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My Museum: Maya Njie 「TOBAK」

1年くらいしか経っていないけど、気に入って使っている香水のイギリスのMaya Njieの「TOBAK」について話したい。

ファッションは好きだけど、自分の好きなスタイリングはあるわけではなく、なんとなく品がよく、肌なじみのいいベーシックな服を好んで身につけている。
だけど他人と被ることはなるべく避けたいのでオリジナリティを求める天邪鬼な私は、ニッチフレグランスを好んでつけている。安直な考えだけど、自分のキャラクターをより色づけてくれる気がするし、何より自分の感性にピッタリとハマるモノに巡り合える気がするからやめられない。

このMaya Njieは調香師自身の名前であり、ブランドオーナーである。
彼女は、さまざまなルーツを持ち合わせている。彼女の作る香水には記憶に基づいていることを表す写真が商品の説明に付けられている。調香師のキャリアだけではなく、デザインと写真芸術を学んだ背景があり、香水をデザインする際にストーリーをもとに調香されている。そのため、複雑な匂いの中に温かみがあるものが多いと感じる。自分自身がその土地に行き、ベンチに腰をかけてもてなされている気分になる。

「TOBAK」のノートは、タバコリーフ、ベチバー、シナモン、トンカマメ、ムスク、レザーのスモーキーなイメージを持たせる匂いである。スモーキーさがあるけど、シナモンの香りが温かみと優しさを印象付けてくれる。上品なバーで、レザーのソファに座っている紳士になれる気がする。
はじめて匂いを嗅いだ時は、朝日に体を温められていながら散歩をしている日を思い出した。体が起きてゆっくりと血が巡り、楽しくなるであろう今日を見つめて、歩き出したくなるような匂いだった。

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