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佐渡 宿根木 たらい舟 白山丸

仕事で佐渡には、何度も訪れている同僚が、観光案内で、よく見かける中で、行っていないのは、“宿根木” だと言う。

密かに、“たらい舟”の野望を持ちながら、
「じゃあ、帰りのフェリー乗り場の小木港からも、近いし、宿根木行きましょう!」と促す私。

宿根木へ着いたのは、14時半過ぎくらい。

ろくに下調べもしないまま、郵便局のある駐車場に車を置き、十王坂を下っていくと、共同井戸が出現。
周りの雰囲気もタイムスリップしているようで、すごい!と軽く興奮気味に。

つるべで汲んだことがなかったので、やってみたい、と、チャレンジしたものの、水面に落とした、木の桶が沈まなくて、笑えるくらい水が入ってこない。

どうしたら汲めるのだろう?

少し進むと、白山神社。

水路がまた、いい感じです。

そしてお待ちかねの三角家。

この日は中へは入れず、周辺を散策。

家が密集していて、壁に挟まれて、窮屈な感じ。
佐渡を車で走っている時に、よく見かけた家屋の外壁の木材は、横方向のが、多い気がしていましたが、ここでは、縦方向ばかり。

そうこうしているうちに、案内所のようなところまでたどり着き、地図を頂く。

そこで、お話を伺って、この地区の歴史的な背景を、ようやく少し知ることが出来ました。
廻船業と、造船基地として栄えたとのこと、車を停めたそばにある、民俗博物館の隣には、千石船「白山丸」を復元したのが展示してあることもお聞きする。
この地区で、北前船を造ってもいたのですね。

それにしても、よくこれだけの建物が残っていたものです。

そして、道路の向こうは海で、たらい舟乗り場が見えました。

案内所のおばちゃまによれば、佐渡には、たらい舟乗り場が、3箇所あって、それぞれ別の会社がやっている。

その中で、宿根木のは、桶に、木と竹を使い、手作りにこだわっているし、景色もいいからオススメよ。とのこと。

それでは、と、同僚をひっぱり乗り場へ近付く。
色々コースはあるけれど、一番短いのは、15分、千円。
まあ無難な、いい感じ。

それでは、と、15分コースに首尾よく乗ることが出来ました!

海もきれい。

イシダイらしい。

お姉さんが漕いでくださいます。
本業の漁師さんは、繁忙期には、手伝ってくれることもあるそうですが、普段は、専業の船頭さん。
櫓が前にあるので、回ることは簡単だけれど、前に進むのはコツがいるそうです。

このたらい舟は、観光用に作られたもので、元々は、かいば桶(諸説あるようです)を半分に切った、一人乗りで、サザエ、アワビ、海藻などの漁をする為のもの。

なぜ桶になったかと言うと、海が浅くて、岩もごつごつしてて、普通の舟だと、底を擦ってしまうし、方向転換も大変。それなら、平らな桶でやってみる?って試してみたら、勝手が良かったので、普及したそうです。
こんな箱メガネで、獲物を探して、見つけたら、長い竹のヤスなどで捕るそうです。

舟の操作から、捕獲まで、全て一人でやるそうです。
この箱メガネって、ガラスが張ってあるだけですが、とってもよく見えるものですね。

穏やかで気持ちいいクルーズです。

ナイトクルーズ用のかがり火台もありました。

こちらは御影石で出来ている、船つなぎ石。
1776年頃のものと思われる。との説明書き。

もともとは、この場所にも、千石船は入れていたそうですが、1802年の小木地震で、隆起して以来、入れなくなり、使われなくなったけれど、この石杭は、今も7本残っているそうです。

普通に最近作ったと言われても信じてしまいそうな綺麗さ。
でもこれって、どうやって固定されているんだろう?

クルーズを楽しんだあと、クルーズ中に、乗り場の正面に見えた、洞窟のようなところに行ってみました。

船頭さんに聞いたところによれば、手掘りの隧道で向こう側にも抜けられるとのこと。

出ると、ごつごつの玄武岩の世界へ。

振り返って見ても、これが手掘りってのもすごいな、と感心する。

説明書きはないけれど、ここで塩作っていたのかな?と思うような丸い水たまり。
ただのくぼみ?

道が繋がっているようにも見える。

それにしても、海が綺麗です。

イカが、手で掴めそうなところを泳いでいたり。(掴めなかったけど。)

美しい海を堪能し、もとの隧道は戻らず、適当に上がれるところを抜けて行き、なんとなく歩いていくと、ちょうど車をとめた道路の南側に出て来ました。
そのまま道路沿いでも帰れたのですが、“町並み展望所”との案内板があったので、笹の小道を通り、

町並みを上から眺め、

石の階段を降りていくと、最初に来た井戸へ戻ってきました。
なんだか、あまりに出来過ぎで、可笑しくなりました。

そう、この石段、すごーく使われたせいで、めっちゃ凹んでいるのです。

駐車場に戻った時点で16時くらい。
もうフェリー乗り場へ行く?

逡巡した後、やっぱり北前船見たいですね。
と、斜向かいにあった、博物館へGO!
かなりのハイペースでしたが、行って良かったです。
色々な意味で、すごい!

そう、このでっかい帆柱をどうやって立てたの?
とか、

帆は畳160枚分だとか。
興味深いこと、満載です。

そして、河村瑞賢さんがこんなところに。

なんて失礼ですね。
彼の事業の中で、最も重要なのは、東廻、西廻両海運の刷新と畿内治水の二大事業といわれる。とのこと。
前に読んだ本の中で、私は、木曽の山林買い占めや、鉱山のくだり、の方が印象に残っていたので、こちらの方が重要だったのか、と改めて認識しました。
すでに人に貸してしまって、手元にない河村瑞賢さんのことを書いた本を、もう一度読みたくなりました。

もう時間だね、と言いながら、民俗博物館の方も駆け足でチラ見。
おっ!この便器、高知の越知町の谷脇旅館あったのに似てるかも。とついつい、撮影。

あとで谷脇旅館の写真を探してみる。

谷脇旅館は吉田茂元総理も
泊まったと言われる旅館で、
建物も趣があります。

あれ、、ちょっと違いましたね。

それは置いておいて、
ラストスパートで楽しんだ、木民俗博物館に別れを告げ、小木港へむかいます。

大正9年に建てられた木造校舎。

小木港で、最後にお土産も見て、フェリー乗り場の駐車スペースに並ぶ。
この時、17時くらい。
出来たらフェリーでご飯を食べたいけれど、お土産屋さんには、食事的なものはなく、フェリー乗り場のおじさんに尋ねると、車ですぐのところに、スーパーがある、今なら大丈夫だから行ってきていいよ。
って、もう少しで乗船なのにこの寛大さ。
お言葉に甘えて、スーパーでお弁当を購入して、ゆうゆうと戻り、無事、乗船出来ました。

今回の出張は、何から何まで上手くいき、超・駆け足でしたが、観光まで出来て、言う事なしです。

おかげで、佐渡の、魅力、奥深さを垣間見る事が出来ました。



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