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さよなら34
今更ながらサヨナラサーティーフォー。
人生一周したと思っている。
ここに記す事によって、脳に刻み込んで、
この先進もうと思う。
2024年。
全く大人になれない人生だった。
太宰じゃないが恥の多い一生。
ダサい、辛いがサジは投げない一生。
なんて。
気付けば歳はまぁまぁ食って、
たったの数千週間しかない人生の幾らかは消費してしまっている。
が、年齢を気にしている時点で、他人の目を如何に気にしてきたかが伺える。
今更。とはいえ。
1%でも希望があるなら絶望するなよな、とは思う。
惨めで可哀想な過去の自分をまだ引きずって歩いている。
お?
着いてくんな、後は自分の足で歩け。
救ったはずだ。
どうだろう、まだ分からんが、
誰かを、何かを救い続けることなんてきっと無理なんだと思う。
ヒーローは母親でも、父親でもない。
ヒーローだって忙しい。
目の前に困ってる奴がいりゃ助けるんだろうが困ってる奴なんか掃いて捨てるほどいる。
きっと本当のヒーローは切り捨てるのだって上手いのだろう。
ヒーローに憧れてた頃のお前は、結局甘えて生きていたのだ、今の今まで。
それを見切るまでにここまで時間がかかってしまった事に対しては責任を感じる、すまんな。
別にそもそも俺はヒーローになりたかったわけではないのだ。
皆が楽しそうにしているその時間、何故かいつも
面白くなさそうな顔してるお前が不憫で仕方なかった。
家だって学校だってお前の居場所じゃないと
思っていたんだろう。
もっと自分の足で居場所を見つけられるんだって導いてあげれれば良かった。
お前がいる場所は少し大きな箱庭だってこと、
お前の父親はその箱庭でしか力を震えない弱い人間だって事、伝えてあげる事が出来れば違っただろうな、とは思う。
父親と母親の喧嘩が絶えなかったあの頃、
母親の涙を見たお前は父親を弱い者に力を振りかざす悪だと認識した
人を殺すのは問題だが、
殺したいと思う気持ちを押し殺して生きる必要はなかったんだと思う。
殺したい人間との暮らしを続けるには自分を押し殺すしかない、と言う判断を下したお前は賢い。
だけどそれは正しい判断ではなかった筈だ。
力で叶う筈がないと思ってしまっていた。
当時は、力とは力のことで、能力や権力も武器で、それらをもってして対抗し得ること。
更には「武器を研ぐ」事で身一つの人間より遥かに力を手に入れる事ができると言う考えに及ばなかったお前は、馬鹿というより、純粋だったのだ。
純粋であると言う武器を選んだが故に太刀打ち出来なかった相手に苦しんできた事、今ならわかる。
母親の愛だってかなり特殊な形状だった事に気付くのも箱庭のせいにしてしまっても良いのかもしれない。
いや、箱庭で闘うのに純粋と言う武器を選んでしまった事だろうか。
愛の形をした刃物でどれだけ傷付けられてきたかも、近すぎて分からなかったのか、、、
いや、目を瞑る癖がついたんだろう。
自分があの頃のお前の両親に一言だけ言ってやる事が出来るなら、
「何故その愛を持ってして話を聞いて褒めてやる事が出来なかった?」
なんだろう。
やはり聴く耳持たないだろうが。
半ば洗脳に近い状態で、いざ自由だ、と言われても実感なんてありゃしないだろう。
それも、わかる。
わかるけどな。
それが洗脳や呪縛であったとしても、
愛には変わりなかったんだよ。
なぁ、もう良いだろう?
もうわかってるだろう?
血が繋がってようがいまいが、
お前の人生に責任を持てるのはお前自身でしかないんだよ。
何かに救いを見出すのもお前自身なんだよ。
繰り返しになるが俺はヒーローなんかじゃない。
むしろお前が純粋なんて武器にもならないような武器を持ち続けるくらいなら、
クズでも悪でももうなんでもいいよ。
俺はお前を救わない。
ほら、お前が小さい頃に倒しておかなかった敵が、お前と同じだけ歳をとって、
お前が逃げ回ってるうちに力をつけて取り囲んでいるのもわかってるんだろう?
そいつら倒して、こっち来いよ。
箱庭の外の世界、の更に
もう一段階外の世界があるの、見えてるんだろう?
そいつら自力で倒したら
めいいっぱい褒めてやるよ。
結局ずっと褒められたかっただけだろ?
違うなら違うで
そいつ倒してから俺に伝えに来いよ。
負けんなよ。