
システムプロンプトと役割指定の活用
1.システムプロンプトとは?(通常のプロンプトとの違い)
システムプロンプトとは、AIの動作や応答のスタイルを制御するために与える特別な指示のことです。通常のプロンプト(ユーザープロンプト)と異なり、システムプロンプトはAIがどのように振る舞うべきかを設定する役割を持ちます。
通常のプロンプトとの違い
通常のプロンプト(ユーザープロンプト)
目的:質問や指示をAIに与え、回答を得る
使用例:「地球温暖化について説明して」
影響範囲:1回の応答のみに影響
設定の場所:ユーザーが入力するプロンプト欄
システムプロンプト
目的:AIの動作方針や振る舞いを設定する
使用例:「あなたは環境科学の専門家です。専門的な視点から回答してください」
影響範囲:その会話全体の応答に影響
設定の場所:システム側で設定される(開発者が設定可能)
2.システムプロンプトの役割
システムプロンプトを活用することで、AIの出力を一定の方向に誘導しやすくなります。
例えば;
AIの口調やスタイルを統一
例:「簡潔で要点を押さえた回答を心がけてください」
→ 回答が長すぎることを防ぎ、簡潔な出力を得る
特定の役割を与える
例:「あなたは歴史の専門家です。専門知識に基づいて答えてください」
→ AIが一般的な知識ではなく、より専門的な視点で回答する
出力のフォーマットを指定
例:「箇条書きで3つのポイントにまとめて答えてください」
→ 出力の見やすさを向上させる
望ましくない内容を制限
例:「倫理的に適切な範囲でのみ回答してください」
→ AIの暴走を防ぐ
3.システムプロンプトの実践例
例えば、以下のようなシステムプロンプトを設定すると、AIの応答が変わります。
🔹 通常のプロンプトのみ
ユーザーの入力:「AIとは何ですか?」
AIの回答:「AI(人工知能)は、コンピュータが人間のように学習・推論・判断を行う技術です。」
🔹 システムプロンプトを設定した場合
システムプロンプト:「あなたは大学教授です。専門的かつ論理的に回答してください。」
ユーザーの入力:「AIとは何ですか?」
AIの回答:「人工知能(AI)とは、機械がデータに基づいてパターンを学習し、統計的推論を行う技術です。近年のディープラーニングの発展により、自然言語処理や画像認識などの分野で革新をもたらしています。」
➡ 専門的な説明になり、一般的な回答と比較してより深い情報を提供していることがわかります。
4.まとめ
通常のプロンプトは、特定の質問に対する回答を求めるもの。
システムプロンプトは、AIの振る舞いや回答のスタイルを統一するもの。
適切に設定すれば、AIをより目的に合った形で活用できる。
このように、システムプロンプトを活用することで、AIの出力を一貫性のあるものにし、特定の用途に最適化することができます。
次回は、システムプロンプトの使い方をもう少し解説していきます。
次回「〇〇の専門家として答えてくださいの効果」