星野道夫さんの写真展。悠久の時を旅する。
ふと、通りすがりに目にした広告、あ、これ!
慌てて立ちどまり、じっくり見ようとしたが、もう画面は変わってしまい、しばらく、関係のない広告を見つめる。
再び出てきた広告を見て、やっぱり同じだ、と呟く。
二年ほど前に、師と仰ぐ方のブログで拝見したものと同じタイトル。
星野道夫さんの写真展。
全国で、開催されていたのですね。
写真展を知った翌日、終了日の前日に、行くことができました。
当たり前ですが、印刷で見るのと、全然違いますね。
臨場感。
躍動感。
水しぶき。
表情。
眼差し。
愛おしそうに我が子を見る、母の眼差し。
長い時間を、一人、自然の中で過ごし、何年も、何年も、かけて、ようやくめぐりあえた一瞬一瞬。
“風とカリブーの行方は誰も知らない”
どのルートをとるか分からないカリブーの季節移動の旅に出会う為、
“広大なアラスカ北極圏の中で、点になって待つしかない。”
三脚が飛ばされそうな風が吹き、地吹雪で何も見えない中、
“一瞬、風の切れ目が、ブリザードのベールを払いとり、逆光の中で、川を渡ろうとするカリブーの行進がシルエットに浮かび上がった。”
『アラスカ 永遠なる生命』小学館文庫より
『今、と言う瞬間は、二度とない。』
今回、私にとっては、それが、一番強烈に感じたメッセージでした。
老舗の喫茶店で、しばし休憩。
求めた絵葉書達を眺めつつ。
穏やかな日常の、なにげない幸せを、ゆっくり味わって。