企業の危機管理を考察する
こんにちは。よこちょうです。
先日の話になりますが、本当に想定外の動きとなった台風10号。特に九州地方に甚大な被害をもたらしましたが、遠く離れた東海地方や関東地方でも大雨による様々な影響が大きく、コメントするのもはばかれるような凄い状況となってしまいました。
皆様の所は如何でしょうか。被害に遭われました方には心からお見舞いを申し上げますと共に、影響が最小限であることを願うばかりです。
今年は元旦から能登の大地震や、東北地方での大雨など、本当に企業継続にも影響する災害が多い状況ということもあり、今回は「危機管理」について、以前の私の経験などもご紹介しつつ考えてみたいと思います。
【企業の危機管理ってそもそも?】
毎日、皆様普通に所属されている会社(個人の方はご自身)でお仕事に従事されていると思いますが、たとえば以下のような事態が発生し、事業の継続が難しくなる事があります。
地震
異常気象(台風上陸、大雨、大雪など)
感染症などのまん延
などが普通に考えられるいわゆる「緊急事態」ですが、もう少し幅を広げてみると、
保育所に預けたお子様が保育中に突然の発熱
介護サービス中の親御様のケガ
出勤中の交通機関のアクシデント/トラブル
なども考えるべきことだと思います。また上記のような人的な問題のみならず、発注された品物の納品に関する問題や、支払いなどの会計の問題など上げれば事業継続に影響のある事象は限りなくあると言っても過言ではないと思います。
こういった通常と異なる状況が発生した際に、事業をどう継続し影響を最小限に留めるかを、企業活動を行ううえで考慮しておく事はとても重要なことです。
【一般的な対策としてのBCP】
2011年の東日本大震災発生時や、2020年からのコロナのまん延など、こういった有事の際に「事業継続」が話題となりました。
「BCP(Business Continuity Plan)」という言葉は既に一般的に使われるようになり、緊急事態の際の早期復旧および事業継続の方法が検討・文書化されている企業も多くなったかと思います。
中小企業庁のページにおいても以下にBCP策定運用指針が紹介されております。(結構情報が古いですが、、)
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html
単純な防災計画(どう守るかがメイン)ではなく、事業継続/早期復旧を目的としたものとなっています。
対象もいわゆる自然災害のみならず、テロや火災、そしてコロナなどの感染症までを網羅しており、総合的なものとなっています。
では現状、策定率はどの程度かな?と調べてみましたが、
帝国データバンク様の調査ですが、なんと策定済企業は2割程度、そして策定意向ありの企業でも約半数と、私としては少しびっくりです。
コロナまん延の際には、自然災害ではない「有事」で、事業継続が注目されたと思ったのですが、もう少し意識を高めたいと思わせる結果でした。
【以前経験した難しい判断】
手前味噌になりますが、私が経験した一つの例をご紹介します。
2011年に発生した東日本大震災の時、私は某ITベンダーで教育ビジネスの責任者をしておりました。
当時は、金曜までの予定で5日間の製品研修がオフィスで行われており、まさにあと数時間で終了というタイミングで大地震が発生しました。
当時のオフィスロケーションは某ビルの高層階で、地震の時は想像を絶する揺れでした。当然、研修どころではなく、お客様をどうするかの対応が必要になりました。
今思うと、その時にはBCPなどの拠り所もなく、全て責任者である自分が状況を踏まえて判断する必要がありました。
最終的には、以下の状況を踏まえつつ、「お客様の安全」を第一に対応を指示しました。
余震の可能性はあるが、ここで研修を中止して、お客様を外へ出してしまうと交通機関の混乱もあり、却って危険な可能性がある
ビルは免震構造で揺れるが、外へ出るよりは少なくとも安全と判断
お客様のご事情は考慮する必要があるので、必要に応じて連絡いただいたうえで、お帰り頂くこともOKと判断
会社内にとりあえずお客様が一晩お休みするスペースおよび非常食の備蓄があることを確認
上記状況から、いったんそのまま研修を継続する事を決断し、担当インストラクターに伝えました。
結局、数名の方が会社事情で退出されましたが、他の方はそのまま研修を継続し、終了後もそのまま滞在してOKとお伝えしました。
最終的に、遠方の方も含め数名がオフィスに宿泊され、私もアテンドいたしました。
10年以上前になりますが、この時の状況は忘れることはありません。
総務の方の献身的な協力もあり、良い判断ができたと思っています。
【(簡単ですが)この問題に対する考察】
危機管理において、ある程度の拠り所としてのBCPを作っておくことは意義のある事と思います。
ただ、想定される「危機」には当然「想定外」という事もありうることはやはり意識しておく必要があると思います。
その際に求められるのは、状況判断と決断です。
間違う可能性もゼロではないですが、最も重要な事は何か(先の例ですと「お客様および関係者の安全」)、そしてその重要な事に関して現在の状況はどうなのか、それを判断できるリーダーの存在が求められると本当に思います。
とはいえ、時の経過とともに我々も色々な事象を経験し「経験値」も確実に上がっていることも事実です。
そういった経験値をしっかり文書化して残しておく、さらに経験を基に想定される事を考え、残していく事も重要と考えます。
有事の判断において、何らかの拠り所があるというのは本当に心強いものです。経験を単に頭の中でとどめておくのではなく、形としてまとめて必要に応じてアップデートしていけるようにする事を意識していければと思います。
また、先にも述べましたが危機管理というとどうしても「大きな災害」が思い浮かんでしまいがちですが、交通機関の日々のトラブルや、社員および家族の健康などの日常発生する問題などへの対処も考えられます。そういった際の業務のカバーやバックアップなども常日頃から意識していく事も重要かと思います。
こういった場合に、就業規則などの拠り所を見直したり、整備しておき備えておくことも大切なことと考えます。
今回は、「危機管理」について、私の経験も交えながら考察してみました。
人事労務、働き方、退職金関連など、相談先などお困りでしたら、ぜひ社労士法人JOYのお問い合わせからご相談下さい。
特に最後にご説明した就業規則などの見直しや制定などは、まさに社会保険労務士のテリトリーになりますので、お気軽にご相談下さい。
次回もぜひお楽しみに!