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ハマスホイとヒュゲな昼下がり

東京都美術館にて開催中の『ハマスホイとデンマーク絵画展』に行ってきました。デンマークの画家ハマスホイは、シンプルで美しい室内画で知られています。色彩は抑えられ、描かれるオブジェクトの数も少ないため、19世紀に描かれた作品にしてはモダンな印象です。白と黒とグレーのみで表現された室内は一見殺風景ですが、色味が落ち着いているからかどこかゆったりとした雰囲気があります。狭い室内でも、机の四角と姿見の丸で全体のバランスをとったり、ドアを開けることにより空間に奥行きを出したりと、様々な技巧が使われているのもポイントです。

この展覧会の半分はハマスホイの作品ですが、もう半分は彼以外の同時代に活躍したデンマーク人画家の作品でした。ピーザ・スィヴェリーン・クロイアという画家の作品が数点あったのですが、どれも光溢れる美しい作品で、一目で気に入りました。もう一人、ピーダ・イルステズという画家の作品で、青い服を着た少女を描いた室内画が2点展示されており、柔らかな雰囲気がとても良く、まさにヒュゲを感じました。

ヒュゲ(Hygge)とはデンマーク語で「くつろいだ雰囲気」のことです。昼下がりにマフィンを食べながらコーヒーを飲むことであり、昼下がりに日の当たる部屋でピアノを弾くことでもあり、昼下がりに美術館でのんびり絵画を鑑賞することであり、昼下がりにカフェでNoteを書くことでもあります。ヒュゲはデンマークの生活に根付いた文化ですが、近年この考え方を取り入れるヒュゲな人達が世界中で増えているようです。その流れもあって、19世紀デンマーク絵画は現代人に好まれているのかもしれません。

ところで、日本はデンマークからわざわざヒュゲを取り入れずとも、すでにヒュゲな文化を持っています。春は花見、夏は縁側と風鈴、秋は紅葉狩りと月見、冬は温泉とこたつ。年中ヒュゲだらけです。ヒュゲ上手です。ただし日本はヒュゲとノーヒュゲの境目がくっきりし過ぎているかもしれません。そこが真面目な日本人らしいとも言えるのですが。

最後に1つ訂正すると、Noteを書くことがヒュゲと言いましたが、それは嘘です。ノーヒュゲです。毎回ヒーヒーゲーゲー言いながら書いています。

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