【感想】アークナイツ:エンドフィールドのゲームデザインについて【βテスト】
はじめに
エンドフィールドのβテストに参加したという話
運よくエンドフィールドのβテストに参加することが出来たので、自分なりに掘り下げた感想の記事を執筆しようと思いました
どうでもいいですがパンダが爆速で完凸しました
☆5キャラが4連続パンダってどういう確率だよ…
本記事はβテスト参加の初日、プレイ時間にして5時間強時点での感想記事です
本記事で取り扱う内容とそうでないもの
本記事ではエンドフィールドのゲームサイクルを中心としたゲームの遊び部分について深く取り上げていきます
グラフィック/キャラクター/ストーリーについては言及しません
あくまでもゲーム性に特化した内容になっています
早速、エンドフィールドのゲームサイクルのかたちから説明していきます
ゲームサイクルの三本柱
エンドフィールドでは下記3つの要素でゲームサイクルを回しています
探索
戦闘をするにもクラフトをするにも、まずは探索をしなければ始まりません
徘徊するザコ敵を見つけたり、戦闘コンテンツを発見することで戦闘に突入し、マップ上に散らばっている素材を集めてクラフトの準備をすることが出来ます
クラフト(工業シミュレーター)
採集した素材を用いてさまざまなものをクラフトしていきます
戦闘に必要な防具や回復アイテム、探索に必要な建築物やアイテムを作成することで更に困難な戦闘や深い探索に足を踏み入れることができるようになります
戦闘
このゲームサイクルの最終層に位置するのが戦闘です
探索もクラフトもすべては快適な戦闘を行うためであったり、より強力な敵に挑むために存在します
そしてストーリーの敵を倒していけば探索範囲が広がりますし、時にはクラフト用の素材をドロップすることもあります
ゲームサイクルの感想
ゲームサイクルはキレイに回っている状態です
ゲーム序盤はクラフト要素が薄く、少々面白みが欠けている印象でしたが、ここにクラフト要素が追加されていくことで、時間が溶けていく”沼のような”ゲーム体験を味わうことが出来ました
1時間だけやろうとか思ってプレイし始めたら、いつの間にか2時間経過していたりしたことも…
次に個々の要素の感想を記載していきます
探索
探索の感想
特に言うことはありません
全体的に高水準にまとまった優等生のような印象です
あの素材が欲しいと思ったときにマップを開けば、どこで何が採取できるのかが開示されておりストレスが少ないです
行き着いた先には大抵何かしらの報酬が用意されており、プレイヤーを裏切るようなことは少ないでしょう
強いて難点を挙げるならアイテム入手の操作感でしょうか
設備へのアクセスと同じボタンなので、素材と設備が近いと誤爆しやすいですし、結構近づかないと拾えないため砕いた鉱石や宝箱から散らばった素材を集めるのに微妙に時間を要します
とはいえ、この辺りはパラメーターやキーバインドを調整すればいいだけのことなので、そこまで致命的な問題とは言えないです
電力を繋げるというエンドフィールドならではの要素
エンドフィールドではオープンフィールドに電源に接続されていないスタンドアローンな設備がいくつか配置されています
プレイヤーはケーブルが届く範囲内で電柱をどんどん敷設していくことで、オープンフィールドの隅々まで電力を行き渡らせることができ、それらの設備を起動できるようになります
電子扉の開錠だったり、ジャンプ台の起動などです
また、自動採取の設備や、戦闘を補助してくれる設備をクラフトすることで、それらを適所に配置して運用することもできます
特に自動採取の設備が優秀で、手動で採取するのが面倒くさい素材を勝手に集めて倉庫に送ってくれるので、電力やクラフトの手間がかかるぶんだけ自動化に至った時の解放感は格別でした
逆に戦闘を補助してくれる設備はゲーム的な設計の片手落ち感が強く、プレイヤーが能動的に活かすのが難しくなってしまっていました
というのも、エンドフィールドの戦闘は基本的に殲滅戦になるため、こちらから敵の居場所に出向いて戦うことになります
