属性や型や居場所を纏い武装する対価は、それらへの服従である。
今日も街を歩くと、サラリーマン風を演じる人を何人も見かける。いや、実際サラリーマンなのだが。
彼らの動き方をただ見ているだけで勝手に感じられてしまう。そのパターンが。法則が。原理が。
歩くスピード。鞄の持ち方。忙しそうなしぐさ。よく見る時計。休憩中の肩の落とし方。仕事終わりの解放感漂う様子すら様式美のようだ。
かつての自分もそうであった。
彼らはサラリーマンの行動様式に身をゆだねることで、ある種の同調効果によって、連帯感にも似たエネルギーを得、日々の空虚さや不安を埋め