
【文化の旅】年の瀬美術館放浪記2024
今年(去年?)の年末休暇は比較的ゆとりがあり、また何より寒い方が暑いよりも活動しやすいことで、さまざまな展示を観に行くことができました。
今回は、休暇中に訪れた美術館の記録を(今更ながら)残したいと思います。
ルイーズ・ブルジョワ展
地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ
まずはこちら。
森美術館で開催されていた企画展です。
六本木ヒルズ前の大きな蜘蛛は見たことがありましたが、制作者などは知りませんでした。
ルイーズ・ブルジョワはこの蜘蛛「ママン」を制作した女性です。
フランスに生まれ、主に幼少の複雑な経験やトラウマを芸術に昇華してきたそうですが、結婚して母になったあとも女として、母として、アーティストとして、苦悩している面影が見て取れました。
彼女には芸術があったことでこの世界を生き抜くことができたのでしょう。
今回の展示はルイーズ・ブルジョワの作品をみごとに現代に落とし込んでいるのが印象的でした。
特に東京の街を背景にした「ヒステリーのアーチ」はここでしか観られない組み合わせで非常に印象に残っています。

二度と観られない組み合わせかもしれない。
元々「ママン」があることもあって東京都心とルイーズ・ブルジョワの作品は親和性が高いのかもしれません。
少し暗い気持ちに引き込まれるような展示が多かったものの、楽しむことができました。
カナレットとヴェネツィアの輝き
次に新宿のSOMPO美術館で開催されていた企画展です。
こちらはヴェドゥータ(景観画)の展覧会でした。
ヴェドゥータは写真のなかった時代、主にグランドツアーに行った貴族の子弟が記念に買って持ち帰ることがあったようです。
今回の展示はヴェネツィアのヴェドゥータに焦点を当てており、華やかで楽しげな絵画が多くありました。

賑やかな声が聞こえる気がします。
実はルイーズ・ブルジョワ展の後にここを訪れたのですが、純粋に綺麗な絵だったので良い気分で帰ることができました。
SOMPO美術館には初めて行きました。
ゴッホの「ひまわり」が常設されているし結構良い美術館だったのでまた行きたいと思います。
カラーズ
色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ
続いて箱根にあるポーラ美術館の企画展です。
印象派から現代アートを結ぶということで、ちょうど上記の二つを結ぶ時代の絵画の変遷が展示されているようでもありました。
今回ポーラ美術館を訪れたのは私が最も好きな芸術家ジョルジュ・スーラの絵画が所蔵されていることを知ったためです。
企画展の趣旨とも一致しているので、しっかり展示されていました。

手前の船、よく観るとロープの部分が赤と青で描かれているんです。
遠目では普通のロープのように見えるのに、近くで見ると全然違うというところから私は新印象派が好きです。
あと額縁の影のような部分も点描で描かれているのが印象的でした。
やはり絵画は生で観ると発見があったり、印象が変わったりするので面白いですね。
いつかシカゴ美術館で「グランドジャット島の日曜日の午後」を観るのが夢です。
おまけ
ポーラ美術館には箱根旅行のついでに行ってきました。
箱根といえば彫刻の森美術館も有名ですが、こちらもしっかり行ってきました。
彫刻の森美術館は広大な敷地を散策しながら芸術鑑賞ができる面白い美術館で、以前にも訪れたことがあります。
広いために以前は見落としていたのでしょう、今回はハンガリー出身の彫刻家の作品を見つけました。

マルタ・パンが制作した真っ赤な彫刻は鯉がいる冬の水面で穏やかに風を受けていました。
どうやら都内にもあるそうで、今度観に行ってみたいと思います。
こうやって、興味がある点(ハンガリー)に興味がある点(芸術)が結びつくと、より楽しいです。
もっともっと色々なことを知りたいし、点と点を線で結びたいと思います。
以上が私の年の瀬美術館放浪記でした。
美術検定4級も取ったことだし、2025年も面白いものをたくさん観に行きたいです。