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令和5年 第1回 作業環境測定士試験(労働衛生一般) 問題集


はじめに

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さて、2023年8月に第2種作業環境測定士試験が行われました。その回答が公益財団法人安全衛生技術試験協会のHPにて公開されています。

本noteでは、出題のすべてを掲載しました!!
もし、過去問で何年度のものが見たい、などご要望がありましたらコメントにてお知らせください。先行して公開できるように、ご準備いたします。

(注)上記HPに掲載される試験問題は、過去2回分しか保存されていないため、必要な方は毎回保存しておきましょう。


問1 化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針

 厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 リスクアセスメントを実施する際に、必要に応じ入手すべき情報として、作業環境測定結果、特殊健康診断結果、生物学的モニタリングの結果などがある。
2 負傷又は疾病の重篤度の見積りに際しては、傷害や疾病等の種類にかかわらず、基本的に、負傷又は疾病による休業日数等を尺度として使用する。
3 リスクの見積りにあたって、作業環境測定で測定した化学物質等の気中濃度を、当該化学物質等のばく露限界と比較してはならない。
4 個人ばく露濃度をばく露限界と比較する手法によりリスクを見積もった結果、ばく露濃度がばく露限界を相当程度下回る場合は、リスク低減措置を検討する必要はない。
5 化学反応のプロセス等の運転条件の変更、取り扱う化学物質等の形状の変更等によるリスクの低減措置は、機械設備等の防爆構造化、局所排気装置の設置等の対策よりも優先して実施されるべきである。


問2 化学品の分類および表示に関する世界調和システム (GHS)

「化学品の分類および表示に関する世界調和システム (GHS)」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 化学品について、「物理化学的危険性」、「健康に対する有害性」及び「環境に対する有害性」の三つに関し、危険有害性クラスが設定されており、それぞれについて定められた、危険有害性を判断するための分類基準に従って、危険有害性区分に分類する。
2 分類基準に従って分類した結果を情報伝達するための方法として、ラベルや安全データシート (SDS)がある。
3 ラベルに記載する注意喚起語には、「警告」と「危険」の2種類があり、重大な危険有害性がある場合には「警告」を用い、それよりは重大性の低い危険有害性がある場合には「危険」を用いる。
4 ラベルに表示する絵表示は9種類あり、危険有害性区分に応じ表示する。
5 安全データシート (SDS)に記載すべき事項は16 項目であり、これらを定められた順に従って記載する。


問3 健康影響と管理指標

化学物質による健康影響及びその管理指標等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 量-影響関係とは、個体について、有害物質へのばく露量と、ある生体影響の大きさとの関係を示したものである。
2 量-反応関係とは、集団について、有害物質へのばく露量と、ある生体影響を表す個体の割合との関係を示したものである。
3 最小毒性量 (LOAEL)とは、毒性試験において有害な影響が認められた最小のばく露量をいう。
4 LD50とは、慢性毒性を評価する指標で、一群の試験動物の50%が死亡すると予想されるばく露量をいう。
5 ACGIH (米国産業安全衛生専門家会議)が勧告するTLV-TWA (時間加重平均)は、ほとんどすべての労働者が1日8時間及び週40時間、繰り返しばく露を受けても健康に有害な影響を受けないとされる気中物質の濃度である。


問4 化学物質の吸収、代謝、蓄積等

化学物質の吸収、代謝、蓄積等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 多くの有機化合物は、肝臓で代謝されて排泄される。
2 キシレンは、代謝されて、尿中に主にメチル馬尿酸として排泄される。
3 テトラクロロエチレンの代謝物としてトリクロロ酢酸がある。
4 n-ヘキサンの生物学的モニタリング指標は、尿中のシクロヘキサノンである。
5 鉛の生物学的モニタリングの指標として、赤血球中のプロトポルフィリンの濃度がある。


問5 性状および挙動

化学物質等の性状及び挙動に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 昇華性を有する化学物質は、環境空気中では気体及び固体粒子が共存していることがある。
2 ヒュームの一次粒子の粒径は、一般に、1 μm以下である。
3 ミストは、空気中に浮遊する液体の微粒子で、粒径は、5-100 μm程度である。
4 気体の液体への溶解度は、一般に、液体の温度が高いほど大きい。
5 混合有機溶剤から出る蒸気の組成は、一般に、元の混合有機溶剤の組成とは異なる。


