デッキ解説 【5c不屈の独創力】(5c Indomitable Creativity)
1.自己紹介
noteでは大変ご無沙汰しております、ヨシュア(@WF35)と申します。普段は都内近郊とMOのモダンリーグでmtgを遊んでいます。
たまには文章なぞ書いてみたいなーと思い、最近自分がmtgのモダン環境で使用している【5c不屈の独創力】の紹介・解説記事を書いてみました。エボルヴなんてなかった
「なんか5t目にいきなり変なカードからやべえクリーチャーが2体飛び出してきて盤面もハンドもライフも無くなったんだが…なんだあのデッキは!」
「俺も実は最近モダンの【不屈の独創力】に興味があって組んでみたいんだけど5c型は採用できるカードも多くてよく分からない…」
と言った皆様の一助となれば幸いです。
現在のモダンでは比較的メジャーなデッキタイプですので既に使用されている方やモダンをやり込んでいる方にとっては物足りない内容となっているかもしれません、あらかじめご留意ください。
2.【不屈の独創力】デッキの概要
まずは知らない人のために《不屈の独創力》というカードのテキストから見てみましょう。
とても簡単に書くと、「盤面のクリーチャーorアーティファクトをX個破壊してデッキの上から同じ数のクリーチャーorアーティファクトが出るまでめくっていきそれに変身させるカード」です。
つまりデッキの中のクリーチャーorアーティファクトカードを1種類にしておくことで必ずそれがめくれます。
デッキの構造自体はとてもシンプルで、
・《不屈の独創力》
・クリーチャーorアーティファクトを生成するそれ以外の種類のカード
・踏み倒したいクリーチャーorアーティファクト
・それらをサポートする各色の優秀なカード
のみで成立しています。
詳しくは後述しますがモダン環境では各種フェッチランドと《ドワーフの鉱山》が使えますので、誤解を恐れずに断言すると土地が4枚以上あるならなんと《不屈の独創力》1枚コンボです。
個人的にはこのコンボデッキでありつつもコンボ成立までフェアデッキのように振る舞える安定性・対応力の高さこそが、【5c不屈の独創力】を選択する最大の魅力だと考えています。
3.リスト
こちらが自分が2023/2/1現在使用しているリストとなります。
比較的オーソドックスな【5c不屈の独創力】をベースにしていますが、自由枠の枚数はプレイヤーによってかなり好みが出るデッキだと思います。
4.メインボード解説
3 《残虐の執政官》
このコンボデッキの種、もとい踏み倒し先です。
場に出るか攻撃した時に自分は3点回復&1ドロー、相手は3点失い1枚捨てて1体生贄と、誘発1回でとんでもないリソース差をつけます。2体同時に出たり処理できるカードを持っていなければ全てのリソースを失った対戦相手がゲームを続行することは不可能でしょう。
他のファッティやアーティファクトカードと比較してこのカードの優れている所はいくつもあり、
・飛行を持っている
・伝説でないので同時に複数並び《頑強》にも対応する
・盤面に干渉できるので不利な場に強く、一定ターン数の以上時間がかかるコンボやコントロール志向のデッキと相性が良い
・場に残った時に迅速に勝利に貢献する
・出てすぐ仕事をする上にカード枚数差も付くので、返しに除去されても大きな問題になりにくい
・ライフ回復があるので登場が間に合いさえすればライフを攻めてくるマッチアップにも強い
・黒ダブルの8マナと(《セラの使者》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》等と比べれば)まだハードキャストが現実的なラインである
…と書き出してみれば枚挙に暇がありません。
6/6とファッティにしては比較的小振りなサイズで除去耐性も無いので流行の《力線の束縛》や昂揚を達成した《邪悪な熱気》等で簡単に対処されてしまう点、ピンポイントメタである《万物の姿、オルヴァール》や《幻影の像》のようなコピーカードに非常に弱いといった欠点もありますが、それらを差し引いても大変理想的なフィニッシャーです。
