運命の女神さまの運命的な出会い!
天界の裁判長を兼ねる大元帥、ヤマの冷徹な声が響く。
「……被告人フォルトゥナは、輪廻転生を司る大役を担いながら未だ天命にあらざる命を過失により幾度となく散らし、その露見を恐れて転生委員会への諮問を計る事なく独断を持って異世界へと転生せしめた」
フォルトゥナはピクリと肩を揺らす。主文後回し。つまり、大元帥ヤマの下した判決は……
「これは人の子らの魂の輪廻転生を司る大役を任せられた事に背く行いであり、もはや神性足り得るを失ったに等しい。よって、被告人フォルトゥナに権能剥奪および異世界への追放を言い渡す」
「い、いやですううう!」
フォルトゥナはもはや恥も外聞も無く泣き喚いていた。
「静粛に!これ以上の恥を重ねる事は許さぬ。お前は全てを失い、無力な人の子として生まれ変わるのだ!」
「いやだああ!」
フォルトゥナはずるずると引きずられ退廷する。
大元帥ヤマはひとりほくそ笑むと、すぐ元どおりの冷徹な無表情へと戻った。
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