問6 健康障害

化学物質等による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 アクリルアミドによる健康障害では、皮膚の剝離、末梢神経炎などがみられる。
2 N,N-ジメチルホルムアミドのばく露では、頭痛、めまい、肝機能障害などがみられる。
3 塩化ビニルによる中毒では、レイノー現象、指端骨溶解や肝血管肉腫などがみられる。
4 フッ化水素による慢性中毒では、骨の硬化や斑状歯がみられる。
5 二酸化硫黄による慢性中毒では、門歯・犬歯の黄色環、低分子蛋白尿などの症状がみられる。


問7 化学物質とがん

化学物質Aとそれによってヒトに生じる主要ながんBとの次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

 A         B
1 エチレンオキシド  肺がん
2 コールタール    皮膚がん
3 無機ヒ素化合物   皮膚がん
4 ベンゾトリクロリド 肺がん
5 ベンゼン      白血病


問8 粉じんと健康障害

粉じん及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 粒子状物質が経気道的に人体に侵入した場合、空気力学相当径が1-2μm程度の大きさの粒子は肺胞に沈着しやすい。
2 アーク溶接ヒュームは、じん肺を引き起こす原因となる。
3 遊離けい酸は、肺の線維化を引き起こす作用が強い。
4 石綿により発症する中皮腫は、胸膜や腹膜などに生じる原発性のがんである。
5 木材粉じんは、ヒトに対してぜんそくを起こすことがあるが、発がん性はないとされている。


問9 金属と健康障害

金属及びその化合物による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 カドミウムは、主として腎臓皮質に蓄積し、腎機能障害を起こす。
2 クロム化合物のうち、クロムが3価のものは特に毒性が強い。
3 コバルト及びその無機化合物は、接触皮膚炎、気管支ぜんそくなどを生じる。
4 ベリリウムは、接触皮膚炎、肺炎などを生じる。
5 マンガンによる慢性中毒では、歩行障害、発語障害などパーキンソン病に似た症状がみられる。


問10 有機溶剤と健康障害

有機溶剤及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 脂溶性があり、脂肪の多い脳などに入りやすい。
2 揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、皮膚から吸収されることはない。
3 低濃度の繰り返しばく露による慢性中毒では、頭痛、めまい、記憶力減退、不眠などの不定愁訴がみられる。
4 肝機能障害や腎機能障害を起こすものがある。
5 皮膚や粘膜の症状には、皮膚の角化、結膜炎などがある。


問11 温熱環境と熱中症

温熱環境及び熱中症に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 温度感覚を左右する環境条件は、気温、湿度及び気流の三要素によって決まる。
2 相対湿度とは、空気中の水蒸気圧とその温度における飽和水蒸気圧との比を百分率で示したものである。
3 WBGTは、暑熱環境による熱ストレスの評価に用いられる指標で、日射がない場合は、自然湿球温度と黒球温度の測定値から算出される。
4 Ⅰ度の熱中症では、めまい、筋肉痛、筋肉の硬直などの症状が現れる。
5 熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分 (ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称である。


問12 振動障害

振動障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 振動障害は、チェーンソーなどの振動工具によって生じる障害で、手のしびれなどの末梢循環障害やレイノー現象などの末梢神経障害がみられる。
2 日振動ばく露量は、周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値と1日の振動ばく露時間から求められる。
3 日振動ばく露量が、日振動ばく露限界値を超えることがないよう振動ばく露時間の抑制、低振動の振動工具の選定を行うようにする。
4 振動工具取扱い作業者に対する特殊健康診断を1年に2回実施する場合、そのうち1回は冬季に行うとよい。
5 フォークリフトや建設機械などの運転では、全身が低い周波数の振動にばく露され、不快感を感じたり、腰痛や頚部痛などの脊柱障害を起こすことがある。


問13 騒音

騒音に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 人が聴くことのできる音の周波数は20 Hzから20,000 Hz程度までで、会話音域は500Hzから2,000 Hz程度までである。
2 騒音性難聴は、騒音により内耳の前庭や半規管の機能に障害を受けることにより生じる。
3 騒音性難聴の初期に認められる4,000 Hz付近の音を中心とする聴力低下の型をc5dipという。
4 等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音レベルのエネルギー的な平均値を表す量で、変動する騒音に対する人間の生理・心理的反応とよく対応している。
5 騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与えるため、騒音ばく露により、交感神経の活動の亢進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。


問14 酸素欠乏と硫化水素中毒

酸素欠乏症及び硫化水素中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 空気中の酸素濃度が15-16%程度の酸素欠乏症では、一般に頭痛、吐き気などの症状がみられる。
2 窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。
3 酸素欠乏危険作業を行う場所において、爆発、酸化等を防止するため換気を行うことができない場合には、空気呼吸器、酸素呼吸器又は送気マスクを備え、労働者に使用させる。
4 硫化水素は、10 ppm程度の濃度で、眼の粘膜を刺激する。
5 硫化水素は、細胞内の呼吸酵素を阻害し、脳神経細胞の障害による意識消失、呼吸麻痺などを引き起こす。


