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桐蔭学園女子ラグビー部が、第6回全国U18女子セブンズ大会に出場決定!
【上達屋 サポートチーム情報】
2023年9月24日、桐蔭学園女子ラグビー部が、第6回全国U18女子セブンズ大会関東予選に出場し4位の成績を収め、創部以来初となる全国大会出場権を獲得。
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この桐蔭女子チームは、未だ全国大会の出場経験なし。
昨年の大会は、同大会の初戦を0-34で敗退している。
というのも、この女子チームはまだ創部5年目。ラグビー初心者も含む全部員数は10名(7人制なのに・・?)。とうぜんマネージャーは不在で、指導者は坂詰洋平監督一人のみ。部員100人を超え、長きに渡り次から次へと優秀な成績・非凡なる選手を輩出する男子とは比べるべくもない、まだ生まれたてのチームである。
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それでも彼女たちは、この5年間で着実に力を付け、今年の大会はここまで順調に勝ち上がってきた。全国大会出場の掛かったベスト4を決める試合の相手は、大会の優勝候補の一角を担う古豪かつ強豪チーム。
戦前の予想に反しに、試合の展開は、トライを取っては取り返され、取り返されてはまた取り返しの、両者一歩も引かない壮絶なシーソーゲーム。ついに決着は終盤へ。
上達屋がこのチームのサポートを開始したのは、2001年冬から。
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桐蔭学園の男子ラグビー部が花園2連覇を達成した直後、女子チームの坂詰監督から依頼を受け、今年で3年目。
「判断力を越えた“反応力”に磨きを掛け、常に相手の0,5秒先を獲るラグビー」の実現を目指す坂詰監督とたくさんの時間打合せを繰り返し、一足先に男子が取り組んだ、理に適ったカラダの操り方を育む『操育プログラム』導入に加え、同時にゲームで有用となる武器(スキル)の装着に着手。
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1年目には、この武器が1つしかなかった選手たちは、2年目で2つ目、3年目の今年は、先輩たちが築いてくれた土台の上に積み重ねるかのように、「コレもできるようになった!アレもできるようになった!ソレもできるようにならないはずがない」と、同時多発的に複数のスキルの習得に成功。
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この間、つねに女子の状態を気遣ってくれていた、どうみても“甘口”とは言えない同校男子ラグビー部の藤原秀之監督からも「今年は伸びた」と存分な評価をいただき、金子俊哉コーチ・福本剛コーチからもことあるごとに導きをいただき続けた女子チーム。たくさん人たちの想いの詰まった決戦は、4点ビハインドで後半残り時間1分へ。
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最後のアタックは、なんとかマイボールキープのままで敵陣22m内に入り、最後に選択した武器はDFの間と間をゴロですり抜ける「グラバーキック」。
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この武器は、実は半年前まで、彼女たちには使用不能なスキル。どころか、人生でラグビーボールを蹴ったことさえない・・・そんな選手が、この大事な場面で、攻撃権を相手に渡してしまうリスクを冒すことを恐れず、スペースを切り開くキックを“反射的”に選択した。
「私の力不足で、昨年の3年生には本当に申し訳ないことをしました。ただ、昨年の大失敗を活かし、この日のこのゲームに照準を合わせ、1年掛かりで『壮大な〇〇』を準備してきましたから・・」(坂詰監督)。
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実は、この日の坂詰監督の“読み”は、ことごとく当たっていた。
先の試合は、64-0で勝利。すべての局面での動きが相手の先を獲り、すべてのスキル選択が正解の試合展開。しかも、可能な限り体力を温存したゲーム展開。
この試合を観てボクは、
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「監督、あらためて彼女たちのここまでの真剣な取り組みに敬意を表したい。こちらからの提案を、よく継続し、習得し続けてくれました。次の決戦が重要なのは変わりないですが、ボクとしては、常に相手の先を獲り続けたこの64得点の戦いぶりだけで、ある意味もう満足です。これで、次負けたら、相手が上回っていたんだとあきらめます。それほどまでに、このゲームの内容はよかった」。
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でも、それはボクの想い違い・・・だった。
雌雄を決するベスト4を掛けた試合の残り1分、この強いプレッシャーのなかでの大事な場面で繰り出したグラバーキックの精度は、こちらの想像を超えてレベルが高く、先の試合が彼女たちの完成形ではなく、その試合を通じてさらに成長していたことを知らされたからだ。
結果は、逆転のトライ!
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ゴールは決まらなかったものの、残りロスタイムをしのぎ切って「29-28」の1点差で勝利!
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創部5年目にして、彼女たちが新たな歴史を刻んだこの瞬間に立ち会うことができた喜び。
全国大会は熊谷ラグビー場にて、10月27日~29日開催。
きっと、4年間の基礎を築いてくれた先輩たちも駆けつけてくれるはず。
桐蔭学園女子ラグビー部が、総力を集結し勝ち取ったキミたちのショータイム。
おめでとう! 充実のパフォーマンスを!
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