
「ベーコンエピ」2024/01/17
ベーコンエピを焼いた。
こう言うとみな、
「すごい!えらいね!器用だね。」
などと私を褒めてくれる。
ただ実際の私は別にパンを普段から焼くような丁寧な暮らしをするタイプではない。でも、急に作りたくなったのだ。そんなやつでも別にパンを手作りしたって良いじゃないかという精神のもと、私はベーコンエピを焼いた。だから、そういう人と思わないでほしいと思うみんなには。
しかも、別に今日焼いたわけじゃない。
2日か3日前だ。でも、なんとなくみんなに知らせはしたいと思って日記をつけている。これが例のアレだ。なんだっけ。自己を皆に認めてもらいたいというあれ。あ、承認欲求だ。
承認欲求はおそらく適度にあるが、完全にそれを見た全員に、自分に対して素直な良い印象を持ってもらいたいとは思わない。
例えばさっきのパンも
「え、珍しいじゃん。なに?なんの風の吹き回し?」
というような少し曲がった回答を私は求めている。気持ち悪い期待。変なわがままだと自分でも思う。
さっきダ・ヴィンチ恐山さんの日記を読んで思い出したのだが、星新一のショートショートはなぜあんなに印象深いものばかりなのだろう。
いまだに思い出すことがある。
町中が停電で暗くなり、なんの気配もなくなったことにある夫婦が気づく。そして冬の寒さで2人は最後身を寄せ合って息を引き取る。
そしてその町には1匹の猿だけが取り残される。
というような話だった気がする。
おもしろいのかおもしろくないのかよく分からないが、想像して感じたことのない気味悪さを覚える。自分も足先から凍っていくような冷たさを感じた。
もう一回ショートショート読もうかな。