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臨床推論 Case7
Am Fam Physician. 2021 Jul 1;104(1):81-82.
PMID: 34264601
【症例】
71歳
【主訴】
皮疹
【現病歴】
⚫︎ COVIDのmRNA-1273ワクチンを2週間前にうけた
⚫︎ その時はmildな頭痛や筋痛などが48時間続いて改善した
⚫︎ その後、左上腕に皮疹が出現したために受診
【現症】
⚫︎ 左上腕にかゆみのある軽度の熱感と紅斑を伴った皮疹あり
⚫︎ 市販のステロイドクリームで若干かゆみはマシになった
⚫︎ 痛みはなく、本人に熱はない
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What’s your diagnosis?
【診断】
Delayed local reaction
【考察】
⚫︎ 予防接種時に即時的に注射部位が反応するのはわりとcommonである
⚫︎ しかしmRNA-1273ワクチンは遅発性反応の報告あり
⚫︎ モデルナにおいて即時反応は1回目で84%起きた
1回目の遅発性反応は0.8%、2回目は0.2%との報告あり
⚫︎ 12例の遅発反応の報告あり(N Engl J Med. 2021;384(13):1273-1277.)
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・ワクチン直後の全身性反応の後に注射部位周囲に紅斑と熱感が生じた
・ほとんどの症例が10cmと大きい皮疹であった
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・症状は中央値6日で改善した
・蜂窩織炎と間違われ抗生剤加療された人もいればice packだけ、ステロイド塗布などで対処されている
⚫︎ これはT細胞を介した遅発性のアレルギー反応が関連しているのではないかと推察されている