サンタクロースを信じられなくなってから

「サンタクロースはいるかいないか論争」。毎年小学生の間で繰り広げられる話である。あの小さな僕らにとってのサンタは偉大な次元を超えた何かであった。自分らと離れているようでもっとも身近にいる、どんな望みだろうとも叶えてくれる存在だった。あのクリスマスイブのウキウキした感覚、今年は良い子にしていたかという不安、12月で唯一朝の5時に起きれた、ウキウキとした高揚感、今でも忘れられない。あの頃に戻りたくて仕方がないのだ。いつからあの期待がなくなってしまったのか、思い起こしてみようと思い記事を書いた。

ものすごい酷い話だ。クリスマスの前であった模試を受けて昼の時。隣の席の友達がものすごい複雑そうな顔をして社会の教科書の表紙を眺めていた。

これでは気分が乗らないので何があったのかと聞いてみると彼女はスマホを持ち出してアマゾンを開いてこう言った。

冬休みの読書感想文のネタが思いつかなくて、アマゾンで本のレビュー読んでたの。そしたらサンタさんに頼んだプレゼントが購入履歴にあったの!ほら!


ええっと思った。サンタさんって親だったのかと。小5にもなって自分も知らなかったのだ。確かに言われてみればそうだと思った。サンタをどのようにして信じるようになったのか思い返してみた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお母さんが「サンタさんに手紙を書いているの」と言ったあたりからして何か違和感を覚えるようになった。ものすごいわざとらしかった上、肝心の書いた手紙の行き先を見たことがなかった。よく考えてみればサンタが全国の子供にプレゼントを配っているようじゃ自己破産してしまう。そこで同級生の友達と話してみたのである。「サンタって本当にいるの?何のためにあんなにプレゼントをばら撒いてるの?」
学校の友達の回答はこうだ。

少子化対策じゃね?国がサンタクロースを通して子供を支援してんだよきっと


なんかすごい納得した。そんなの夢なさすぎて嫌だわwと思ったものの、当時外交官を志していた、国や国際情勢に厳しい彼が言うのだから間違い無いだろうと思った。
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だが冷静になって考えてみた。そんなものに税金を使って欲しくない。そこで僕もAmazonの購入履歴を見てみた。サンタはいなかった。夢が崩れ落ちた。前から欲しがっていたポケモンのゲームソフトがそこにあったのだ。

それから今年は親にどう頼もうか考えた。弟が無神論者だったので一緒に考えた。そのアイデアがこれだ。

知らないおじさんからもらうのよりお母さんから買ってもらった本の方が面白いよ

サンタを信じられなくなってしまったのならこう考えてみてほしい。言われてみればそうだ。煙突から入ってくるなんて不法侵入者だ。トナカイが交通法を守ることあるまい。所詮は知らないおじさんでしかないのだ。親への感謝も相まって喜びも増すと思う。だから私の家ではサンタはいないことを掲げて毎年親にがっつり小説を買ってきてもらうようにしている。(昨日もbook offを満喫してきた)

だがやはりあの特殊な興奮にまた出会いたいと思ってしまう。僕の中ではただのおじさんと化してしまったサンタへ。どうしてなのだろう



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