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具志堅用高記念館をゆく(沖縄)

年の瀬も近い12月中旬のとある日曜日、生まれて初めて石垣島へ降り立ちました。そもそも沖縄自体が初訪問です。
目的は具志堅の栄光の軌跡を訪ねること――ではなく仕事の用事で来たんですが、飛行機を降りた瞬間から無意識のうちにおれの軽快なステップワークが。夕方には会社の用事がある。それまでの数時間が勝負だ。
さあ行こう、あのピリオドの向こう側へ🥊

めんそーれー😀 石垣空港に到着です。まず第一印象、暑い! 東京ではダウンジャケット必須だったけれど、こっちはいま24℃かよ。取り急ぎ、空港前の路線バスで街なかへ向かいます


夕方までのスケジュールはこんなカンジ。具志堅めぐりと鍾乳洞視察が予定に組み込まれている。最初から観光する気まんまんな予定表です😛



街なかにある730交差点付近のモニュメント。米国に接収されていた沖縄は、1978年7月30日に日本へ返還されました。この交差点は島の中でも交通量が多い。



だからなのか、モニュメントの向かいでは、島のゆるキャラ「ぱいーぐる」が交通安全のたすきをかけて交差点を見守っています。愛嬌があってカワイイ。



令和2年にできたんだ。結構あたらしいね。



なにはともあれ、ハラ減った。6時30分の飛行機だったから、早起きしてまだなにも食べていない。ランチの予定が組まれていますのでね。スケジュールにのっとってまじめに行動しますよ。沖縄そばが食べたかったので、八重山そば本店へ突入。



タッチパネルをちょっと押しただけなのに、こんなものが出てきました。



八重山そばキタ~。ジョッキの中身が減っています。なぜならおれがグビグビ飲んだからです😋



さてさて、次の予定はどうなってる? 分刻みのスケジュールだからな。売れっ子アイドル並みに忙しいわ。手早くエネルギー補給をすませると、そのまま石垣港離島ターミナルへやってきました。そう、ここにはあのスターがいるんです。



具志堅用高。みなさんご存知でしょう。日本ボクシング界のレジェンド。世界タイトル13回防衛の金字塔を打ち立てた、あの具志堅が目の前に😍 ここは記念撮影スポットになっていて。たくさんの観光客が入れ替わり立ち代わり、ツーショットを決めていました。



撮らないという選択肢はない。当然のようにおれもチャンプの横に並ばせていただきました。



ひとしきり満足して、いったんはその場を離れたんだ。なんなら、ちょっとニンマリしている自分がいたことも告白しよう。でも、何か違う。そうじゃない。心の声が聞こえる。おまえは、具志堅の何だ? 奴にツーショット撮ってもらうためにここまで来たわけじゃないダロ? ベルトを奪いに来たんだろ! あの苦しかったトレーニングを忘れたのか? 思い出せ! お前ならできる、お前なら勝てる、お前がチャンピオンだ!!


――そして――



フェイスオフ! これがしたかった😁 もう満足です。このあと、おもいっきりニンマリしました。いやぁ、よかったよかった。周りの観光客からクスクス笑われようが、関係ないです。



ターミナル内にはお土産コーナーもある。やはりシーサーは大人気。こういうかわいいキャラクターの人気が高いらしい。口を開けているのがオス、閉じているのがメス。オスは右側、メスが左側。という決まりがあります



もうどんどんスピンオフしていっていますが、ここまでくると愛嬌があっていいね。おれは怖い顔の素焼きシーサーを連れて帰るつもりなので、ここでは購入しませんでした。



アジア旅行でもよくありがちな美容マスク。シーサーにする意味……。



島の天気は猫の目のようにくるくる変わります。さっきまで晴れていたかと思うと、ざっとスコールが降り、数分後にはウソのようにまた晴れる。遠くが暗くなってきた。降られないうちに先を急いだほうがよさそうです。