能力は対戦相手を対象に取るので《神聖の力線》を置かれていたり対応して《夏の帳》されると何も能力のない6/6飛行に成り果てるのは必ず覚えておく必要があります。
枚数は検討の余地がありますが、手札入れ替えも多く入っているので《頑強》や《裂け目の突破》が入っている構築では4枚で良いかと思います。それらが無い場合は3枚も視野に入りますが、ゲーム中盤以降に本体を多く引いてしまい《不屈の独創力》X=2で《残虐の執政官》が2体出せない場面が頻発するためコンボ成立時の盤面解決力、決定力に大きな支障が出ます。
…と思っていましたが最近の【5c不屈の独創力】界隈ではブラッシュアップが盛んで《残虐の執政官》3枚採用も見られるようになってきています。前述の場面の発生率よりも序盤での素引きを嫌った構築ですが、それでも2以上枚引いてしまったら少し泣きましょう。
序・中盤で無暗にこのカードを捨ててしまうのではなく《鏡割りの寓話》や《プリズマリの命令》での宝物生成も併せてデッキ全体でハードキャストをサポートするプランが好みという事もあり、自由枠のカード選択もそこに寄せたものとなっています。
4 《不屈の独創力》
【不屈の独創力】のキーカード。この手のカードの例に漏れず解決前に対象になったパーマネントが場から消えるとコンボが妨害されてしまうのでお膳立ては必須です。
・他のカードと併せてプレッシャーをかけ相手のフルタップのスキを突く
・クリーチャー除去を受けない宝物トークンを対象にする
・《時を解す者、テフェリー》で相手のインスタントを封印する
・単体除去が匂う場面ではXの数字を大きくする
などのあらゆる工夫で相手の妨害を潜り抜けましょう。
また大事なテクニックですが、なんと相手のカードも対象に出来ます。主要なコンボパーツでありながら《罠の橋》《倦怠の宝珠》のようなコンボを妨害するアーティファクトを擁する対【無色プリズン】【トロン】のマッチアップで非常に輝く一面もあります。
1 《異形化》
5枚目以降の《不屈の独創力》。アーティファクトを対象に取れない、X=1相当でしか打てない等のデメリットこそあれ、本来替えが利かないはずの5枚目のコンボパーツが入っている事はとても大きく、試行回数を重ねれば重ねる程1枚入っている恩恵を感じられるカードです。
ちなみにこれも相手のクリーチャーを対象にする事が可能で、さらに追放なので死亡時能力を無視することも可能です。使ったこと無いけど
4 《レンと六番》
モダホラ犯罪グループ代表。《悪鬼の血脈、ティボルト》は泣いていい。【不屈の独創力】は基本的に4t目以降に《ドワーフの鉱山》等から出したトークンを対象に始動することが多く、フェッチランドを回収できる《レンと六番》はそのサポート役として獅子奮迅の活躍を見せます。
《呪文貫き》や《夏の帳》によるサポート、手札に来た《残虐の執政官》のハードキャストを目指すため中盤以降も毎ターン滞りなく土地を置きたいこのデッキは《レンと六番》の需要がとても高いです。
+1、-1能力がよく注目されがちですが奥義も非常に強力で、戦場が膠着していれば《不屈の独創力》を打たずとも墓地の《稲妻》や《プリズマリの命令》を相手本体に連打するだけで勝利する事が可能です。ソーサリーかインスタントの本体火力が入っているデッキでは《レンと六番》を守り抜く事がゲームのサブプランとして計算できます。
当然ですが可能な限り2ターン目に置きたいカードなのでマリガンチェックでの最重要キープ基準です、《不屈の独創力》と同じかそれ以上に大事なカードです。
2 《時を解す者、テフェリー》
マナさえあればいつでもインスタントをプレイできるMTGというカードゲームのルールと相手プレイヤーの脳を破壊するとんでもないカード。ついでに《衝撃の足音》や《死せる生》なんかも打てなくなるので解決さえ出来れば続唱系デッキにも劇的に刺さります。
打ち消しも含めた相手のインスタントタイミングでの妨害を全て禁止するMTG史上最強レベルの常在型能力を持ちながら+1、-3能力もまた凶悪な強さを誇り、インスタント除去で簡単に《不屈の独創力》を妨害されてしまうこのデッキに5色目の白を足すとても大きな理由となります。
