逆噴射ライナーノーツ:大武芸者時代
居合術、流鏑馬、薙刀、柔術、カポエラ、投げ縄、南京玉すだれ、緊縛師、相撲、ディアボロ、酔拳、ケツ割り箸、修験道、浄瑠璃、骨法
表の世界でも名の知れた大家から、闇の世界に名を残す暗殺者まで、揃いも揃ったり15人の武芸者。
この中に、父を殺した犯人がいる。必ず見つけ出す。
私は決意を込め、名簿の武芸名欄に力強く、【ハンドパワー】と書き記した。
作品名:大武芸者時代
ジャンル:トーナメント、格闘、異能力
連載可能性:中
連載媒体:note以外
10/17、ヒトシさんの作品自動車狂歌が発表された。物凄く面白かった。Twitter上でもかなりの反響を呼んでいた。
その中にあった「これは悲しい異修羅だ」という感想に目が止まった。
【異修羅】、話に聞き及ぶ珪素氏の一大エンターテインメント作品。私は残念ながら読んだことが無かったが、TLに蠢く読者自称者達(異修羅のファン読者を指す言葉だ)の熱心な布教から、どのような作品であるかを漏れ聞いていた。
曰く、トーナメントである。
曰く、あり得ざる16人の猛者の競い合いである。
曰く、全ての者が最強である。
なんと心踊る内容であろう。私は異修羅を読まずにいながら、既に異修羅のような話を書きたくなった。
16人の、あり得ざる、武芸者達の戦い。
まず脳裏に浮かんだのは、緊縛師とケツ割り箸だった。この2つは過去作品で扱った武芸であり、ぶつかり合えばどちらが勝つか、私にも分からない魅力的なカードだった。
次々に恐るべき武芸者達が脳内に現れたが、その中で主人公とするべき武芸は何か、私は悩んだ。
日本人に馴染みが深く、それでいてまだ誰も扱ったことのない手付かずのフロンティア。悩んだ末に思い至ったのは、奇術であった。
私はジョジョの奇妙な冒険が大好きだ。その中でジョセフ・ジョースターは人間よりも遥かに強い生物に、知略で立ち向かっていた。
奇術、相手を欺き、そして出し抜く技。他の武芸者に一本キャリアの劣る主人公が、知恵と勇気で埋まらぬ実力差をひっくり返す。物語が生まれる。
私は主人公の用いる武芸を奇術にしようとして、だがしかしインパクトの面からその名称に少し弱さを感じていた。
何をするかわからない、そういった底知れぬパワーが欲しかった。
パワー、そう考えた瞬間、閃いた。
そうして主人公の用いる武芸は“ハンドパワー”となった。
私は一気に作品を書き上げ、発表した。そして恐れ多くも「異修羅を読んだことがないがそのイメージからこの作品を作った」と喧伝した。
その結果、珪素氏からは直々に「読みなさい」と怒られたため、私は異修羅を読んだ。
結果、作品の持つパワーに打ちのめされ、すげえマジ面白かった。
今となっては、あの様な激闘を自分の腕前で再現できるとも思えず、正式な連載となるかはかなり難しいところだ。
最後に私の伝えたい事は、異修羅はマジで面白いのでまだ読んでいない人がいるなら読んでおくといい、という事だ。
あらすじ
父を何者かに殺された青年、縁ノ宮 術流(えんのみや すべる)は、謎の天狗面を付けた男から父を殺害した犯人の出場する御前試合が開かれる事を知らされる。
術流は父の伝えてくれたハンドパワーを極め、魑魅魍魎悪鬼羅刹蔓延る闇の御前試合に挑む事となるが……
登場人物
縁ノ宮 術流
主人公・ハンドパワー使い
お屋形様
御前試合を開いた謎の人物
剣鬼・流川
居合術
観音寺 一太郎
流鏑馬道
花柳 調
薙刀術
オーランド・G・ベック
柔術家
木嶋 モンクッ
カポエラ
流星のホーガン
投げ縄
宵月 真次
南京玉すだれ
荒縄流・霞 圭吾
緊縛師
横綱 千歳海
相撲
ラッキーJ
ディアボロ
李 蘭胡
酔拳
滝原 清之輔
ケツ割り箸
破戒僧・剛念
修験道
七代目 最上 文麿
浄瑠璃
死なずの菊地
骨法
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