【デタラメ】NASAをヘブライ語で「騙す」とは訳せません。
NASAとは、ヘブライ語で「騙す」という意味の英語なのでしょうか?いいえ、それは違います: NASAは英語の頭字語で、National Aeronautics and Space Administrationの略です。ヘブライ語には《nasa》のような発音の単語もありますが、それは《持ち上げる》、《運ぶ》、《背負う》という意味です。ヘブライ語研究を専門とするワシントン大学のユダヤ文学教授は、Lead Storiesの取材に対し、ヘブライ語には「『騙す』という概念を表現する言葉は複数ありますが、《nasa》のような発音をする言葉は私の知る限りありません」と語っています。
この主張の発端は、2023年8月15日にInstagram上で共有された動画で、「NASAとはヘブライ語で『騙す』の意味だ 👁️‼️」というテキストが重ねて表示されていたことに端を発します。投稿に添えられたキャプションには次のように書かれていました:
このファクト・チェックが公表された時点では、この投稿は次のように表示されていました:
ウェブサイトに明記されているように、NASAはNational Aeronautics and Space Administrationの略です。
この投稿は、NASAの名称に関する主張を支持したり説明したりするための文書や言語調査を用いていません。
ヘブライ語の専門家は、ヘブライ語では《nasa》は投稿が主張するような意味ではありません、とLead Storiesに説明しました。
Naomi Sokoloff教授はワシントン大学中東言語文化学部の学部長です。 彼女の研究と教育は、主に現代ユダヤ文学に焦点を当てており、特にヘブライ語に力を入れています。
「《nasa》と聞こえる単語は、持ち上げる、運ぶ(或いは)背負うという意味になります」と、2023年8月17日に届いた電子メールにてSokoloff教授はLead Storiesに返信してくれました。
その単語はヘブライ語で 《נשא》と表記され、グーグル翻訳で「運ばれる」という意味であることが確認されました。
「『騙す』という概念を表現する言葉は複数ありますが、私が知っている限り、nasaのように聞こえるものはありません」と彼女は書いています。彼女によりますと、そのうちの2つの単語は以下の通りです:
「辞書では、ヘブライ語の動詞は過去形(と)三人称の男性代名詞 《he》のために用意されています」とSokoloff教授は書いています。つまり、これらの単語は「彼は騙した」という意味になります。他の単語は意味的に関連しており、lied(嘘をついた)、duped(騙された)、cheated(騙された)、hoodwinked(騙された)等に相当します。どれも《nasa》には似ていません」
NASAはしばしば虚偽の主張の標的にされます。他の疑惑の中でも、Lead Storiesは、NASAが宇宙飛行士を宇宙に送ったことがないことを認めたという報告や、1972年のアポロ17号の月打ち上げは偽装演出されたものだという報告を論破しています。
言語操作に基づく誤報や偽情報もよくあることです:Lead Storiesは、Pfizerの綴りを逆にしたRezifpは疫病と冥界の神ではないこと、陰謀論で使われるゲマトリアコードは常に一致すること、ファッションブランドBalenciagaの綴りを間違えて「Baal enci aga」と分けた名前はラテン語で「バアルは王である」とは訳されないこと等を報告しています。
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