常在型能力の他にも-3能力でドローを進めつつ大抵のパーマネントに触る事ができるので《力線の束縛》《神聖の力線》《ウルザの物語》等を擁したデッキにとても強く、トークンや伝説のパーマネントを対象にしたこちらの《力線の束縛》を回収して再利用する事も可能とデッキ全体で見た相性も良好です。-3能力は対象を取らなくてもドローのみできる事、能力である《天上都市、大田原》でのバウンスは妨害出来ない事は忘れないように。
単体でのカードパワーがとても高く3枚以上入れたいカードなのですが色拘束が重くキャストするターンに《力線の束縛》や《呪文貫き》を同時に構えられないなんてこともザラなので、採用枚数は2枚に留めています。
4 《鏡割りの寓話》
水道からヤクをガブガブ飲んでバキバキに幻惑っている頭がおかしいバグカード。僕はもうこのカードを使わずにモダンをプレイする自信がありません。持ってない人は今すぐ4枚買ってデッキに入れましょう!キキジキ最高!キキジキ最高!キ
値段を除いて書いてあること全てがあまりにも強いカード。
このデッキでは特に攻撃時に宝物トークンを生成するⅠ章のゴブリン・シャーマントークンの価値が高く《不屈の独創力》の種や《残虐の執政官》のハードキャストにも大いに貢献してくれる他、本来致命的なはずの《血染めの月》すら強引に乗り越える事が可能です。
Ⅱ章の手札入れ替えももちろん強力で、《レンと六番》が維持できていれば余ったフェッチを捨てればいいので実質0マナ2ドローです。
Ⅲ章のキキジキトークンでの《残虐の執政官》コピーはさすがにほぼ決まらないです。しかしながら0マナで《不屈の独創力》の種を出しつつ相手に対処を強要しているだけでも強力で、これに除去を打ってくれるのであれば十分にお釣りが来ます。
《稲妻》と同様なぜか赤シングルシンボルなのでハードマリガンや手札事故にも強いです。モダンでの3マナは少し重めな事と手札入れ替えにタイムラグがある事がネックになりますが、【不屈の独創力】の地力を大きく底上げしている1枚です。
4 《力線の束縛》
基本土地タイプさえ揃っていれば白1マナで何でも触れるスーパー除去カード。しかも瞬速。もはやクリーチャー以外も触れるモダン界の《剣を鋤に》じゃないだろうか。当然ですがキャストには白マナが必要なので、白マナ担当のトライオームはなるべく早めにタップイン処理しておくのが吉。
相手の《耐え抜くもの、母聖樹》や《力線の束縛》が当たってしまったりアグロ対面では土地のタップイン&ショックイン込みだとライフ支出は通常の単体除去とそう変わらない部分もあったりと、意外と信用が置けない部分もあります。
そもそもこのカードを再序盤の軽い除去として計算するにはフェッチランドで上手く基本地形タイプを揃えることが前提で、土地トラブルを起こした場合最悪3マナ以上で《忘却の輪》以下のカードと化すので全幅の信頼を寄せるには程遠いです。そのため有効に働かないメタゲームでは枚数を減らす選択もあり得ます。《剣を鋤に》の壁は厚かった。
4 《稲妻》
モダンでは皆様お馴染みの1マナ3点火力ですが、コンボ構成パーツと同じくらい大事だと思っているカードです。このデッキは必ず土地から赤マナが出るのでどんな土地を引いていても最序盤から除去として計算する事が可能で、コンボデッキの永遠の悩みの種のマリガンにとても強くなれるカードです。フェッチを2枚引かないと打てない《力線の束縛》も少しは見習え
どんなコンボデッキもコンボを決めるまでに死んでは意味がありません。土地をたくさん並べる、《不屈の独創力》を引き込む時間を稼ぐ、ライフやPWを守る…などなど1マナと軽く使い勝手が良くどのアクションとも合わせて使いやすい《稲妻》は大いにそれらの助けになります。
コンボ成立を優先して他のカードに枠を譲り3枚採用の人も多いのですが、個人的には4枚搭載することを推奨します。他のカードと併せてプレイするのも容易で相手の本体やPWにも打てるため腐るマッチアップが少なく、不要な場合はサイド後にもっと有効なカードと入れ替えればいいだけの話です。
