パニック障害の特効薬は推しのライブ参戦だった件 episode②真逆の世界を覗いた日
SMAPライブは癒しの世界
1997年7月のSMAPライブ初参戦は、私にとって忘れられない思い出となりました。会場に着いた瞬間、高鳴る鼓動を抑えきることができませんでした。大好きなメンバーが目の前にいるという高揚感と、人ごみの中で体調が悪くなるのではないかと不安が入り混じり、しばらく心の中がざわついていました。これまで徹底的に避けてきた、いわば安寧とは真逆の場所に自分が居るということは極力考えないように努めていたのです。
しかし客席の電気が消え、オープニング曲の「SHAKE」と共に華やかなライブが始まると、そんな不安はどこかへ消え去り、私はただ音楽に身を委ねていました。大音量の音楽が体中に響き渡り、振動が腹筋にまで伝わって来ます。客席は一体となり、ステージ上で踊る5人と同じリズムでペンライトやウチワを振っています。その熱気の中で私も無意識に体を動かしていました。間に何曲か挟んで「オリジナルスマイル」になると木村君が「日頃のいやな事や悲しい事は全部ここに置いて行けよー!」と客席を煽って来ました。そのセリフに会場は騒然。
知っている曲、知らない曲いろいろありましたが「セロリ」の時の衣装がみんなで色違いのお揃いTシャツを重ね着していて可愛らしかったのです。
曲で印象深かったのは「それじゃまた」でした。歌詞の一つ一つが心に深く刺さり、まるで自分に向けて歌われているような気がしました。「二つ三つバカを見ても続けてたいなら やるだけやったよねと気が済む日まで続けるだけです」香取君のソロでもあるこのパートは、彼自身が感極まって涙声になっていました。「とにかく身体だけは資本ですから大事にしましょう」と最後まで歌い上げるとメンバーにポンポンと頭を叩かれながら花道を歩く慎吾くん。その様子を見守る会場内は優しく穏やかな空気に包まれていました。
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