この時に「動力源を置いて」「電柱で電線をつないで」「動力源の範囲内に戦闘補助の設備を置く」という多くの手間がかかる作業を敵グループ毎におこなうのは現実的ではありません
また、設置作業中に敵に発見されて戦闘になる可能性もあります
こうした戦闘補助の設備はそれこそ本家タワーディフェンスのように「今は敵が居ないけど、そのうち敵が通過する場所」に置くことで機能させることができます
このあたりは開発も把握していたようで、アクセスすると敵が出現するような裂け目が各所に用意されており、場所によっては援護射撃してくれる設備が既に配置してあり、あとは電力を用意するだけでOKというお膳立てをしてくれているところもありました
しかし、出てくる敵が普通にキャラクターの攻撃で対処できる程度のものが多かったので、自分から積極的に戦闘補助の設備を使用したいというシチュエーションは見つかりませんでした
恐らく戦闘中にワンボタンで配置できるとか、操作を簡略化しないと戦闘に取り入れるのは難しいと思います
そういった意味で参考になりそうなのはWildHeartsの”絡繰り”でしょうか
戦闘中に2ボタン程度の操作でオブジェクトを配置し、配置オブジェクトの組み合わせによってさまざまな効果に変化するというような要素です
移動の楽しさについて
これについてはプレイヤー各々に意見があると思います
ダッシュを早くしてほしい、パラセールが欲しい、崖登りが欲しい辺りがパッと思いつくでしょうか
個人的にはこの辺りは探索本来の楽しさなどを損なう可能性があるので、諸手を上げて賛同することはできません
ダッシュを早くしてしまうと、乗り物などの追加要素が実装しにくくなってしまいますし、パラセールや崖登りに関しては探索の解法の一極集中を招く可能性があります
特にパラセールに関しては崖登りとセットにしないと探索のブレイクスルーとしては機能し辛いです
崖登りで不当に高所に到達できるからこそパラセールが活きるのであって、単にパラセールだけを実装してしまうと「開発が用意した簡単に登れる足場でしか活躍できない要素」に成り下がってしまいます
クラフト
クラフトの感想
クラフトはこのゲームで一番楽しい要素です
探索で挙げた電力供給に関してもクラフトが中心となっている要素ですし、採取>加工>収容の作業をベルトコンベアを利用することで完全に自動化できるのは楽しいです
アークナイツ本編の基地の収支表を見て気持ち良くなっている層にはかなり刺さると思います
そちらで例えるなら、上手くやれば「基地への人員配置~休息のローテションが自動化できる」といったような革命が起きます
例えば「植物を砕いた粉と、鉱石を加工した入れ物を組み合わせて、戦闘で使用できる回復薬」を大量生産する場合の自動化までの手順は下記のようになります
人によってはめまいを起こしそうな複雑な手順ですが、この辺りの自動化を成立させることが楽しいタイプにとっては最高の遊び場になります
更にエンドフィールドは各種設備のサイズやベルトコンベアのラインを”限られた範囲にしか置けない”という制約によってゲーム性を持たせています
どのような並びで設備を配置すればキレイに収まるのか、或いはさらに多くの加工に手を出せるようになりそうかを検討するのは楽しい時間ですが、極端に面倒くさいと感じる時もあります
先の見えない機能拡張によるストレス
当然ですが攻略の進捗に応じて新たなクラフトのレシピが追加されていくため、その時々で”作りたいアイテム”が異なります
そうした変化が訪れると当然「自動化している部分の再検討」が必要になります
前述の通り、クラフトの各種設備は限られた範囲内に収める必要があります
そのゲーム性を担保するため、クラフトの設備を配置できる場所の”数”はかなり少ないです
「新しいアイテム作りたくなったから新しくクラフトする場所を作るか~」が出来ないため、既に作成した制作ラインを解体し、現状にとっての最適な状態に再構築する必要があります
つまり”やり直し”です
1時間くらいかけた作業がやり直し…!?
いや~キツイですね!
