお店の良さを実際に体験しに行ってください。

プロペラ付けて働くさかしさんがお出迎えしてくれます🤸

写真いいですか?と言うと、回ってくれた笑
パンケーキ以外のケーキもほんとに美味しい!

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