問15 電磁波

電磁波に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 可視光線のうち、青色の光の波長は緑色の光の波長より短い。
2 紫外線は、可視光線より波長が短い電磁波で、アーク溶接作業などでばく露のおそれがあり、電光性眼炎を起こすことがある。
3 赤外線は、可視光線より波長が長い電磁波で、ガラス加工作業などでばく露のおそれがあり、白内障を起こすことがある。
4 通信などに利用されるマイクロ波は、赤外線より波長が長い電磁波で、照射部位の組織を加熱する作用がある。
5 レーザー光線は、おおむね1 nmから180 nmまでの波長域にある。


問16 電離放射線と健康障害

電離放射線及びその生体影響に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 陽子数が同じで中性子数が異なる原子を互いに同位体といい、電離放射線を放出する同位体を放射性同位体 (ラジオアイソトープ)という。
2 α線、β線、γ線の中では、γ線が透過力、電離作用ともに最も大きい。
3 電離放射線による中枢神経系障害は、確定的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると重篤度が線量の増加に応じて増加する。
4 電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30 年後に現れる。
5 造血器、消化管粘膜など細胞分裂の頻度の高い細胞が多い組織・臓器は、一般に、電離放射線の影響を受けやすい。


問17 局所排気装置

局所排気装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ダクトの形状には円形、角形などがあるが、その断面積を大きくすると、ダクトの圧力損失は小さくなり、搬送速度は遅くなる。
2 フード開口部の周囲にフランジを付けることにより、フランジがないときと比較して、少ない排風量とすることができる。
3 外付け式フードは、有害物質の発散源の近くで有害物質を吸い込み気流によりフードまで吸引するものであり、囲い式フードと比較して吸い込み時の圧力損失が小さく、少ない排風量とすることができる。
4 キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。
5 排風機には、遠心式と軸流式があるが、いずれの方式の排風機も、一般に、空気清浄装置の後の清浄空気が通る位置に設置する。


問18 労働衛生保護具

労働衛生保護具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 保護めがねは、研磨、化学薬品取扱いなどの作業で、飛散する粒子、薬品の飛沫などによる眼の障害を防止するために使用する。
2 化学防護手袋には、耐透過性のクラスが定められており、クラスの数字が大きいものほど、耐透過性が優れており使用可能時間が長い。
3 送気マスクには、自然の大気を空気源とするホースマスクと圧縮空気を空気源とするエアラインマスクがある。
4 空気呼吸器は、清浄な空気をボンベに詰めたものを空気源として作業者に供給する自給式呼吸器である。
5 使い捨て式防じんマスクは、溶融金属の表面から発生するヒュームに対しては効果がない。


問19 防毒マスク

防毒マスクに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 国内で使用される防毒マスクは、有害ガスの種類にかかわらず、厚生労働大臣が指定する機関による型式検定の対象である。
2 着用者の顔面と防毒マスクの面体との密着性の良否の簡便な確認方法には、陰圧法及び陽圧法がある。
3 有機ガス用防毒マスクの吸収缶は、メタノール、二硫化炭素等については、除毒能力試験の試験用ガスであるシクロヘキサンに比べて破過時間が著しく短くなる。
4 一酸化炭素用防毒マスクの吸収缶は、使用する環境の湿度が高いほど破過時間が短くなる傾向にある。
5 防じん機能を有する防毒マスクには、吸収缶のろ過材がある部分に白線が入れてある。


問20 管理濃度と許容濃度

作業環境評価基準に定める「管理濃度」及び日本産業衛生学会の「許容濃度等の勧告」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 管理濃度は、有害環境下での労働者の労働時間に関係なく、その作業場所の作業環境に対して用いられる。
2 鉱物性粉じんの管理濃度は、遊離けい酸の含有率によって異なり、0.025-3 mg /m3の範囲にある。
3 許容濃度等の勧告において、化学物質の許容濃度は、経皮吸収を考慮して定められている。
4 許容濃度等の勧告において、生物学的許容値とは、生物学的モニタリング値がその勧告値の範囲内であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である。
5 許容濃度等の勧告において、ヒトに対する発がん性については、第1群、第2群A、第2群B の3種類に分類されており、ヒトに対して発がん性があると判断できる物質は、第1群に分類されている。


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