3 《プリズマリの命令》
単体では弱めのモードが4つのカードでも、同時に2つ選べるインスタントになった瞬間超便利なカードになる辺りこのゲーム面白いと思います。
手札入れ替えと宝物トークン生成だけでもいつでも腐る場面はない優秀なコンボサポートカードですが、2点火力とアーティファクト破壊も非常に便利で枚数次第でトップメタの【ハンマータイム】とのマッチ相性差すら激変させます。インスタントである点も非常に重要で、相手の動きを見届けたうえでエンドにコンボの準備をできる点や宝物トークンで相手の計算を乗り越えていくのが非常に強力です。また【カウンターモンキー】や【青白コントロール】といった青いデッキが相手だと《頑強》での始動を嫌った対戦相手の打ち消しを釣り出す役割もあり、1枚でできる仕事がとても多いです。
手札入れ替えはこれだけでは何のアドバンテージにもなりませんが、《鏡割りの寓話》と同じく《レンと六番》から使えば単純2ドローですし、インスタントなのであちらと異なり妨害を構えたいマッチアップでのメインフェイズ中のタップアウトのリスクもありません。反面クリーチャーへの除去としては3マナ2点火力とリミテですら採用するか躊躇するレベルで弱いのでこれをあてにキープすると地獄を見ます、アグロ系デッキが怖い時はマリガンでしっかり《稲妻》《力線の束縛》を探しましょう。
《レンと六番》だけでは最終的に手札に土地があふれてしまう事が多く《苦々しい再会》も採用していないため手札入れ替えカードを4枚の《鏡割りの寓話》に加えてしっかり枚数を確保したかったのと、現在のリアル・MOのモダン環境に【ハンマータイム】対面が多く感じたので3枚採用としています。
4 《呪文貫き》
相手の非クリーチャー呪文に2マナ要求するだけ。正直テキストだけ見るととても弱いカードだといつも思っています。
能動的に相手に圧力を掛けられる【カウンターモンキー】、青が入った【ハンマータイム】や《呪文貫き》の本来の主戦場であるレガシー以下と異なり1~2マナの強力なスペルが限られているモダンでは、ただ《不屈の独創力》のバックアップとして何も考えず採用するだけではこのカードの本当の強さを活かす事は出来ません。
このカードを強く使うためには《不屈の独創力》成立までの相手の繰り出してくるスペルを予測しておくのが必要で、適当に打てるタイミングで相手のカードと1:1交換してしまったり土地が並んで自然にケアされる前に手札入れ替えカードで捨ててしまう事も一考しましょう。
・後攻時に相手の《レンと六番》を打ち消しながらこちらの《レンと六番》で切り返す
・相手の最速ターンでのコンボ成立を防ぐ
・続唱系デッキ相手に強力な遅延をかける
・2マナ払わせるのが強い場面で相手のプレイに圧力を掛ける
といった使い方ができると強力です。
この役割は他のカードでは替えが利かない上に序盤で欲しいカードですので多くの枚数の採用となっていますが、固定枠でも何でもないと思ってます。採用しているリストが多いためにケアされる事も多く、この枠はもっといいカードが無いか試行錯誤しています。
2 《火//氷》
自由枠のユーティリティカード。単体は弱いけど《敏捷なこそ泥、ラガバン》デッキにもコントロールにも腐らない、以上。
弱いとは言いましたが、このデッキは土地が並べば並ぶほど相手の様々な妨害をかいくぐって《不屈の独創力》を決めやすくなるので、《火》で再序盤のクロックを処理しないとならない場面以外はアップキープ《氷》で土地を寝かせて相手のアクションを妨害するために採用されています。いつでも嬉しいキャントリップが付いているのも〇。
エンド前に《対抗呪文》を構えている相手の青マナを寝かせる、ミラーで出てしまった《残虐の執政官》のアタックを妨害したり1章解決前の《ウルザの物語》からマナを出せなくしたりとうまぶり大好きプレイヤーには堪らないカードです、うまぶりチャンスをお見逃しなく!
