ラジオの時代に誕生したアメリカ史上唯一の大統領
皆さんは、「ルーズベルト大統領」という名前を聞いた事があるだろうか。
フランクリン・Ⅾ・ルーズベルト
彼は、第二次世界大戦時の米国大統領として、またアメリカ史上唯一、大統領選に4回当選したという20世紀前半の国際政治、アメリカ政治を語る上で欠かせない人物の一人だ。
そして、彼にはもう一つの史上初がある。
それは、アメリカ史上唯一、重度の身体障碍(車いすを常用)を持った大統領でもあったという事だ。
(1921年にポリオに罹り。病の後遺症により車いす生活に。)
20世紀前半、身体障碍を持つ人々への差別や偏見がまだまだ色濃く残っていた当時のアメリカで、彼はいかにして米国大統領になったのであろうか。
もちろん、その過程には彼の政治家としての手腕など様々な複合的な要因があるのだが、今回は、その過程と当時のメディア事情に焦点を当てご紹介していく。
フランクリン・Ⅾ・ルーズベルトが大統領に初当選したのは1933年。
当時、人々にとっての主要なメディアは新聞かラジオであった。
そう、まだテレビという媒体はほとんど普及していなかったのである。
また、フランクリン・Ⅾ・ルーズベルトはマスコミや人々に自身の車イス姿を見られることを毛嫌いし、大統領選挙活動中、大統領任期中に人前にでる事をほとんどしなかった。
この事もあり、彼の任期中、彼が身体障碍者であったという事はアメリカ国民にほとんど知られていなかった。この事実もまた驚きである。
では、彼はいかにして大統領選を勝ち抜いたのであろうか。
その答えは、「ラジオ」にある。
大統領選挙活動中、彼は当時、最も主流なメディアであったラジオ放送を通じて演説をし、直接国民に訴えるスタイルを重視した。そして、このラジオでの演説は多くのアメリカ国民を引き寄せ、「炉辺談話」と呼ばれた。
(当時、ラジオは暖炉の上に置かれる事が一般的であった為、また暖炉を囲って家族が会話をしていた為 など諸説ある。)
つまり、フランクリン・Ⅾ・ルーズベルトはラジオというメディアを巧みに利用する事により、見事、第32代米国大統領に当選したのである。
彼は、第二次世界大戦中にも、ラジオを用いて国民の士気を高めようと積極的にラジオを利用していた。そして、大戦中も含め、彼はアメリカ史上唯一の大統領選に4選した大統領となったのである。
ラジオの時代に誕生したアメリカ史上唯一を2つ持つ第32代アメリカ合衆国の大統領「フランクリン・Ⅾ・ルーズベルト」。
彼の大統領になるまでの過程とメディアとの関係性からもわかるように、メディアと政治との関係性はとても深い。
今の時代「メディアを上手く利用できる」というのも、もしかした重要な政治的手腕の一つなのかもしれない。
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