彼は島のヒーローなので、いたるところに彼をモチーフにしたあれこれが見られます。居酒屋さんの店頭にあった顔だし看板をパチリ📸



市の鳥にも指定されているカンムリワシ。道路のタイルにも描かれていました。石垣島に生息しているカンムリワシはたったの100羽くらいで、絶滅が危惧されています。



港からひたすらまっすぐ歩いていきます。道行く人はみんな半袖Tシャツ1枚。なんせ25℃ちかくあるからね、Tシャツにならざるをえない。それでも歩いていると汗ばんでくる。



町はずれで見かけた住宅の表札。一瞬「え?」と思ったんだが、あとで調べたところ、どうやらまったくの別人らしいことが判明。



しばらく行くと、看板が見えてきました。おーりとーりはいらっしゃいませの意味。右下にはおなじみのセリフ「ちょっちゅねー」の文字もみえるけれど、実際に具志堅さんの口から「ちょっちゅねー」を聞いたことがないんだよな。このあいだもフツーに「そうですねぇ」って言っていたぞ。



シンボルマークのカンムリワシがお出迎え。さっそく参りましょう。



1Fはパネル展示とグッズ販売、2Fは記念品展示という構成です。



味のある似顔絵だなぁ🙂 でも、うまく特徴とらえている



ちょっちゅねースタンプがあったんで、入場券の裏に押しておきました



1Fを見て回っていると、すみっこにガチャを発見。どうやら沖縄限定らしい。1回500円。もうカプセルが4つしか残っていない。全部で2千円か。結構するな。何が入っているの?



水牛、イリオモテヤマネコ、具志堅、シーサー、Beginが出ればアタリかな。



まずふたつやってみた。



Begin出た。ラッキー😃 しかしもうひとつがジンベイザメ。残りふたつのカプセルは……いや、リスキーすぎる。やめておこう。嫌な未来図が垣間見えたわ。



顔だし看板がここにも。これでキミもチャンピオン。でもこれ「具志堅用高」って書いてあるからかろうじてわかるけれど、それがなかったらただのアフロヘアのボクサー看板だからな。



イベントの時の看板かな? 左側の殴られ役になりきるならまだしも、後ろのにぎやかし3名の顔出しはもはや存在意義を疑うレベル……。



当時の新聞記事のパネル展示。ブルってるというフレーズも久しぶりに見たな。顔も若い!



2Fに上がると、トロフィーや記念の盾、表彰状が所狭しと並べられています。



最初は???だった。抽象画かなとも思ったけれど、少し離れて見たら絵が浮かんできた。



チャンピオンベルトやグローブも展示されています。これは貴重。



小さなリングとサンドバッグ。奥では具志堅さんの過去の名勝負がダイジェストで放送されていました。



力ないパンチ



1Fへ降りようとすると、目の前に「ワンヤ、カンムリワシニナイン」。



今回の訪問中でいちばん心に残った言葉。試合には勝者と敗者がいるという当たり前の事実。勝者は多くの人に囲まれ祝福を受ける。一方で敗者にはスポットが当たらない。誰にも見向きもされないんだけれど、だからといって「存在が消える」わけではなく、敗者としてのつらさや屈辱を誰にも見られることなく自分だけで引き受けなければならない。想像しただけでも怖いけれど、それでもなお挑戦したいという魅力が「勝つ喜び」にはあるんだろうね。



入口玄関マットのぱいーぐるに別れをつげてこの場をあとにする


いろいろあって、白井・具志堅スポーツジムは2年半前に閉鎖となった。経営難の話もあったし、ワイドショーや週刊誌にいろいろ書きたてられたこともあり、何が真実かはわからないけれど、自身のルーツと地元への想い、勝つことの喜びを伝えたいという気持ち、はホントな気がするね。
ご本人はあまり器用なほうではないと思うけれど、百の言葉で語るよりも、この実績ほど雄弁なものはない。世界を相手にタイトルを13回も防衛するというのは、そういう類のものだ。