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ブラジル紀行2024 いよいよレコーディング②
今回のレコーディングは
4人の歌い手がそれぞれ好きな曲を選んで全部で26曲。
仮歌が4日間、本番の歌入れが8日間で完了の予定でした。
まずは仮歌を入れる作業です。
伴奏と一緒に歌を入れて、テンポ感やキーの再確認をします。
この時点で、Mauricioは全曲のアレンジを完璧に終えていて
私たちの歌を聴いて調整する感じです。
キーは多少の変動があった人もいましたが、
テンポ感や曲全体のアレンジはほとんど変わらず。
事前に私たちの歌を聴いていたわけではないのに
素晴らしいディレクションでした。さすが!としか言いようがない。
1日目
スタジオ内を案内してもらって
その日に演奏してくださるEPMの講師の先生方にご挨拶。
効率よく録音するために楽器ごとに日を分けていましたが
1日目が一番曲数が多くて、11曲。
この日に演奏してくださったのは、
TromboneのEverson Moraes先生、
この日は珍しい楽器のOficleideも演奏してくれました。
Trompete、FlugelhornはAquiles Moraes先生。
EversonとAquilesはご兄弟です。
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もちろん、ベースとなるviolãoのMauricio、
CavaquinhoのAna Rabello先生は全曲で参加。
PercussãoはMarcus Thadeu先生とMagno Júlio先生のお二人が
Pandeiro、 Surdo、 Tamborins、Agogô、reco-reco、ganzá、caixa等
ブラジル音楽で使われるであろう打楽器を数種類使って
交代しながらそれぞれの担当曲にはいってくださいました。
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EPMに参加してる方はご存知だと思いますが、
EPMでは先生、生徒が一緒に演奏をする合奏(Bandão)を定期的に行っていて、オンラインで授業を受けている私たちも
録音で参加してYoutubeで見ることができます。
そのBandãoでご一緒いただいてる先生方にリアルでお会いして
生で演奏を聴けるだけでも有難いのに
自分たちの曲の伴奏をしてくださるなんて!
ブース越しにその姿を見られるなんて!
もう、それだけでテンパってしまって
歌入れの一発目が私の曲だったのですが
今でもあんまり細かいことは覚えてない。
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1曲目の「Crare」
Mauricioのアレンジは、
普段私がライブで歌ってるよりゆったり目なテンポで
わ~、なんて美しいイントロだろう💕
って思いながら夢心地で歌ってました。
仮歌なので、音程や発音はひとまずおいといて、
テンポやどこにインストを入れるか入れないか、とか
演奏の調整を中心にすすめていきます。
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ちょうど仮歌のマイクの場所の横にCartolaの絵が飾ってあって
「はぁ~、私たちブラジルでレコーディングしてるんだ~」
って、しみじみしてしまいました。
1日目、私は1曲だけだったのでここで終了。
そのままスタジオには残らず、
一人で先に帰ってアパート周辺を探索しました。
気になっていたお隣のパン屋さんに入ると
パンはもちろん、Doce(甘いもの)、Bolo(ケーキ)
それにsalgado(おつまみ 揚げ物が多い)があって
飲み物やアイスクリームまであるから
滞在期間中、すごくお世話になりました。
この日は、他の3人は歌入れで疲れてるだろうからと
プヂン(ブラジルのプリン)と明日のパンを買いました。
因みに「明日のパン」は関西でしか使わないらしい 笑
2日目
この日もUberをうまく使いこなせなくて四苦八苦。
どうにかこうにかスタジオに到着。
この日は、ボーカル4人全員がどうしても一緒に録音したい、
と希望していたAcordeão(アコーディオン)の
Kiko Horta先生が参加してくださいました。
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BandolimはMarcílio Lopes先生
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Clarinete と ClaroneはRui Alvim先生
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2日目は私の曲も数曲あったので、
最初から最後までスタジオにこもりっぱなし。
1日目は1曲目の自分の曲が終わった後、
すぐアパートに帰ったので
この日初めて皆さんのレコーディングの様子を
じっくり見て聴かせていただいて
とてもスムーズに進む様子と
さすがの先生方の素晴らしい演奏に心が震えました。
先生方にとってブラジル音楽は身体の芯まで染みついた音楽、
当たり前といえば当たり前ですが
簡単な言葉では言い尽くせないくらいに
素晴らしい時間が流れていたのです。
美しい音色やお互いの音にすぐに反応する感覚
和やかで穏やかだけれど、研ぎ澄まされた空気感に包まれて
この日も夢心地でした。
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3日目
この日が仮歌最後の録音です。
2日目の録音から3日間のお休みを経て久しぶりのスタジオです。
残るはFlautaの熊本尚美先生。
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尚美さんには、企画の段階から日本とブラジルの間で
何度も何度もやり取りしていただき、
アパートの予約やMauricioとの連絡を始め
何から何までお世話になりました。
その尚美さんと一緒に録音できることに感無量でした。
3日目ともなると少し余裕も出てきて
サクサクと録音が進んでいきました。
本当は、あと1日予備の仮歌入れがあったのに
この時点で、本歌入れができるほど順調に仮歌が終了。
ここで、Mauricioから思わぬ提案が。
候補曲として出してはいたものの、最終的に録音を見送った
「Santa Voz」を全員で歌ってみては?というものでした。
この曲は、Amelia先生の歌クラスの生徒なら全員知ってるであろう曲で
ほぼ全員が大好きな曲でもあるので、
この素敵な提案に全員の返事は「Não tem problema!」
とりあえず仮歌はMauricioと私のデュオで。
とても楽しい時間でした。
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夢のような仮歌入れは、当初の予定より1日早くこれにて終了です。
この後は、レコーディングブースに入って本歌入れがスタートします。