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別府アルゲリッチ音楽祭にいくことが出来た幸運に感謝して。
別府アルゲリッチ音楽祭。
チケットがとれた幸運、行くことのできる幸運。
幸運が重なり、大好きなアルゲリッチさんの演奏を、今年も聴くことができ、感謝、感激でいっぱいです。
前日まで仕事が入り、自宅に帰り着いたのは、もうすでに、演奏会当日になっていました。
でも新幹線も、特急も、本当に有り難く、余裕を持って、別府駅に到着。
別府駅のアナウンスって、なんか好き。
べっぷ、の、“ぷ”が、ぷつんと切れるのでなく、“ぷぅ〜”って、尻上がりに上りながらやわらく伸びる。力のぬけ感がいいなぁ~。
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の行啓に伴い、整備された歴史ある別府公園。
その頃に植えられた松は樹齢100年を超えて生き続けている
会場へ向かう途中の広い別府公園は、大きな木が沢山あり、氣持ちがよくて、のんびりしたくなりますが、そう言ってもいられず、いそいそと通りぬけます。
そして、ぞくぞくと車も人も吸い込まれていく会場へ。
ああ、、また来られました、、嬉しいです。
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今日の演目。
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前半は、アルゲリッチさんとマイスキーさんのデュオ。
出だしの合図、いつしてた?って、思うくらい、すぅっと、ごくごく自然に、奏ではじめる。
やわらかい風がいつの間にか吹いている、みたいに。
ガドのない、まあるくて、やわらかくて、でもハリがあって、遠くまでとどく、やさしい音、どうやったらあんな音が出てくるんだろう。
飾りっ気はないけれど、惹きつけてやまない、あの、語り口。
紡ぎ出される音、メロディー、全てに意味があり、有機物のように、生き生きとしてて、そして、それらは、まるで、たった今、生み出されたかのように、みずみずしい。
そうして、次はどうなるの?どこへ行くんだろう?って、わくわくする物語を聞いているかのよう、、そんな世界へといざなってくれる。
シューマン、この曲を、私が初めて聴いたのも、このお二方の演奏。
悠々とした川の流れのような始まりの1曲目から、軽やかな2曲目、そして、大空へ飛翔する3曲目へ。
時には共に並び、寄り添い、時には競うように、自由に、軽やかに、羽ばたいて、澄んだ青い空へ溶け込んでいってしまう、私には、そんなイメージ。
そして、ドビュッシーでは、また、音色が違う。
自由自在、って、こういうことかなって思う。
楽曲や、楽器を扱うのも、お互いの演奏を合わせるのも。
まるで、魔法使いみたい。
後半、クレーメルさんが加わってのトリオ。
また、なにか、雰囲気が変わる。
マイスキーさん、白から黒へと衣装も変わり、3人共、黒の装い。
友人の死を悼み、献呈されたこの曲。
静かなすすり泣きのようなチェロの音色で始まり、
様々な技法で歌い合うチェロとヴァイオリンを、どっしりと、静かに支えるピアノ。
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そして、アンコール。
静謐というのでしょうか、胸のいたくなるような、美しいシューマン。
そして、あたたかな木もれ陽がさしてくる幸せを、静かに静かに、かみしめるような、シューベルト。
大好きなシューベルトまで聴けて、本当に幸せです。
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その日泊まった、小さな旅館の女将さんは、チェックインの時、“コンサートでしょ?”と、なぜかお見通し。
“門限は気にせず、ゆっくり行ってきてくださいね。”と。どうやら、この日のお客様は、このコンサートに行く方ばかりのようでした。
コンサートから帰ってきら、“お帰りなさい、良かったですか?”って、お声をかけてくださり、なにか、ほっこりしました。
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源泉掛け流しで、貸し切り風呂も2つ、という贅沢さで、帰ってからも、翌朝も、たっぷり楽しませて頂きました。
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素晴らしい経験をありがとうございました。