1 《死亡//退場》
《稲妻》4枚だけでは最序盤の除去が足りず相手の先行1ターン目《敏捷なこそ泥、ラガバン》に屈するマッチアップが多かったので増量した1マナ火力枠です。
他の【5c不屈の独創力】のリストでは《噴出の稲妻》になっている事が多い枠ですが、本体に打てる点を加味してもキッカー込み5マナは到底払う機会が無い点と《濁浪の執政》や《ウルザの物語》産の巨大な構築物トークン等の大型クリーチャーに対処できる点を考慮してこちらを採用しています。
以下土地カードの解説です。
最速でのコンボが起動できなくなるので基本的に山とフェッチランド以外の土地を入れてはいけません。また《残虐の執政官》のハードキャストも視野に入れているので、フェッチランドから持ってこれる土地のうち最低2枚は黒マナが出る必要があります。
4 《沸騰する小湖》
3 《血染めのぬかるみ》
3 《樹木茂る山麓》
2 《乾燥台地》
各種フェッチランド。
機能的には山さえ持ってこれれば何でもよいのですが、個人的に持っていれば《沸騰する小湖》と《血染めのぬかるみ》を優先して採用した方が良いと考えています。
《樹木茂る山麓》と《乾燥台地》は【4cエレメンタル】等の他の《レンと六番》デッキでも使われているフェッチなので、後手で対戦相手に《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ドラゴンの怒りの媒介者》《エスパーの歩哨》といったタフ1のクリーチャーをプレイする事を躊躇させてしまいます。それでなくとも《沸騰する小湖》と《血染めのぬかるみ》は前情報無しならデッキも判別しにくいフェッチですのでこれがベターです。
《ドワーフの鉱山》に直接アクセスできる強力な選択肢でもあるので、コンボ成立前にただのデッキ圧縮・タップイン処理を目的に不必要に起動しないようにしましょう。
1 《ザンダーの居室》
1 《ジェトミアの庭》
各種トライオーム。唱えないといけないカードの順番の関係上絶対この組み合わせである必要があります。
・《ケトリアのトライオーム》&《サヴァイのトライオーム》
《サヴァイのトライオーム》の色があまりにも弱すぎます。《力線の束縛》を目当てに1t目に持ってくる場合他の役割がほぼ持てず、かと言って《レンと六番》の緑のために《ケトリアのトライオーム》から持ってくるとなると白が出ないので《力線の束縛》が最速で1マナで打てません。
・《ラウグリンのトライオーム》&《ジアトラの試練場》
こちらの場合も《ジアトラの試練場》の色が弱いです。《ラウグリンのトライオーム》はバックアップの《力線の束縛》《呪文貫き》のどちらも打てるためとても良い色の組み合わせなのですが、どちらも同じ1枚の土地から色を出さないといけなくなるので中盤以降同時に構えるために白か青のショックランドもその都度持ってくる必要が出てしまい、ライフ支出にロスが生じます。
2 《蒸気孔》
1 《踏み鳴らされる地》
1 《血の墓所》
1 《聖なる鋳造所》
各種ショックランド。《蒸気孔》のみ2枚採用となっているのは《呪文貫き》《時を解す者、テフェリー》《プリズマリの命令》を採用している関係で青シンボルが少し重めなのと、素引きして1枚既に手札や場にある状態でもフェッチランドからトライオームのタップインを狙いつついざという時には《呪文貫き》を必ずプレイしたいからです。
《呪文貫き》は強いタイミングが限定されているカードなので、正しい場面でプレイ出来ないと8ターン目まで唱えられない《残虐の執政官》と併せてデッキにゴミカードが2種類も入っている紙束になってしまいます。
《血の墓所》は《残虐の執政官》用です。それまではデメリット付きの《山》ですので初手に来ないように祈りましょう。
1 《山》
基本地形。《ドワーフの鉱山》は4ターン目以降ならアンタップインとなるのでライフとトークンの温存以外で採用する理由はありません。
それでもなお採用しているのはリアル・MOの環境でどちらも【バーン】【LO】が一定数存在しているためです。最近では【赤単サーガ】の台頭もあり、迷ったら採用しておく方が無難でしょう。
4 《ドワーフの鉱山》
単体では山が2枚以下だとタップインするデメリット持ちの《山》ですが、3枚以上なら1/1のおまけが付いてくる《山》。山でもあるので赤いフェッチランドからいつでもアクセスできるのが大きく、このトークンと本体火力だけでゲームに勝利する事も間々あります。
