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「男女別で利用が区分される施設における女性の安全・安心の確保の促進に関する法律(仮称)」が及ぼす影響:事業者に対して法案がもたらす影響について注意を促しました。


当会は、全浴連(全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会)をはじめとする複数の事業者に対して、自民党「女性スペース法案」に関する重大な懸念を伝えました。
この法案が施設運営に与える可能性のある深刻な影響を明確に示し、関係各所に問題点の理解と注意を促しました。


法が施行された場合に考えられる施設への影響について

【法案の懸念点】


 議連案では、浴場利用に関し、「性別を身体的特徴によって判断する」とされています。が、この表現は内容が不明確であり、その解釈について現場で混乱が起きる可能性があります。また、解釈について法廷闘争に持ち込まれる恐れもあります。
 今後、裁判所の判断によっては、法案提案者が提唱する「陰茎が全くない」という状態ではなく、性同一性障害特例法にいう「外観要件」との解釈混同により、陰茎の萎縮を含んだり、「他者から一見して不自然でない程度」という解釈となる可能性も存在します。
 この曖昧さは、実質的には、より多くの男性の利用許可を意味する可能性があります。(他者から一見してわからなくするという点では、『タック』と呼ばれる、陰茎を専用のテープなどで隠して女湯に入る方法をネット掲示板でやりとりしている男性すら、すでに多く実在しています)。
 施設管理者の権限という点から見ると、これらの男性について、女性が不安を訴えたとしても、法が存在するためにかえって、施設管理者が退去を求めるための権限と根拠を失うこととなる可能性もあります。
 また、本法案施行後、「身体的特徴を満たさない者(男性疑いの者)がいる」として女性側から通報があった場合、施設側は利用者の身体的特徴を確認する必要が生じますが、この確認においては、人の身体、特に陰部を含む部分について視認することを要し人権侵害に当たる恐れがあるため、問題はさらに複雑化しています。

【施設への具体的な影響として以下の状況が考えられます】


1. 女性利用者の減少:
   当会が昨年実施したアンケート※では、公衆浴場の女湯に特定のルールを設けている施設について、約9割の回答者が生物学的女性専用の施設の利用を望んでいます。
※ https://note.com/joteikai/n/n92ca79c6f6dd

2. 施設側の負担増加と職員へのハラスメント:
   公衆浴場で身体的特徴が女性に近いと主張する男性に対し、施設側がその特徴が女性的であるかどうかを確認する義務が生じる可能性があります。
 上記の通り、「身体的特徴」を満たすと信ずる男性については法の裏付けと確信を持って入場していること、陰部を含む身体についての確認は対象者も拒否し、職員にも心理的抵抗があり、人権侵害やそれに関する訴訟の恐れも生じうることから、職員・施設側の負担が非常に大きくなります。
 特に女性職員が男性の裸体を確認する場合、職員についてセクシュアルハラスメントに該当する(職場の配慮義務違反となる)恐れもあります。

3. 施設に対する訴訟リスクの増加
  2023年7月、性別適合手術を受けていない男性が、職場である省(国)に対して起こした訴訟で、2階以上離れた場所にある女性用トイレの使用を求める措置は不当であるとの最高裁判決が下されました。
 法案においては、浴場について前述のように「身体的特徴」の定義が不明確なこと、トイレ・更衣室は施設管理者が「利用可能な者の範囲」を明示(掲示)することとされ、女性自認のみの男性に利用許可することすら自由とされていることから、今後、施設側が男性に女性用施設を利用を認めるよう判断を迫られたり、訴訟を提起されたりすることが増える可能性があります。
 この種の訴訟はすでに国外で増加しており、この法律が施行されれば、日本国内でも対応リスク・施設に対する訴訟リスクが大きく高まることが予想されます。

以上のことから当会では法案の撤回もしくは生物学的女性に限定する修正を強く求めています。



添付資料について:

以下の資料を添付いたします。これらのイラスト・投稿はSNSで大きな反響を呼んでいます。

A: 女性の尊厳の毀損を問うイラスト

この資料では、「鉄のパンツを履いたからといって、男性が女湯に入ることが許されるべきではない」という問題提起をしています。性暴力が発生しないからといって、男性の入浴が許可されるべきではないと主張しています。

B: 女性の意識の変化を示すXの投稿


男性が性器を切除した場合に、女性枠として受け入れることについての考え方の変化を投稿したポストが、約4万の「いいね」を獲得しました。これは、多くの女性がこの問題について再考を始めていることを示しています。

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