倉敷美観地区を散策して。
倉敷美観地区、散策の覚書。
まず、出発は①アイビースクエア→②倉敷十六屋、難波家本宅→③文具小物、アモルフ→④はしまや、ランチ→⑤阿智神社→⑥林源十郎商店。そして⑦カフェギャラリー青い鳥→⑧ぶっかけうどん(完)
①アイビースクエア。
やっぱり圧巻、アイビースクエアの蔦。
つた(なつづた・あまづら)
平安時代には早春にこの幹から液を取とり
煮詰めて甘味料を採った。と。
ここにその説明書きがあるのが、なんだか面白い。
70歳くらいのメタセコイアさんも、いい味出しています。
倉紡記念館は、受付不在で入れず。残念。
アイビースクエアを出て、美観地区、東端の方まで、歩いてみる。
阿智神社のある丘陵に沿うように緩やかに、北へカーブしていく道。
一旦車道と交わる。
車道を渡り、さらに東へ進んでいくと、こちらの白壁の建物を最後に、今風の町並みとなります。
②倉敷十六屋、難波家本宅
よく見たら、中に入れるみたいです。
明治21年から、昭和11年まで営業していた難波呉服店さん。
これは、婚礼用の貸衣装。
値札や、セールの案内!
わー。
ここで番頭さんがそろばん弾くのかな、、。
ふいに、子供の頃読んだ、山本有三さんの『路傍の石』が浮かぶ。
主人公の吾一さん、小学校出て、最初の丁稚奉公先って、同級生の呉服屋さんじゃなかったっけ?
こんなだったのかな~。
ウロウロ、キョロキョロしながら、想像を膨らませていると、いつの間にか、優しそうな男性が、出てこられ、色々と説明をしてくださる。
こちらの現ご当主とのこと。
無料スペースだけなのに、すごく丁寧にお話してくださいます。
昭和11年でお店をたたんだのは、贅沢品にかかる税金が、高くなってしまったことも要因だったとか。
キンキラキンの派手な婚礼衣装なども、段々と時代が、そういう物を許さなくなってきてしまっていたのですね。
他にも、興味深く、味わいのある品々が大切に保管されています。
こちらは大正二年生まれの国産レジスタ。
その名も「ゼニアイキ」
手書き!のレジスタ。
作っているのはイトーキさん!(当時は伊藤喜商店さん)
お金を入れておく、引き出しを開けるには、5つのレバーの組み合わせが鍵となっていて、組み合わせ通りのレバーを押しながら、開閉ボタンを押すと、引き出しが開き、ロール紙が一行分送り出され、そこに、手書きで摘要と金額を記入して、お金の出し入れをする仕組み。
生活空間の調度品も、種類豊富で、とてもきれいな状態に見えます。
この建物は、京都の大工さんによって、作られたそうです。
そもそも、こちらのお店の商品の多くは、京都から仕入れていたそうで、京都とのつながりも大きかったようです。
そんなこんなで、無料スペースを見尽くし、当主ご夫婦ともたくさんお話しさせて頂き、なにもお返しできないなぁと、少し心苦しくも思いつつ、満喫して、お店の脇より、退出。
ところで、こういう石のことを、なんて言いますか?
京都では、“いけず石”って言うようで(京都っぽいですね。)
“おお、ここにもある!”と、見つけたので、後で、倉敷の方、いく人かに聞いてみましたが、あまりはっきりしたネーミングは、思い当たらないようでした。
倉敷ではポピュラーではないのかな?
さて、もと来た道を戻ります。
③文具小物、アモルフ
道路に出て、右側にもまだ白壁の建物が見えるので、様子をうかがいにいく。
すぐに、小さな間口のお店、「文具小物アモルフ」が。
ちらっと覗いてみると、こじんまりとしたスペースに、革や布の小物が置いてある。
左奥に作業スペースがあるようで、入ると、すぐに女性が出てこられ、商品の説明などをしてくださいました。
ブックカバーや、ペンケース、カバンなどもある。
特徴は、開口部分を留めるのに、木にマグネットを付けたものを使用していること。
細長い木が、拍子木のように合わさることで、ブックカバーなどは、ページも勝手に開かず、いい感じ。
革や帆布、畳の縁の生地なども使用されてる商品は、おしゃれで、アイディアにも富んでいる。
しばらくお話して、ネットショップの案内を頂いて失礼する。
ここの奥さまに、難波呉服屋さんを訪ねたことを話すと、お隣の現役呉服店のお話しへ、その流れで、発酵食材のレストランがあることを、教えて頂く。
そこは昔からやっていたけれど、今お嫁さんが引き継いで、発酵食材のに力を入れてる、と、。
ただ、やってない時もあるから、今日は、どうかしら?と。
え?そんなお店あったかな?