当然ですが4枚しか入ってないのでトークンを雑に使うといざという時に後悔します。「このターン持ってくる土地何でもいいんだけど、痛くないしトークンもおまけについてくるから《ドワーフの鉱山》にしよう!」なんて舐めたプレイをしていると、いつか必ずマジックの神様から天罰を食らいます。
《血染めの月》は言うに及ばず、場の山の数を減らしてくる《広がりゆく海》や《激浪の形成師》には弱いです。さらにトークンが出る条件はこれ自身がアンタップインで戦場に出る事なので、《エメリアのアルコン》や《異端聖戦士、サリア》は天敵中の天敵です。注意しましょう。(1敗)
5.サイドボード解説
2 《狼狽の嵐》
主に【カスケードクラッシュ】【リビングエンド】【明日への瞥見】といった続唱系のデッキにサイドインするカードです。
これらのデッキは構造上《夏の帳》が採用できず、打ち消しに対する打ち消しも《否定の力》と《神秘の論争》しかありませんのでサイド後は《呪文貫き》よりもずっと信頼できるソフトカウンターになります。
3 《自然の要求》
【ハンマータイム】に代表される《ウルザの物語》デッキや《探検の地図》擁する【トロン】、ほか雑多な置物対策。
詳しくは後述しますがこのデッキには《耐え抜くもの、母聖樹》を採用していないので、その穴埋めも兼ねて最序盤に引きたいので多めの枚数の採用となっています。《ウルザの物語》に打つと1マナの《石の雨》になりますので積極的に狙っていきましょう。
また自分の宝物トークンや《力線の束縛》に打てば4点回復できます、自分もこれで何回も勝ちを拾っているので必須のテクニックです。
3 《夏の帳》
青と黒の基本戦略を完全否定するとんでもないカード。続唱系デッキでは採用できないこのカードも、ソーサリー・インスタント呪文に制限の無い【不屈の独創力】なら使いたい放題です、悩んだらとりあえず青と黒のデッキに入れてやりましょう。
打ち消し、バウンス、ハンデス、黒い除去を弾くといった普通の使い方も強いですが、このデッキの天敵であるサイド後の《万物の姿、オルヴァール》を一番簡単にケアできるカードでもあります。
また対【マーフォーク】でも絶大な威力を発揮し、先打ちすれば《ヴォーデイリアの呪詛抑え》も全く意に介しません。同デッキで他に採用されている妨害は《四肢切断》《天上都市、大田原》程度なのでそれさえ乗り越えれば《否定の力》《万物の姿、オルヴァール》も込みの完全ケアです。
反面対【LO】ではこちらを対象に取らないデッキ破壊カードも多々あるので注意。
2 《嵐の乗り切り》
【バーン】【青赤果敢】【赤単サーガ】【ストーム】等の見た目通りに使えるデッキにサイドイン。上手くはまった時のライフ回復量はかなりものです。他には《花咲く沈静》や《黄昏の享楽》なども候補。
3 《虚空の力線》
下環境おなじみの墓地対策カード。後半引いてしまっても手札入れ替えカードで捨てられるため無駄にならない。
【不屈の独創力】は構造上《忍耐》や《大祖子の遺産》のようなクリーチャー・アーティファクトカードを入れる事が出来ず、《レンと六番》で自分も墓地を利用するため、採用できる墓地対策カードがかなり限られています。《虚空の力線》は設置するのにマナがかからずこのデッキが苦手とする最序盤の攻防にも大きく貢献してくれるカードな上に、要らない場合は《鏡割りの寓話》や《プリズマリの命令》のような手札入れ替えカードで有効牌可能…とデッキ単位で見た相性も良好です。
2 《神聖なる月光》
主にミラー、【ヨーグモスコンボ】、続唱系のデッキ等にサイドインします。打ち消しでも青い呪文でもないので《夏の帷》や《神秘の論争》に引っかかりにくく強力なトークンを出す《鏡割りの寓話》や《ウルザの物語》などにも強いため対策できる範囲が広く使いやすいカードです。キャントリップ付きなので必要ない場面でも安心。
ちなみに想起でのプレイは0マナですがしっかり唱えているので妨害できません。(1敗)
6.採用しなかったカードの紹介
・《頑強》&《苦々しい再会》
《頑強》は墓地に《残虐の執政官》を用意することさえできればわずか2マナでこれを踏み倒せる強力なリアニメイトカードで、《不屈の独創力》と異なり単体除去でコンボを妨害される恐れもありません。《苦々しい再会》は早いターンに手札から《残虐の執政官》を捨てる事の出来るカードで速攻付与のおまけもよく噛み合っています。
しかしこのデッキの《頑強》は【リアニメイト】の《無名の墓》のように確実にファッティにアクセスできるカードが何も入っていないのでとても腐りやすいカードです。手札入れ替えカードでデッキの中に最大4枚しか入っていない《残虐の執政官》を素引きした際に捨てるというプレイのリターンを担保するために用意されているだけのカードに枠を割けませんでした。