という感じで、本来は嬉しいハズの機能拡張が結構なストレスになってしまっています
最終的には企業wikiによる「この配置が後々含めてド安定!」みたいな攻略記事が蔓延するんじゃなかろうかと思っています
戦闘
戦闘の感想
このゲームの最大の問題点はここです
なんなら開発も完全に迷走しています(前回のβからかなり内容が変わっている)
とにかく面白くないです
遊べるか遊べないかで言うと全然遊べるんですが、極端に面白みに欠けています
「開発がエンドフィールドの戦闘を通してプレイヤーに何を感じてほしいのか」が全く見えてこないのです
所謂”コンセプト”というものが不足している状態かと思います
…というように突き放すだけなら便所の落書きでOKとなってしまうので、今回はハイパーグリフが考えているエンドフィールドの戦闘のコンセプトを考察して絞り出すことに挑戦しようと思います
戦闘の要素
コンセプトを絞り出すために最初に要素を列挙します
コンセプトのようなものが大体見えてきましたかね
戦闘のコンセプト考察と改善案
意図が見出せそうな要素で挙げたものを見る限り、エンドフィールドの戦闘におけるコンセプトは”連携”のようなものだと言って良いかと思います
ガチャで入手したキャラクターを意図を持って組み合わせて運用することで、より大きなリターンを得られるという感じでしょうか
それを裏付ける要素としては、今回追加された(らしい)ジャスト回避の存在でしょうか
ジャスト回避などのタイミングの遊びはゲームの手触りの向上が狙えるため、手っ取り早く面白くしやすいです
しかし強力な回避手段を用意するということは”キャラクターの単体性能の向上”を意味します
このゲームのコンセプトと仮定している”連携”とは真逆の方向性に舵を切っているということです
ジャスト回避でひたすら戦い続けられるなら、別に仲間とか居なくても良くない?という発想です
ここでハイパーグリフが取るべき選択肢は安直なジャスト回避の導入ではなく、”キャラクター交代による防御手段の用意”だったのではと思います
例えばゼンレスゾーンゼロの極限支援(交代パリィ)、ゼノブレイド2DLCの交代時に赤ダメージの回復などが挙げられます
自分がエンドフィールドの仕様を考える立場だとしたら、「出場キャラ以外のスキルを発動すると、操作キャラを変更してスキル動作中は無敵状態になる」辺りでしょうか
操作していないキャラのスキルを押したら操作キャラ交代&無敵状態でスキル発動とすることで、バンバン交代しながらスキルを回していくことでDPSを出したり、敵の強攻撃に合わせて無敵で対処するという遊びもできるようなイメージです
ウルトは交代なしで無敵付きみたいな仕様で良いと思います
全員のウルトを同時に打って瞬間最大風速のDPSをたたき出すという遊びも気持ちよくはあるので
…という感じで感想を書いていて自分でも思ったのですが、正確な問題点は「ジャスト回避を実装したこと」ではなく「スキル使用の連携感が薄い」という点だと思います
現状開発から提示されているスキルの使用タイミングは「他のスキルをあてた直後」に集約されていると思います(状態異常の連鎖>物理で解除とか)
つまりペアになるスキルが溜まるまでは全く打つ必要が無いんですよね…
DPSを優先して先んじて打ってしまうとコンボが出来なくなるし
自分ならここに「スキルを使うと操作キャラが交代になる連携感」というコンセプトに沿った要素と、「交代スキルの際は無敵時間」という単体で成立する気持ち良いタイミングの遊びを加えることでエンドフィールドらしく楽しい戦闘に近づくのではないかと思いました
更に詳しく言うと、現状のエンドフィールドは”いつこのアクションをしてください”というようなシステムによる誘導が薄いです
するとどうなるかというと、自由度という言葉を人質に取った”無軌道な戦闘”がだらだらと展開されてしまいます
アクションのタイミングを誘導し、そのタイミングでアクションを実行できたユーザーを褒めることでゲームは楽しくなります
ジャスト回避なんかはまさにそうで、敵の攻撃タイミングに回避をすることで、なんかカッコいいエフェクトと共に敵の攻撃をいなすことができるから楽しいのです
さいごに
いかがだったでしょうか
エンドフィールド自体はかなり高品質なゲームだと思う反面、戦闘のゲームデザインが壊滅的という無視できない欠点を抱えています
製品版までのどこまで改善されるかはわかりませんが、製品版は自分も遊んでみたいと思いました
リリースが楽しみですね
以下駄文
個人的な感想を多分に含む細かい話
敵の攻撃がみえねぇ・・・
⇒攻撃予兆エフェクト小さすぎ
⇒敵のサイズが小さくてキャラで見えなくなる
⇒攻撃モーションの”ゲーム的な”クォリティが低い
⇒全体的に発生早すぎ
⇒無言で針飛ばしてくるサソリは絶許
⇒Dotを撒いてくるワームも相当ヤバイ神敵
ジャスト回避のリターン無さすぎるでしょ
⇒避けた後に何も起こらないので気持ち良くない
ZZZなら無敵切り返しとかがある
なんで戦技(スキル)に無敵無いんだ…?ゲージ吐いてるのに
⇒ベルギルタなんて適当にスキル打ったら被弾確定するから全然気持ちよくスキルを撃てない
⇒パンダもだいぶやばかった
敵の目の前で無防備に止まるのやばすんぎ
ペリカの必殺技(ウルト)の視界阻害がヤバすぎる
⇒塔が落ちてきて2秒くらい敵が見えなくなる
当然のように敵は怯まないので普通に塔の中から弾を飛ばしてきます
⇒ウルトくらい気持ちよく打たせろよ!!
