【やっぱり民度が低い】前首相が狙撃された後の緊急搬送写真が「福島の魚を食べた岸田首相」として悪用されています。
担架に乗せられた人物の写真を、8月30日に福島産の魚を食べた岸田文雄首相が病院に運ばれたと偽って、中国のソーシャルメディアに投稿したものが何万回も閲覧されています。しかしながら、それ以降9月8日までの岸田氏の行動を詳細に記録した日本のメディアの日報には、彼が入院した記録は一切見当たりません。写真は2022年に銃撃された安倍晋三前首相の写真です。
岸田首相が福島産の「安全で美味しい」魚を食べたのは、事故を起こした原子力発電所からの処理水が太平洋に放出された直後のことでした。
「日本のメディアは、岸田文雄が福島の美味しいものを食べて間もなく病院に運ばれたと報じているが、もしかして彼は危険な状態にあるのだろうか」と、簡体字の中国語で書かれた投稿が9月2日に微博に掲載されました。
52,000回以上再生されている動画のサムネイルには、担架で運ばれる人の姿が映っています。
サムネイルに重ねて書かれた中国語の文章は次のようなものです:「日本のメディアは、岸田文雄氏が病院に運ばれたと報じているが、まだ疑惑があり、原発の放射能と関係があるのだろうか」
映像には、岸田氏、魚介類、発電所といったストック映像が含まれています。ナレーターが北京語で同じ主張を繰り返しているのが聞こえます。
岸田首相の事務所は8月30日、彼と他の3人の閣僚が福島の海産物を食べている映像を公開しました。
これは、世界最悪の原子力災害を引き起こした巨大地震と津波から12年経った福島の産品を宣伝するためのものでした。
中国は以前、隣国からの全ての水産物の輸入を禁止していました。
同様の虚偽の投稿は、微博、Facebook、X(旧Twitter)、中国の動画ストリーミングサイトBilibili、中国のニュース・アグリゲーターサイトNetEaseやToutiaoでも共有されました。
岸田首相は入院していません
しかしながら、複数のキーワードで検索してみたところ、投稿とは逆に、岸田首相が福島の海産物を食べて病院に送られたという日本のメディアの報道は見当たりませんでした。
朝日新聞を含む日本の主要な報道機関は、毎日首相の動静を記録して公表しています。8月30日から9月8日までのエントリーを確認したところ、首相が体調を崩し入院したという記述は見当たりませんでした(アーカイブリンク)。
日本の公共放送NHKによりますと、岸田首相はASEAN首脳会議に出席するため9月5日にインドネシアに到着し、G20首脳会議に出席するためインドに向かう予定だということです(アーカイブリンク)。
日本の外務省は9月6日、ASEAN首脳会議に出席した岸田首相の写真をウェブサイトに掲載しました(アーカイブリンク)。
更にキーワード検索と逆画像検索をした結果、Getty Imagesというメディアエージェンシーが2022年7月8日に公開した偽の投稿の中にこの写真があることが判明しました(アーカイブリンク)。
写真のクレジットは朝日新聞で、タイトルは「安倍元首相、選挙演説中に銃撃される」です。
安倍首相は西日本で選挙演説中に白昼堂々と銃撃され、統一教会との繋がりに怒ったとされる男に狙われました。
以下は、偽の投稿で共有された写真(左)とGetty Imagesが公開した写真(右)のスクリーンショット比較です:(左):
Googleでキーワード検索すると、2022年7月9日付の朝日新聞に掲載された担架に乗った安倍首相の同様の写真と、2022年7月8日付のYouTube公式チャンネルに掲載された日本の放送局TBSニュースによる同様の動画が見つかりました(アーカイブリンクはこちらとこちら)。