一般的な【不屈の独創力】のサブプランとしてあまりにも有名過ぎるので、サイド後に対戦相手が墓地対策カードを投入してくる確率は100%でこのカードの価値はさらに下がります。早いデッキ相手にマリガンを繰り返して要求値の高い《頑強》ルートでの勝利を目指すくらいなら、メイン・サイドからしっかりそれ専用のカードを入れた方が1枚引くだけで試合が作れるので何倍も建設的です。
・3枚目のトライオーム
デッキに既に2枚のトライオームと4枚の《ドワーフの鉱山》という6枚のタップイン土地が入っている上に【赤単サーガ】【マーフォーク】のような序盤の攻勢が激しいデッキが増加した影響もあり、これ以上タップインの土地を増やす事が出来ません。
序盤のタップインに時間を費やして自分の動きを優先しタップアウトでターンを返すと《呪文貫き》や《力線の束縛》がそのターン構えられなくなり相手視点で見たプレイが簡単になってしまうので、
自分はタップインから中盤以降《不屈の独創力》を目指す
↓
相手はこちらがタップインしてる間にクロックや脅威を展開し、残ったターンは妨害を構える
↓
妨害に対する《呪文貫き》も2マナ払う余裕を与えてしまいクロックの処理も間に合わず負け
となり容易に負けパターンを作ってしまいます。
・《耐え抜くもの、母聖樹》
山でないのと値段が最大のネックです。使い回せる《レンと六番》が入っている以上このカードを採用したくなる気持ちは痛いほど分かるのですが、最序盤に十分量の土地を引けずどうしても土地として盤面に出さないといけない場合は往々にして存在し、そういった余裕の無い土地状況を強いられるマッチアップほど試合展開が早く相手もこちらをコンボ成立前に倒そうとタップアウトで動いてきやすいので最速4ターン目での《ドワーフの鉱山》→《不屈の独創力》が出来なくなってしまう事は勝敗の分水嶺となります。
サイド後の置物や《ウルザの物語》対策としてもわずか1マナで相手に余計な土地を与えない《自然の要求》の方が遥かに強く、そもそもデッキに《頑強》を入れていないので相手の墓地対策の置物は《レンと六番》への影響を除けば構築の時点で完全にケア出来ています。他にどうしても欲しかったマッチアップが【トロン】くらいしか無かったので思い切って不採用としました。
・《裂け目の突破》
【不屈の独創力】は踏み倒す先のカードがデッキに入っている以上、それらの踏み倒し先を手札に引いてしまった場合の処理方法を考えておく必要があります。もちろん手札入れ替えカードで捨てたりハードキャストまで耐える事が出来れば理想ですが、モダン環境には高速デッキも多く現実はそう上手い事は行きません。手札から直接《残虐の執政官》を捨てる事がほぼ必須の《頑強》は《苦々しい再会》といった半ば専用カード込みですら腐ることが大変多かったのでそれを嫌い、代用案を探した結果行きついたカードです。
5マナと非常に重いのが玉に瑕ですが《頑強》と異なり墓地対策カードにも引っ掛からず速攻も付くので、攻撃時にも効果が誘発する《残虐の執政官》との相性は抜群です。インスタントなのとメインルートである《不屈の独創力》と異なり下準備のトークンすら必要無い事も魅力的で、1ターン限りとはいえ相手の計算を狂わせて《残虐の執政官》を降臨させ大きなアドバンテージを取ることが可能ですが、それ自体の採用枚数を抑えたので他のカードに枠を譲りました。
どれだけ魅力的でも《頑強》とは絶対に併用してはいけません。中盤の手札入れ替えカードで《残虐の執政官》を捨てるのかどうかが完全な運ゲーになってしまいます。
・《集団的蛮行》
《残虐の執政官》を捨てる役割は《頑強》が入っていないので不要なのに加え、黒マナを要求する事が少ないので【バーン】戦で黒マナをわざわざ持ってくるのが弱いです。
・《兄弟仲の終焉》
アーティファクト破壊モードは必要な場面が見当たりません。全体3点モードはアグロ系のデッキや【マーフォーク】に非常に効果的なように見えますが3マナの全体火力は重過ぎて《頑固な否認》や《否定の力》の格好の的となってしまいます、打ち消されたらほぼそのゲームは落とすでしょう。
・《入念な栽培》
最速3ターン目で突然《不屈の独創力》を成立させることができますがそれ以外の役割が無く中盤以降ゴミです。せめて宝物だったら…。
・《残虐の執政官》以外のフィニッシャー
自分がプレイしている限り対【LO】の《引き裂かれし永劫、エムラクール》以外必要だと感じた場面がありませんでした。そもそもサイド後に《残虐の執政官》以外のカードを入れてしまうと《不屈の独創力》の結果にムラが生じるのでよほど必要でない限りは入れるべきではありません。《屍呆症》《漂流自我》《石の脳》のようなロボトミー系のスペルもカード自体が弱く、気になる場合でも《石の脳》以外は《夏の帳》で回避できます。