高級そうなイタリアンのお店は見たけれど、、。
その向かい側の、細いところ入っていった奥よ。
と詳しく教えてくださる。
それでは、ともう一度、難波屋さんの方へ戻る。
お隣の呉服屋さん、さっきは、観光の人力車さんが停まってて、あまり見ずにスルーしてました。
④はしまや、ランチ
おお、ありました。
細い路地を奥へ。
左手に入っていく。
井戸があり、中庭といった感じ。お蔵も3つほど。
中に入ると、大きなテーブルが中央にあり、右側にカウンター、左手、手前の壁沿いにも、いくつかテーブル席。
そして左手奥にはグランドピアノがあり、落ち着いたムードを醸し出しています。
奥側の壁には、ピクルスなどの商品が並んでいる棚があり、その壁沿いには、お二階席へと続く、むき出しの階段がある。
2階と言っても、カウンターの真上ら辺に位置していて、階下も見渡せる、ロフトのような感じ。
オープンな階段は、降りる時、若干恐そうだな、とこの時、登って行った、常連さんっぽい、おじさま方を見つつ、思ってしまう。
ランチメニューも色々あり、迷ってしまうが、トマト味噌ソースのハンバーグがメインのにする。
右上の小さいお湯呑みの様なのに入っている飲み物
は、白麹のドリンクで、いわゆる、普通の麹を発酵させた甘い甘酒ではなく、ちょっと酸味のある、すっきりテイストで、美味しい!
もっといっぱい飲みたいな。
その左隣が、納豆麹。
納豆菌と麹菌のコラボですか。なんだか強そうですねー。
サラダは、ピクルス乗せ。
ご飯は、酵素玄米。
どれも美味しい。
じんわりしみます。
食後のドリンクはカカオティーを。
ココアではなく、砕いたカカオで淹れたお茶で、ココアの香りのするけれど、お茶の様に透き通っていて、爽やかで美味しい。
しかし、白麹、って何?って、少し検索。
ちらっと調べたところによると、普段、お味噌とか日本酒などを作る麹菌は、黄麹。
黒麹は泡盛に使用。
黒麹から突然変異で出来たのが白麹。
黒麹は胞子も真っ黒で布にも色がついてしまうのに対して、白麹は色が抜けている(とはいえ褐色ですが)ため扱いやすく、さらに香味も軽快になったとか。
ここから白麹菌が焼酎用麹菌として一般的に使用されるようになります。
黒麹も白麹も、黄麹にはないクエン酸を分泌する特徴があり、白麹ドリンクの爽やかさはこれだったのですね。
はしまやさんでは、白麹の講座などもされてるそう。
近くだったら行きたいところです。
白麹を、販売してるお店もありそうなので、今度チャレンジしてみます。
どれもとても美味しかったです。
ご馳走様でした。(あとから聞くところによると、このお店、貸し切りだったり、いっぱいだったり、と、ふらっと行って、即、入れたのはラッキーだったようです。有り難や。)
美観地区中心へと戻って行きます。
⑤阿智神社
阿智神社へ参拝。
眺めもよくのんびり。
でも、結構な階段でした。
⑥林源十郎商店
その後立ち寄った、林源十郎商店も楽しすぎました。
全部刺繍。リアリティがすごいし、諸国銘菓って、大好きなので、わくわくです。
どんな硬さなのか、触ってみたいけど、さすがそれは叶わず。
使っている、糸の色数が、札に書かれているのですが、意外と、その数を当てるのは難しい。
シンプルに見えても、沢山使っていたり。
日光甚五郎煎餅が、4色、
因幡の白うさぎが、11色。
ゴボチが、6色、
南部せんべいが、12色。
すっかり夢中になってしまいました。
ところでこの建物、木造で、3階建てってすごい。
とりあえず、高いところには行きたい性分なので、3階へ。
いい眺めです。
2階の一角にあった「林源十郎商店記念室」へ入ってみると。
名前の由来となった店主や店の歴史の資料などが、紹介展示されています。
そうか、林源十郎さんて、大原孫三郎さんと、ご縁の深い方でしたね。
私の中では、クリスチャンの方、という印象が強かったのですが、お薬屋さんだったのですね。
奥にある薬箪笥が渋くて、すごい。
引き出しの取手は、輪っかがとれたのか、紐が付いていたり、それも千切れていたり、、。
それぞれの引き出しには、和紙で漢方生薬名が書いてある。
端から読んでみるも、自分が漢方薬の名前をいかに知らないかを、確認することに、、。
こんなふうに、商業施設と、資料館の一体型って、いいですね。
こちらをあとにして、カフェギャラリー青い鳥さんへ。
この先は、こちらの記事で。
最後に、今回のお土産品♪
行き当たりばったりでしたが、とても楽しい倉敷散策でした。
長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。