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マインランド尾去沢をゆく1(秋田)

またまた、PCの最奥部からサルベージされたファイルです。
十数年まえの解像度低めな記憶へ、いざ、アプローチ!


3月のあたま、秋田へ出張に行くことになったとき、おれの頭に浮かんだひとつの計画。マインランド尾去沢にいくしかない。
大雪でも営業しているというたくましい商魂を事前調査によって得ていたので、あとはもうひたすら高速を飛ばして秋田市内から疾走すること3時間30分(ホームページには2時間半って書いてあったけど、どうなってんだよ)、ひたすら夢の世界を信じて白一色のなかをアクセルベタ踏みです。


さいしょ尾去沢って秋田県のどこにあるのかしらなかった。秋田駅前でレンタカーを借りていったんだけど、まぁカーナビ付いてるし2時間半ってかいてるし、問題ないでしょくらいの気持ちだったんだけど、あらためて地図で見直してみると……遠いよ。尾去沢は地図の中央、大館の東側、一方の秋田市内はグーッと南西に下がったところにある。直線距離はそれほどでもないけれど、地図を見てわかるとおり間に道がありません。やむを得ずいったん南下して東北自動車道を北上することに。かなり遠回りですが、雪道の一般道を行くよりはまだましかと。


高速を降りてからも、あたりは雪しかありません。山道を右に折れ、左に折れ、カーナビの指示にも不信感をつのらせながら走っていると、ようやく看板が出てきて到着。右側にP(駐車場)の指示がでていたけれど、駐車場らしき広大なスペースはすべて雪に埋もれていたので、そこらへんで勝手に駐車します。もう、駐車場もクソもないです。 見回したところ、客はオレひとり。ほかの車は見当たらず。ひなびた温泉街にあるようなチャカチャカした音楽が流れていなければ、営業しているのかどうか不安になるほどです。がらーんとしてて、ロッジの屋根から雪の塊がときたまドサッと落ちてくる。直撃をくらったら間違いなく生き埋めです。そそくさと入場券売り場へ。


券売り場は無人でした。声をかけると奥からオヤジがでてきて、オレの手から入場料をむしりとるとかわりにチケットをねじ込み、入口を指差します。その先には「鉱山歴史の坑道」といういかにもあやしげな施設が。ここはある意味秘宝館へとつうじる道です。


見てのとおり積もったままの雪。足跡ひとつないのが、オレ以外だれもいないことを物語っています。ていうか営業時間中は除雪くらいしといてくれよ。おーい、お客さんですよー。


入口に立っている人形。マインランドのイメージキャラクターらしいけど、足元の説明版も「僕の名前・・・」雪が凍りついてて読めません。視点もイマイチあってないし、入坑者のきもちを揺さぶる効果だけはある。


人形のわきを通り過ぎると重々しい鉄の扉が見えてくる。ようやく入口到着。


中に入ってうしろでに扉を閉めます。この扉を閉めると外界から一切遮断されます。


壁から水が染み出しているんだけれど、当然ながら凍ってます。これを見るだけでも、坑内がどんなに寒いかわかってもらえると思いますが。


前方にはふたつめの扉。


抜けると、そこはどこまでも伸びるまっすぐなトンネルです。


低いアングルから。


壁沿いから。床にあるレールみたいなあとはズリを運び出すトロッコのあとかな。


そして、いよいよ素掘りの坑道突入です。雰囲気は、まんまガラージュです。これだよ、この閉塞感だよ。やっぱりマインランドは俺の期待していた姿をあらわしてくれました。


狭い通路は天井から蛍光灯が照らすのみ。そのわりにはある程度の明るさは確保されています。


券売り場でわたされた機械。携帯ラジオみたいにイヤホンがついていて、首から下げられるようになっている。随所でガイダンスを傍受できるらしい。が、そんな説明を聞きながらのんびりしている暇はありません。


なにしろ、おれが秋田市内を出発したのが朝の8時、マインランド到着が11時30分、帰りの飛行機が午後5時発。行きの凍結した高速を思い起こせば、帰りにはどうなるかわからないからね。飛行機に間に合わないなんて事態だけはなんとしても避けたい。急ぎ足で坑道を進みます。


マインランドは3つのエリア(太古の世界、近代坑道、ちょんまげ坑道)からなっています。立入禁止の看板が出ていたので、さっそくなかを覗く。


魅惑の階段がかなりそそります。下に何があるのかも気になるし、この階段自体にもけっこう訴えるものがある。足を置いたとたん、おもいきり崩れそうな気もします。


放置されたトロッコ。切り出した土砂を運び出すやつでしょう。


分岐点に到着。なんだか地下壕みたいな様相を呈しています。まず左に行ってみる。


壁面には鉱物がライトに照らされてきらきら光っています。


ただ、ここでも水が染み出していて、石の表面はかなりぬれています。


左の通路はどうも車椅子用の出口だったらしい。ここからの立入禁止となってる。いちおう覗いておきます。


進入禁止なら仕方ない。分岐点まで戻って、右側の通路を進みます。前方に赤い光が点滅している。導かれるようにその方向へ。


途中に牢屋みたいなところを発見。坑内にはこんなのが至る場所に配置されている。で、何の説明もない。環境が環境だけに、ちょっと怖いんですけど。


上り坂の橋。このさきちょっと雰囲気が変って赤々とした照明に包まれている。しかし、相変わらず寒い。


ふたたび手掘りの牢屋みたいな場所。立入禁止はわかるけど、高電圧ってどういうことだよ。みたところ、発電機みたいなものは見当たらんが。つか、そんな危険なもの、こんな場所に設置しなくてもいいだろ。


床も結構ぬれてる。赤の世界をひたすら登っていくと、奥に黄色の世界が見えてくる。壁にはいろいろと鉱物の説明書があるんだけれど、時間がないので読んでいられません。


黄色の世界で壁から下がっていた木製の器具。用途不明。これもたしか横に説明書きがあったような・・・。時間のないおれには読んでる暇がない。足は常に前へ、前へ。


幻想エリアに入った。


狭い通路を歩きながら見上げると、金網が張り巡らされていて、その向こうに岸壁がはるか上のほうまでそそり立っている。



無機質な鉱物エリアを抜け、いよいよマネキンゾーンへと進みます。
長くなったので、つづきは次回。


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