スペシャリストのコモディティ化
先日読んだ「瞬考」という本がめちゃくちゃ良かったのでご紹介します。
まず「瞬考」とは何か?
その字のまんま秒で答えを出すということなんですが、これはビジネスプロデューサーとして活躍されている山川孝義さんが本の中でも「これからの時代ビジネスプロデューサー大事ですよ」ということが論理的に語られています。
時代背景的にもそのように語られていて、単にご自身の主張というか、そういうことではなく、もともとこの方、めちゃくちゃ頭いい方です。京都大学工学部卒業、システムエンジニア出身なんですね。 そこからコンサルティング会社に行かれて、すごくどちらかというと左脳的な、ロジックで考える方が得意な方だと思うんですが、その方曰く時代の流れとか背景を考えると、これからの時代というのはプロデューサー的にやっぱり働くこと、プロデューサースキルというのは非常に大事なんじゃないかという仮説も含めた本ですね。 ご自身の経験上、実績も出されているので、そこに説得力があるというような内容です。
昭和の時代というのは経済が右肩上がりで成長していた時代ですから、だからいわゆる労働力としてサラリーマン、決まったことを着実に進めてくれるサラリーマンが必要だったんです。 だからサラリーマン全盛期ですね、昭和の時代は。しかしバブルが崩壊して、リストラも盛んに行われて、これはやっぱり自分で力つけなきゃ食っていけるようにならないといけないぞという時代が来て、平成の時代というのはずっとスペシャリストの時代だったんです。代表的なのは弁護士さんとかお医者さんはもちろんですけど、コンサルタントとかこういったところがずっと伸びたと。 やっぱりスペシャリスト大事だよね、スペシャリストとしてどれだけ名を馳せられるか、残せるか、この時代がずっと続いていて、今もそれが続いていると言われていますが、現在どのような時代になってきたかというと、「スペシャリストのコモディティ化」が発生する。 どこを見ても何々専門家、何々専門家、何々専門家、そのような表現よく聞きますよね。もちろんそれは素晴らしいんですよ。 なんですけど、スペシャリストがそれだけコモディティ化すると何が起こるかというと、その中でご飯が食べられる人、仕事が舞い込んでくるという人は本当にその中の業界のトップだけ。 だからその中でやっぱり勝ち組、負け組というのが明確に分かれていくと。
例えばですけど、会社のロゴを作りたいとなったら、クオリティの低いものだったら自分で作れちゃいますけど、ちゃんと仕事として依頼したいと思ったら探せばいくらでもいるじゃないですか。 ホームページもそうですよね。その道の専門家ですって言っても、その道の専門家がいっぱいいるわけですよ。 だからその方々を束ねて、何か新しい価値を作っていく、プロデュース能力を発揮して、何か全体を取りまとめていくようなそういう働き方が今後必要になってくるというふうに言われています。
その具体的な事例として書籍の中でも話が出ていたのが、アーティストのYOASOBIですね。 もう世界的大ヒットを連発しているユニットですよね。 YOASOBIって実は分業なんですよね。知ってましたか?
歌っている彼女と作詞作曲の男性はそれぞれ分業をしているわけですよ。その作詞というのもご自身の経験から作詞を書いているわけではなくて、参考にしているのが小説なんですよね。だからそのネタとしてはもう豊富にずっとある状態なんです。だから自分たちの経験からしか作詞を書けないという苦悩がない。これがYOASOBIの強さ。イラスト・アニメーションもそのアニメーションの専門家からスペシャリストからの提供がある。BTSとかもそうですね。本当にトップランナーの方々というのは分業を実際やっているわけですよ。キンコン西野さんだってそうじゃないですか。絵本は分業で進めていますよね。 映画とかもそうですよね。西野さんが全部やっているわけじゃないですよね。 というふうにスペシャリストを集めて束ねて一つの作品や商品やサービスプロジェクトを作っていく。 そのまとめる役割というのがプロデューサーなわけですよ。それだったらぜひ参加したいというようなプロジェクト。 みんなが飛び込んでくるような場所。これをいかに作れるか。その能力があるかというところですね。プロデューサー。こういう世界線にも今後どんどんどんどんなっていくよという本です。簡単に言うと。
例えばクライアントワークで相談があったときに。こういうことをもっとしたいんですよねーなんて話があったときに チャチャっと瞬間的に「あ、じゃあそれだったらこうしてこうしてこうでこうでこうでこうでこういう人がいて」とかっていうのが ピピピッと瞬間的に湧いてくる。それがやっぱりプロデューサーにはなきゃいかんよねと。そのためにはインプットインプットインプット。とにかくインプットが大事。人脈を構築していく。それらが瞬間的にパパッと出てくるこれがプロデューサーなんです。
この感じがなんかこの本を読んでてもうめちゃくちゃイメージできました。 そのレベルがどうなのかというところは人によってもちろんありますけど、やっぱりトップで活躍されているプロデューサーっていうのはその弾き出す答えっていうのが早いしクオリティが高いし、そういうレベルなんですよね。 僕はまだまだ瞬間的にパパッと出てきたとしても、多分そのレベル感というのはまだまだトップでは全然ないです。というのはそれはなぜかと言ったら僕自身がまだまだ全然そのクオリティではないから。だからもちろん課題はありますけれども、目指す先というのは何かイメージできてきた気がします。
業界としてはもちろんそれをまずは僕は植物の業界でやる。そこで結果を出して、そうなってくるとプロデューサーとしてもきちっと胸を張って堂々と「プロデューサーです」って言えるようになってきますから。そうすると業界をまたいでプロデューサーとして活躍することも出てくる じゃないかというふうには思っております。いずれにせよ、この「瞬考」という本。めちゃくちゃおすすめですので、プロデューサーという役割に興味がある方ぜひ読んでみてください。
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