映像に映っているのは、オリンピック開会式後のキリスト教徒によるデモではありません。
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2024年パリ・オリンピックの開会式が一部のパフォーマンスを巡って騒動になった後、SNSユーザーが、キリスト教の信者達が大会に抗議していると主張する動画をシェアしました。これは誤りです。この映像は、2022年にフランスのルルドで開催されたカトリックの聖母被昇天祭で撮影されたものです。
「オリンピック開会式でのイエスと最後の晩餐の嘲笑に抗議するため、今夜はフランスのキリスト教徒がミサに出かけている」として、2024年7月28日のXの投稿には、何千人もの人々がキャンドルを持ち、「ルルド賛歌(無原罪のマリア)」を歌っている様子が映っている、と書かれています。
同様の投稿は、アラビア語、フランス語、ポルトガル語といった複数の言語でX上の他の場所にも拡散されました。
オリンピックは7月26日、前例のないセーヌ川沿いのパレードで開幕しました。しかしながら、人種的に多様なキャストが出演し、女性やLGBTQのパフォーマーが目立ったことで、一部の保守派からは「野蛮だ」と批判を浴び、ネット上では誤報が蔓延することとなりました。
その反発は、ダンサー、ドラァグクイーン、DJが「最後の晩餐」を描いたとするポーズをとるライブポートレートに集中しています。
Thomas Jolly監督はキリスト教の図像からインスピレーションを得たことを否定し、パリ2024の広報担当Anne Descamps氏は7月28日、記者団に次のように語っています:「当然ながら、いかなる宗教団体に対しても無礼な態度を示す意図はまったくありません。気分を害された方には、本当に申し訳なく思っています」。
それでも、一部のカトリック団体やフランスの司教達は、「キリスト教を愚弄し、嘲笑している光景」だと非難しています。
しかしながら、ネット上で共有されている動画は開会式とは無関係のものであり、AFP通信はこのパフォーマンスの後に大規模なデモが行われた形跡を見つけることは出来ませんでした。
逆画像検索、及び、キーワード検索を行なった所、2022年8月14日にノートルダム・ド・ルルド大聖堂の公式Xアカウントから投稿されたものを含め、同じ動画を共有する投稿がいくつか発見されました(アーカイブはこちら)。
フランス語のキャプションには、「聖母被昇天の日、おめでとうございます。世界中のカトリック信者と共に祈りを合わせて。皆さんの心に聖母マリアが輝きますように」と書かれています。
2022年8月15日のフランス語の記事には、この映像のスクリーンショットも掲載されています(アーカイブはこちら)。見出しを翻訳しますと、 「ルルド: 数千人の巡礼者が聖母被昇天を祝う」です。
毎年、オート・ピレネー山脈のルルドの町では、イエスの母マリアの昇天を記念するキリスト教の宗教的祝祭日である聖母被昇天を祝っています。
AFP通信の2024年オリンピックに関する誤報に関する報道はこちらからご覧頂けます。
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