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恋の痛みの脳科学:失恋で脳がどう変わるのか?

恋は幸せも連れてきますが、痛みや辛さも引き連れてきます。とりわけ失恋は心に大きなダメージを引き起こしますが、このような時、脳はどのように活動しているのでしょうか。

今回取り上げる論文は、失恋した人と恋愛中の人の脳活動を比べた研究になります。

Stoessel, C., Stiller, J., Bleich, S., Boensch, D., Doerfler, A., Garcia, M., ... & Forster, C. (2011). Differences and similarities on neuronal activities of people being happily and unhappily in love: a functional magnetic resonance imaging study. Neuropsychobiology, 64(1), 52-60.

この研究では両者にパートナーの写真を含む様々な画像を見せ、その時の脳活動をfMRIで調べています。

結果として失恋した人には以下の特徴的な脳活動が引き起こされることが示されました。

感情処理に関わる領域の活動低下
前帯状回(身体の状態を検知)や島皮質(情動)などの領域で活動低下が見られました。

認知機能に関わる領域の活動低下
失恋者は抑うつ状態で見られる前頭前野の活動低下が見られました。

報酬系の活動残存
失恋者は過去のパートナーを見ると苦痛を感じるものの、喜びに関わる脳領域(報酬系を構成する線条体)の活動も見られました。


失ったパートナーを感じることは喜びを引き起こすものの、同時に苦しみを引き起こすという点で、なんだか切ないなと思いました。

明日読む論文:
Najib, A., Lorberbaum, J. P., Kose, S., Bohning, D. E., & George, M. S. (2004). Regional brain activity in women grieving a romantic relationship breakup. American Journal of Psychiatry, 161(12), 2245-2256.

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