《万物の姿、オルヴァール》があまりにも流行り過ぎた場合、サイドから《残虐の執政官》を全抜きしてフィニッシャーを変えてしまうプランもあるにはあります。
7.このデッキの弱点
弱点の無いデッキは存在しません。
・【バーン】【赤単サーガ】【果敢系】【版図Zoo】等の高速でこちらのライフを攻めてくるアグロタイプのデッキ
いくら1マナ除去を積もうがコンボデッキの常で高速アグロタイプのデッキには不利が付きます。しかもこのデッキはトライオームとショックランドがデッキの中に大量に入っているために終盤相手の《稲妻》を耐えるライフがありません。現在サイドに《嵐の乗り切り》が入っているのはこのためです。
特に《溶岩の投げ矢》が入っている果敢系のデッキは最悪で、これが墓地に落ちると山を生贄にされるだけで1/1トークンを焼かれてしまうので《時を解す者、テフェリー》か宝物トークンが無いと絶対にコンボが成立しなくなってしまいます。
ちなみに【カウンターモンキー】【マーフォーク】等のクロックパーミッション系のデッキはメイン・サイドともに単純な除去の枚数だけなら多いので、対戦相手の力量にもよりますが相手をしっかり減速させられるなら《呪文貫き》《夏の帳》込みでコンボ成立が間に合います。
・【アミュレットタイタン】【ヨーグモスコンボ】【リビングエンド】等のこちらよりも高速でコンボを成立させるタイプのデッキ
【5c不屈の独創力】はコンボデッキでありながら実際はフェアデッキに近い運用を行うデッキです。高いデッキの安定性・対応力と引き換えに《頑強》を考慮しないならコンボの成立には最低でも4ターン以上の時間がかかります。そのためこれらの高速コンボには《呪文貫き》やサイドカードを引いて妨害できないと先にコンボを決められてそのまま完走されてしまいます。特に相性が悪いのは【アミュレットタイタン】と【ヨーグモスコンボ】の2つで、どちらもコンボの核がクリーチャーなのでこちらの主なコンボ減速手段である《呪文貫き》で直接的な妨害ができません。
前者は《呪文貫き》が有効に使えるのが最序盤の《精力の護符》のみで専用サイドの《万物の姿、オルヴァール》まで搭載されています。後者に至っては序盤から《稲妻》で除去できない不死クリーチャー達にボコ殴りにされてライフを攻められるのでこちらもコンボ成立を優先したプレイをせざるを得ないため《呪文貫き》で《異界の進化》《召喚の調べ》を妨害するのが難しく、メインルートの《スランの医師、ヨーグモス》の擁立がそのままこちらのコンボへの妨害になってしまう…と恐らくモダン環境に数多く存在するデッキの中でも相性最悪のマッチアップです。《虚空の力線》をありったけサイドインして都合の良いドローを祈るしかありません。
8.最後に
書きたいことを全て書いていたら需要が怪しい環境末期の完成になってしまい、またもや想像以上に文章量が多くなってしまいました。
『ファイレクシア:完全なる統一』の発売で新環境もスタートしますが、【5c不屈の独創力】的注目カードはやはり《機械の母、エリシュ・ノーン》でしょう。
相手の《孤独》《力線の束縛》《邪悪な熱気》で除去することができないので除去耐性は相当なもので、自分の《ドワーフの鉱山》からはトークンが2体、《力線の束縛》は2枚除去になります!
《残虐の執政官》も2回誘発するので《不屈の独創力》X=2でこの組み合わせが出てもコンボの威力が落ちず《屍呆症》などにも耐性を持たせられる上に、自身は白シングルシンボルの5マナとハードキャストも容易とメタゲーム次第では面白い選択肢になりそうです。能力盛り過ぎで誰も警戒に気付かない
今回の記事を執筆するにあたり、またまた友人のたかやねず氏(@takayanezu MTG エターナル・ウィークエンド・アジア2018 モダン部門チャンピオン他)にnoteの使い方のご指導や記事構成のアドバイス、校正・校閲他多大なるサポートを頂きました。ここに多大なる感謝を申し上げます。
長文に最後までお付き合いいただいた事に、最大級の感謝を示したいと思います。ここまで読んでくれて本当にありがとうございました。感想や意見がありましたらぜひお気軽にtwitter(@WF35)にお願いします。
それでは次はMOかテーブルトップの大会でお会いしましょう!
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