【あたおか】ワクチンには中絶された胎児の細胞は含まれておりません。

【主張】

  • 水痘、MMR、肝炎等のワクチンには、中絶された胎児の細胞とDNAが含まれている。

【評定:誤りです】

  • ワクチンはヒトの細胞株を使って開発されますが、胎児の組織がワクチンに使用されることはありません。

AAP FACTCHECK - 世界で最も一般的に使用されているワクチンの中には、中絶された胎児の組織、DNA、細胞が含まれているとのSNS投稿があります。

これは誤りです。ワクチンはヒトの細胞株を使って開発されましたが、完成品には胎児の細胞、組織、DNAは含まれていません。

Facebook上の投稿には、肝炎、狂犬病、水痘、帯状疱疹、ポリオ、麻疹おたふく風疹(MMR)といった一般的なワクチンが列挙され、中絶胎児の組織、DNA、細胞が含まれていると主張されています。

「中絶された胎児の組織から採取されたヒトのDNAがワクチンに含まれている」とFacebook上に投稿された画像には書かれています。

「中絶された胎児の細胞は殆どのワクチンに含まれている」と、別の投稿には書かれています。

中絶された胎児の細胞はワクチンの成分ではありません。


アストラゼネカ社製COVID-19ワクチンについても同様の主張がなされており、AAP FactCheckは2024年1月にこの主張を論破しました。

専門家は、この主張は他のワクチンについても誤りであると述べています。

オークランド大学のワクチン学者、Helen Petousis-Harris氏は、この主張は神話であると述べています。

彼女は、いくつかのワクチンは1960年代の2回の選択的中絶に由来する歴史的な細胞株を使って開発されたという事実が誤解を生んでいると指摘しました。

彼女は、これらの細胞株からの細胞は何十年もの間、研究室で複製され、ワクチンに必要なウイルスを増殖させる道具を作り出してきたと語っています。

多くのワクチンで使用されるウイルスは細胞株で培養されていますが、
ワクチンにはそのような細胞は含まれていません。

「ワクチン開発において、特定のウイルスは特定の細胞株で培養されます。何故なら、これらの細胞はウイルスの複製に適した環境を提供するからです」とPetousis-Harris准教授はAAP FactCheckに語っています。

「ウイルスは後に細胞株から採取され、ワクチンは精製されて残存細胞を除去し、最終製品に混入しないようにされます」

「ワクチン自体にはヒトの組織や細胞は全く含まれていません」

Mater Health Servicesの感染症ディレクターであるPaul Griffin准教授は、既存の細胞株の増殖は、ヒト細胞に依存するワクチンを含むいかなる製品も新たな中絶を必要としないことを意味すると述べています。

「これらのワクチンの製造にヒト細胞(またはヒト由来の細胞)が使用されているのは事実ですが、それらは研究室で培養されたものであり、非常に長い期間そうされてきました」と同氏は述べています。

「しかしながら、実際のワクチンにはこれらの細胞は含まれておらず、そのため、中絶された胎児の組織や細胞は含まれていません」

Griffin准教授は、これらの細胞を使ってワクチンやその他の製品を作ることが可能になったことで、数え切れないほどの命が改善され、救われたことは間違いないと付け加えています。

シドニー大学のJulie Leask教授は、ワクチン接種とワクチンへの躊躇を専門とする社会的研究者ですが、水痘、風疹、狂犬病等のワクチンにはDNAは含まれていないと述べています。

「これらの胎児細胞からのDNAは、ウイルスを増殖させる過程で細胞が死滅し、ワクチンウイルスが精製されることで細胞DNAが破壊されるため、もはやヒトのDNAとは認識出来なくなっているのです」

彼女は、バチカンは2005年に、選択的に中絶された胎児からの細胞株を使用することについての宗教的懸念を検討し、道徳的に受け入れ難いにも関わらず、適切な代替手段がない場合には、このようなワクチンを使用することが可能であるとの結論を出した、と付け加えています。

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