スキルのリキャストがめちゃくちゃ見づらい
⇒画面の右下の端に配置してあるから戦闘中に確認する場合は敵から目線を切る必要がある
⇒そもそもスキルのリキャストが終わっているかどうかが視認し辛い
打ちたい時にとりあえず押してみるみたいな最低の操作感
⇒こんなUIで状態異常の組み合わせやらせようとしてるってマジ!?
⇒というか自分が仕様を勘違いしてるじゃん!!
スキルのポイントはパーティ共有だから関係ないわ!!
(でもウルトはキャラ毎で個別ゲージなので結局右下を見る必要はある)
⇒ということは2ゲージたまるまでスキルを撃てないってコト!?
遠距離キャラを全力で潰しに来る敵
⇒戦闘おもんないからギルベルタでグミ打ちや!ってぺしぺししていたら敵の群れの半分以上はプレイヤーキャラに真っ先に突進してきてびっくりしたよね
⇒楽したいプレイヤーを全力で咎めに来る姿勢には頭が上がりません
⇒前述の通りスキルのモーションが長すぎるのに無敵が無いから、適当にスキルを撃つとタコ殴りにされる
(最後の良心が働いたのか、スーパーアーマーはあるので開発も気づいていないわけではなさそう)
(当然のように回避キャンセルも不可能)
⇒こっちの遠距離攻撃にはクソ短い射程しかないのに、画面外から超射程の針を飛ばしてくるサソリはマジで…
敵の強攻撃をスキルで止める奴、予兆が短すぎないか?
⇒こいつのせいでスキルを気持ちよく打てない(そもそもスキルを気持ちよく打てる瞬間などエンドフィールドには存在しないが)
⇒でも決まったら気持ちいい
⇒でも決まったとしても敵は大して怯まない
これ決めたら翌朝になるまで怯んでてよくないか?
味方のAIちょっとサボりすぎじゃない?
⇒横歩きだけしているのがめっちゃ目立つ
⇒なのに敵は一切手加減せずに全軍突撃してくるのは素直に草です
⇒こいつら鉱石を殴る時は相当やる気ありますよ
頭上に出ている汗アイコンはよくわからんけど
手榴弾強すぎて草(ザコが1撃で即死するか致命傷)
⇒そこらへんに無限生成器が置いてあるのもおもろい
篝火もうちょい目立つようにできないか?
⇒拠点の中の篝火は3方を壁で覆うことで隠されていて笑った
⇒なんなら電柱辺りと見分けがつかない
⇒近づいて初めて「あっこれ復帰ポイントだったんだ…」ってなる
遠くから見えるようにした方がいいと思いますよ?
ストーリーは説明セリフが多くてダレたので途中からスキップしてた
⇒ストーリーは製品版でちゃんと見ます
グラフィックはマジでいい
⇒ベルギルタ可愛すぎるでしょ
武器ガチャはなんなんだろう
⇒キャラガチャの副産物で引けるのは温情だけど、それはもう武器ガチャを削除したほうがデザイン的にすっきりしないか?
鉱石の採取はかなりシンプルなのに、植物の増産が微妙に分かりづらいのはなんなんだろう
⇒種から植物をつくると2個に増え、植物から1つの種が取れる
基地で回復できないのはなぜ…
⇒回復設備を置けば回復できそう
いや、めんどうすぎるだろ…
回復アイテムを装備できるせいでヒーラーが息してなくない?
⇒一応敵の攻撃は痛いし…
ベルトコンベアを敷く時の自動補正の頭が悪いのはシンプルにダメ
⇒配置済みの設備を自動的に避けるくらいの簡略化はしていないと、工業シミュが苦手な人はついてこれない
ベルトコンベアを繋げた設備を移動する時のコストがアホみたいに重い
⇒ベルトコンベアのラインを1本ずつ丁寧に取り除きます
⇒設備を移動します
⇒すべてのベルトコンベアを繋ぎなおします
これ、設備を移動したらベルトコンベアをよしなに繋いでくれるか、
もしくは連結したベルトコンベアを自動撤去するくらいはやってくれないか?
どの設備でどの加工ができるのかが一目でわからないのはUIが悪い
⇒設備選択の際に”加工できる主なアイテム”みたいな欄を追加してほしいよね
⇒設備の詳細を開いて確認しないと分からないからシンプル不便
電柱から電線を直でつなぐ奴と給電機を経由しなきゃいけない奴の差が分かりづらい
裂け目の戦闘の時、地面の赤い常駐エフェクトのせいで敵の攻撃予兆が見えないのはオワ
⇒色味の方針設定はちゃんとしないとやばいよ?
回避挟んでも通常攻撃の段数をリセットしないでほしい
⇒最終段を出すのが大事なのに、攻撃されたら諦めざるを得ない仕様になっているのは流石に歪み