趣味の歌詞写経。
歌詞写経とは?
自分の趣味の一つが、気に入った歌の歌詞をゆっくり紙に書くこと。今のところ「歌詞写経」という言葉が一番しっくりきている。たぶんここ5年くらい続いてる、自分にとって楽しくて、大切な時間だ。
やり方はシンプル。歌詞の書きたい一曲を選び、一曲をリピート再生。歌詞を検索して書きたい歌詞を書く。歌詞の一部を書くときもあるし、全歌詞書くときもある。一曲書き切ろうとすると1時間弱くらいかかる。
効率などとはだいぶかけ離れた時間だけれど、この時間はあっという間に過ぎて、書き終えると頭がスッキリしている。
書き終えたら一休憩を挟んで、自分の手で書いた歌詞を見ながら、曲をもう一度ゆっくり聴く。自分の字を見て「この字はもっとうまく書けたな」と思えば、別のページにその字を書いたり、知らない言葉が出てきたら調べたり、歌詞の考察を読んだりもする。そんなこんなでまたもや何周も一曲が流れている訳だが、そんな時間に飽きちゃったら「歌詞写経」の時間はおしまい。
ペン習字×歌詞の楽しさが掛け算されている。
そんな「歌詞写経」の礎になったのは、幼稚園年長から小4くらいまで通っていた習い事、ペン習字。先生の書いた手本を鉛筆できれいに書き、書き終わったら先生のところに持っていく。先生は赤のボールペンで自分の書いた紙にコメントや見本の字を書きながら、改善点を教えてくれる。「この字とこの字はそうやってバランス取ればいいのか」とか「この漢字かっこいいな。先生みたいに書きたい」とかイメージしながらゆっくり席に戻って、一から書き直し。この繰り返しな習い事だった。
いま思えば、いつも通っていた教室はJR線の高架下にあって、電車の音がずっと鳴っているようなうるさい場所だった。けれど、全然そんな音は気にせず、紙に自分が納得いく字を書くことに集中していた。いつも何か満足感を覚えながら自転車で家に帰っていた記憶がある。
一方、音楽はそんなペン習字みたく習い事ではやってこなかったが、小5の時にipodを懇願し、紫色のipod nanoを買ってもらってからたくさん聴いてきた。そして気づいたら、自分は音楽の中でも「歌詞を読む・歌詞の意味を考えること」が好きになっていた。普段は耳にしない言葉が歌詞にはたくさん散りばめられていてそれを調べたり、自分が経験した喜怒哀楽を通じて、歌詞の意味が深くわかるようになったりするのも楽しい。
そんな感じで、歌詞写経はペン習字と歌詞、両者の楽しさが掛け算されて生まれた趣味って感じだ。序盤にも書いたが、効率などとはだいぶかけ離れた時間だけれど、自分にとっては大切な時間だ。「最近急ぎすぎかもな」みたいな感覚を覚えた時に自分のペースを取り戻せる術という感じ。自分以外にも歌詞写経しているよという人がいたら嬉しいし、この話を機会にやってみたりしてもらえたら嬉しい。
実際に今日やってみた。
今日は星野源『おともだち』を40分くらいかけて書いた。この曲は自分がよく聴いてるラジオ「オードリーのオールナイトニッポン」の 東京ドームイベントの主題歌として作られた曲だ。
字については「皺」という漢字は読めるけど、初めて書いた。初めてながら、結構かっこよく書けたので嬉しかった。あと「喋」という字がバランス取りづらくて全然うまく書けなかった。口を結構縦長に書いたら良さそうだなと思った。
歌詞については友情を「波の数がたまたま合うだけ」っていう言葉で表現しているのが印象に残った。どこか恥ずかしげな雰囲気もありながら、友だちにそう言われたらきっと嬉しいよなって思える言葉ですてきだなと思った。あと、「歩みが遅くなるのはいつものことさ」って歌詞はただただオードリーの漫才の初めに、春日の歩みが遅いことを表してるのかっていう勝手な解釈で面白くなった。
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