令和6年 第1回 作業環境測定士試験(分析に関する概論) 回答と解説
はじめに
2024年8月21日に第2種作業環境測定士試験が行われました。その回答が公益財団法人安全衛生技術試験協会のHPより、8月29日に公開されました。
本noteでは、その問題と回答、解説をまとめたPDFを添付をしております。数問を解説例として掲載しておりますので、気に入った方は、是非PDFのダウンロードをお願いいたします。
(注)誤字脱字には注意して作成しておりますが、その点予めご了承くださいませ。
(注)上記HPに掲載される過去の試験問題は、2回分しか保存されていないため、必要な方は毎回保存しておきましょう。
今回の試験のポイント
共通科目 分析に関する概論の試験のポイントは、以下の通りです。
例年と同様の出題傾向であり、各種分析法、試薬の使い方など暗記しておく必要がある。
問2
CuSO4・5H2O のモル質量を有効数字で表した場合、正しいものは下のうちどれか。ただし、各元素の原子量は次のとおりとする。
Cu 63.546 S 32.059 O 15.9994 H 1.0079
1 249 g・mol-1
2 249.7 g・mol-1
3 249.68 g・mol-1
4 249.679 g・mol-1
5 249.6786 g・mol-1
【回答】
4
【解説】
有効数字の四則演算では、足し算および引き算、掛け算および割り算のそれぞれでルールが異なる。足し算および引き算では、計算を行う前に、最後の数の位が一番大きいものにそろうように数値を丸めてから計算を行う。掛け算および割り算では、有効数字をそのまま使用して計算を行い、最小の桁数をもつ測定値と同じ桁数に計算値を丸める。ただし、計算式の中に出てくる測定値以外のものは有効数字に影響を与えない。
計算式 63.546 + 32.059 + (15.9994 × 4) + 5 × [(1.0079 × 2) + 15.9994]
※下線部4や5、2は測定値ではないため、有効数字の桁数に影響を与えない
= 63.546 + 32.059 + 63.9976 + 5 × (2.0158 + 15.9994)
= 63.546 + 32.059 + 63.9976 + 5 × 18.0152
= 63.546 + 32.059 + 63.9976 + 90.0760
= 63.546 + 32.059 + 63.998 + 90.076
= 249.679
問11
硫酸銅五水和物 (CuSO4・5H2O)を水に溶解して、硫酸銅の濃度1.00×10-4 mol・L-1の水溶液を調製した。この水溶液1.00 mLに含まれる銅の質量として正しい値は次のうちどれか。ただし、銅の原子量は63.5とする。
1 6.35 × 10^-4 mg
2 6.35 × 10^-3 mg
3 6.35 × 10^-2 mg
4 6.35 × 10^-1 mg
5 6.35 mg
【回答】
2
【解説】
① 硫酸銅五水和物 (CuSO4・5H2O)のうち、銅の分子量を求める。
本物質のCuは1原子のため、63.5 g・mol^-1である。
② 硫酸銅水溶液中に含まれる物質量を求める。
1.00×10^-4 mol・L^-1 × 1.0×10^-3 L (1.00 mLは1.0×10^-3 Lと表す)
= 1.0×10^-7 mol
硫酸銅の物質量と銅の物質量は等しいので、銅の物質量として扱う。
③ 物質量とモル数から質量を求める。
63.5 g・mol-1 × 1.0×10-7 mol
= 63.5×10^-7 g
= 6.35×10^-6 g
= 6.35×10^-6 × 10^3 mg ※1.0 gは1.0×10^3 mgと表せる。
= 6.35×10^-3 mg
解説例を見て、有料PDFをご希望の方は以下よりダウンロードください。
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