路上に咲く爺
咲いてる爺って俺じゃないからねw
俺も咲いてるのかもしれんけどw
新宿歌舞伎町近くでの待ち合わせ。iphoneでマップを見ながら歩く。
午後3時近く。
持ちながら軽く前後に振っていた右手をすり抜けてIphoneが勢いよく落ちてった。
((珍しいな手からすり抜けんの・・暖かくてかじかんでもないのに。))
がシャッ っと地面に当たる音が鳴る。その刹那。
「大丈夫でしょうか。」
視界の外から、すごく短いフレーズが、はっきりクリアに聞こえてきた。
音が発せられた地点まで特定できるくらいのクリアさだ。
あの乱雑な音の混ざる雑踏で、他人を意識からシャットアウトして歩く普通の人が、予測せずに聞こえた音を、自分に対して発せられたものだと、聞き取ることは難しい。
行ったことがなければあまりイメージもつかないか・・
あれだけクリアに聞こえたこと自体が不思議なことだ。
迷わずその方向ー右斜め後ろを見ると、5~6m先にひとりの駐車場交通整理の爺がいた。
爺さんはとてつもなく柔らかな顔をしていた。
俺は「大丈夫です。ありがとうございます!」と返した。
爺さんにつられて、俺もその日一番いい表情をしていただろう。
あの場所で、あの仕事をして、あの通行人を毎日みて、あの爺ができあがるということは奇跡だなあと思いました。
春休みの感想文おわり
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