同潤會アパートと澁谷

画像1 晴れ渡った日曜日の午後、所用を済ませたあと表参道から青山へ。
画像2 青山学院や実践女子大の脇を抜けてテクテク歩く。裏道に入った途端、うそみたいに人通りがなくなった。
画像3 そうこうするうちに見えてきました。こちらが本日の目的地。
画像4 渋谷区郷土博物館・文学館。
画像5 『同潤會アパートと澁谷』展。今年は関東大震災からちょうど100年目。同潤會アパートとは、震災からの復興を目的に、困窮する住宅事情を解消するために建てられた一連の集合住宅のことです。その目的から災害に強いRC造をベースにしており、高いデザイン性や当時としては時代を何十年も先取りした充実の機能設備など、その先進性は高く評価されています。この博物館自体が比較的コンパクトなつくりなので規模自体は小さい展示会なのですが、機会自体が希少なため飛んできたわけです。小躍りしつつ、喜び勇みつつ……😍
画像6 ダメ、ゼッタイ🚫
画像7 入館すると正面のパネルには、昔の渋谷駅の姿が。ハチ公もお迎えしてくれます。
画像8 切なそうなまなざしでこちらを見つめてきます。渋谷駅のハチ公前で待ち合わせって、いつごろから始まった風習なんだろう。最近はあまり聞かないよね。いまは「ついたら携帯に連絡して」だもんな。ハチ公前の人ごみの中で「見つけてもらえるだろうか」なんて心配することもないし。
画像9 入館料100円という驚きの価格。チラシとチケットを受け取って先に進みます。
画像10 館内は基本的に撮影禁止なんですが、いくつかのスポットではカメラOKになっています。これは青山アパートの階段親柱。
画像11 設置状態はこんな感じ。「記念撮影をどうぞ」みたいに書かれていたんだけれど、石膏の階段はもうすこしカラーリングそろえてもらえると😅
画像12 親柱を横からながめてみる。奥に見えるガラスケースには貴重な資料が飾られていました。そちらは撮影不可。
画像13 各住戸の扉板。バリエーションに富んだデザインです。現代のマンションの扉と比べるとガラスの面積が非常に広く、防犯面でやや不安になるけれど、これはおそらく採光の問題。当時は電力事情が厳しかったので室内は薄暗いため、廊下側から外光を採り入れる必要があったのだと思います。もっとも、その廊下もかなり暗かったらしいけれど。
画像14 ドアポスト。このレタリングがかっこいい😀
画像15 右から「郵便新聞差入口」と書いてある。差入っていうのが時代を感じる。
画像16 水洗式トイレも当時としては画期的だったんだ。なにしろ、大正から昭和にかけてのころだからね。西暦でいえば1920年代。
画像17 2Fもあるので行ってみます。エレベーターもあるけれど――
画像18 せっかくなので階段で、時の流れを踏みしめつつ😁
画像19 2Fではアパート内部が再現されているとか。
画像20 雰囲気は伝わるが、LEDライトがすべてを現代に引き戻す。そこは白熱灯でしょ……。
画像21 戸棚ガラスの引き戸を丸テープで補修してあるのも芸が細かい。
画像22 台所の食器も炊飯窯、おひつ、ざる、鉄鍋など、今の家庭ではなかなかお目にかからないものばかり。昭和の邦画の世界だな。
画像23 窓の中央部についている「ねじ式」の鍵。なんと現在でも製造されているらしいんだよね。伝統的な畳敷きの空間にガラス戸やカーテン。西洋文化が徐々に入ってきているのが面白い。上には壁掛け時計、その向こうの天井には――ああ、これは博物館の空調か。こういう昔の再現ジオラマをみるとどこかにコンセントがないか「あらさがし」する癖があるんですが、今回は見当たらなかったので一応ご報告しておきます😛
画像24 これは冷蔵庫かな。上段に氷を入れて、下段に食料を入れる。冷気は上から下に流れるのでそういう構造なんだろうね、たぶん、確信はないが。
画像25 お兄ちゃんと妹、という設定なんでしょう。しかしこの時代の子どもたちはみんな大人びて見えるな。
画像26 地下の文学館も見て回り、これにて本日の見学は終了。
画像27 受付で資料集を購入しました。1,600円なり。
画像28 内容は当時の生活がうかがい知れる学術的な記載が多い。この手の建築や文化史が好きな人にとっては良い資料だとおもいます。展示会は2023年3月26日まで。