Jouluribo Blog 2
ヨウルプッキ村にかつおぶしの雪がふるー絵本バーション
さて、前回の漫画バージョンがオリジナルなのですが、この漫画をベースに絵本も作成しています。かつおぶしが降る設定は同じですが、大きくストーリーを変えています。またこれはこれで、ひとつのオリジナル作品となっていると思います。これは今から、25年位前の作品です。ちょっと長くなりますが、話の部分と絵を共に掲載します。
ここはヨウルプッキ村。動物も、虫も、人も、生きものみんないっしょに暮らせるすてきな村。
ヨウルプッキって、フィンランド語でサンタクロース。サンタさんのようにあったかくって、夢がいっぱいある村。それがヨウルプッキ村。
ヨウルプッキ村って、どこにあるかって・・・?
そうじゃな・・・きっときみも見つけることができるじゃろ。
そうそう、わしはこの村の村長じゃ。みんなからヨウルじいさんと呼ばれておる。だれも村長さんと呼ばない。でも、いいんじゃ。ヨウルじいさんと呼ばれるのが、好きなんじゃ。
この村では、みんな協力し合っておる。ここには、人にとって便利なものは、ほとんどない。たとえば、電話や郵便もない。
もし、何か知らせたいことがあったら、ミツバチにたのむんじゃ。
彼らは、とっても役に立っているみんなのメッセンジャーなのじゃ。
うれしい知らせ、かなしい知らせ、どんな知らせもしっかり届けてくれる。
だれだってうれしい知らせは、大かんげいじゃろ。しかし、かなしい知らせ、つらい知らせは、いやじゃな。
こんなできごとがあったー。
ヒグマの『うおう』のところに「今年のサケは、川にもどるのがおくれそうだ」という知らせをミツバチの『びい』が届けた。
すると、『うおう』はとつぜんおこりだして『びい』は、あやうく食われそうになった。
たまたま通りがかったネコの『みゃん』が、もっていたさかなを投げて、ピンチの『びい』を間いっぱつ助けたのじゃ。
『びい』は、どんなに『みゃん』に感謝したことかー。
いいことをして、うれしかった『みゃん』であったが・・・。さて、困ったことになったー。
『うおう』に投げつけたあのさかな。じつは・・・。
病気で弱っているおじいさんのところに、お父さん、お母さんにたのまれて届けにいくおみまいの品だったのじゃ。
あのさかなを食べてもらい、早くおじいちゃんに元気になってもらおうという家族の願いが、ぱぁになってしまったー。
お父さんにたのまれたのに・・・。お母さんとやくそくしたのに・・・。
あのさかなを食べられなかったせいで、おじいちゃんの病気がどんどん悪くなったら、どうしよう。
おじいちゃんが、もし死んじゃったら、どうしよう。
ぼくのせいだ・・・。
そう考えると、もう『みゃん』は、おじいちゃんのところにも行けず、うちにも帰れなくなってしまった。
どうしよう・・・。
「そうだ!もうすぐサケがもどってくるころだ。それをつかまえて、おじいちゃんに食べてもらえばいい」
そう考えた『みゃん』は、サケをつかまえに出かけたのじゃった。
しかし、行けども、行けども、サケのすがたは、どこにもない。さがしても、さがしても、サケは見つからない。
さがしつかれた『みゃん』は、つい足をすべらせてしまい、川へまっさかさまにおちてしまったー。
ふだんなら泳ぐのは、へいちゃらな『みゃん』も、サケをさがして、つかれきってしまっていたんじゃな。それに、思ったよりも川は深くて、水はつめたく、流れもはやかった。
『みゃん』は、しずんだり、ういたりしながら、どんどん流されてしまった。
そして、だんだんと気がとおくなって、もう『みゃん』には自分の手で何とかする力はなかった。
ちょうどそのとき、川の上を『びい』が通りかかったのじゃ。『びい』は、流されていく『みゃん』のすがたを見つけると、いそいで村のみんなに知らせにいった。
もちろん、村長のわしのところにも知らせが届いた。
たいへんな知らせも届くんじゃ。
あやういところを『みゃん』は、助けられたのじゃった。
『びい』のおかげじゃな。
水はたらふく飲んだものの『みゃん』は、ぶじじゃった。
今度は、『みゃん』が『びい』に感謝する番であった。
だいじをとって、村のももんが病院にひとばんとまることになったがのぉ。
よく日、『みゃん』の元気がもどった。病院の外に出てみると、ふわりふわり空から舞ってくるものがある。
「雪?」
いやいや、それは何と、何とかつおぶしじゃった!
『みゃん』が元気になったお祝いに『びい』とそのなかまたちが、空からプレゼントをしたのじゃった。
空からふる大好物に『みゃん』は、大よろこびであった。
「かつおぶしのゆきだぁー」
走りまわって『みゃん』は、空からふってくるちょっといいかおりのするへんな雪に食らいついておったわ!
『びい』たちが、知らせ以外を届けたのは、これがはじめてじゃったな。
まもなく『みゃん』のうちに「おじいちゃんが元気なった」という知らせが届いたそうじゃ。
もちろん、届けたのが『びい』であったのは、いうまでもない。
まもなく『みゃん』のうちに「おじいちゃんが元気なった」という知らせが届いたそうじゃ。
もちろん、届けたのが『びい』であったのは、いうまでもない。
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