【あたおか計算】Jeff Bezos氏の個人資産で誰もが億万長者になれるという主張は辻褄が合いません。
【主張】
もしJeff Bezos氏の純資産が1兆ドルに達した場合、「彼は文字通り世界の貧困を終わらせ、全ての人に10億ドルを与えても、まだ915億ドルが残るだろう」
【お時間の無い方の為の一言解説】
あるFacebookの投稿で、Jeff Bezos氏の純資産を均等に分配した場合、全員が10億ドルを受け取り、Bezos氏はまだ915億ドルを自分のために残せると主張する誤った計算が提示されました。
Bezos氏の1495億ドルの財産を世界の人口で分けた場合、実際には一人当たり19ドル程度を手にすることになります。
【レビュー】
Amazonの創業者でCEOのJeff Bezos氏は、世界で最も裕福な人物の一人です。そのため、一部のソーシャルメディアユーザーは、彼が他の全ての人を億万長者にすることが出来、なおかつ最も裕福な個人の一人にランクインすることが出来ると主張しています。
Bezos氏の純資産が1兆ドルに達した場合、「彼は文字通り世界の貧困を終わらせ、全員に10億ドルを渡しても、まだ915億ドルが残る」と主張する写真が9月14日にFacebookでシェアされました。
この投稿は、Facebookのニュースフィードにおける偽ニュースや誤報を撲滅する取り組みの一環として、フラグが付けられました。(Facebookとのパートナーシップについてはこちらをご覧下さい。)
共有は思いやりとはいえ、この主張はベゾスの富の分配を正しく計算していません。そして、Bezos氏の資産に関するこのような計算を目にするのは、今回が初めてではありません。この最新の数字を見てみましょう。
まず、Facebookの投稿では、Bezos氏の資産は1兆ドルにのぼると仮定しています。これは正確ではありません。Forbes誌によりますと、9月15日現在、Bezos氏の純資産は約1495億ドルで、兆万長者まであと約8505億ドルです。
中小企業向けコンテンツプラットフォーム「Comparisun」が行なった2020年の分析では、Bezosは2026年までに世界初の兆万長者になると予測されています。Facebookの投稿写真には、この予測に言及したNew York Postのツイートが掲載されています。
また、この主張は、世界の人口を75億人と想定していますが、米国国勢調査の世界人口時計では、9月15日現在で79億人に近い数字になっています。
仮にBezos氏が1兆ドルの資産を持っていたとしても、この主張の計算はまだ辻褄が合いません。
世界の79億人がそれぞれ10億ドルを受け取り、ベゾスが915億ドルを自分のものにするためには、この技術界の大物が79億ドル以上の価値を持つことが必要です。
10億ドル×79億人+915億ドル=7,900,091,500,000,000ドル
現在Bezos氏がどのくらいの資産を持っているかで富の分配を正確に計算すると、Bezos氏を含む全ての人が19ドル弱を手にすることになります。
1,495億ドル÷79億人=18.92ドル
【評定】
Facebookの投稿では、仮にBezos氏の純資産が1兆ドルに達した場合、「文字通り世界の貧困をなくし、全員に10億ドルを渡しても、915億ドル残る」と主張しています。
この計算はおかしいです。もしBezos氏が1495億ドルの富を世界中に平等に分け与えたとしたら、一人当たり約19ドルを受け取ることになるでしょう。
我々はこの主張をPants on Fireと評定しています。